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アジア・太平洋戦争の戦争責任を考える
ビデオ我が闘争(ヒトラーとアウシュビッツ)」
「侵略(日本軍はアジアで何をしたか)」を見て考える
旧2年B組
ヒトラーについてのビデオも、日本軍についてのビデオも、見て、とても残酷だと思った。映像的な残酷さもあるが、社会的な残酷さの方が大きい、と思った。日本が、こんな過去を残した現在、僕たちに何ができるのだろうか? 残酷な過去を残した国の人間としてのプライドが持てるか? ・・・僕は持てない。こんなに非道く、信じられないようなことをしてきたからだ。
 だけど、何とかしてプライドを保ち、過去のことを忘れないで生きていけば、過去を清算することができるだろう、と僕は思う。
ヒトラーのビデオについて。どうして、あそこまでひどいことをするのか理解できません。人間の行為とは思えません。ユダヤ人の人たちがかわいそうです。ドイツは一度戦争に負けて、辛い思いをしたはずなのに、もう一度、同じ事を繰り返すことが許せません。それに、多くの人がヒトラーの考えに賛成してしまったのも悲しいことです。二度と起こってはならないことだと思います。
 日本軍のアジア侵略のビデオについて。あまりのひどさに、感想がありません。ニヤニヤ笑いながら、ものすごく大勢の人を無差別に殺していくなんて、日本軍は最低なことを平気でしてきたんだな、と思いました。現在にまで続く「反日運動」も無理ないのかな? と感じました。
 戦争責任について。戦争責任は誰にあるのかは、とても難しいです。でも、絶対に言えるのは「国民には責任はない」ということです。だって、国民が意見など言う場なんてなかったし、国民が知らなかったことが多いのだから。でも、そう考えていくと、戦争責任は、当時の政治のトップにあるのかもしれません。
ヒトラーについてのビデオについては、ヒトリの男の独裁により、国全体が、こんなに変わってしまって驚いた。ユダヤ人虐殺は恐ろしかった。
 日本軍の『侵略』については、人間を生きたまま実験に使ったりしたのが、とても恐ろしかった。
 戦争責任については、国民に戦うことを命じたり無責任だったりする天皇もいけないけど、当時の人に申し訳ない気もするが、抵抗しようとしなかった国民も、おかしいと思う。天皇の言うことに従って戦争で死ぬよりも、戦争に反対して抵抗して死んだ方が、絶対良いと思う。
ヒトラーの独裁政治、ユダヤ人に対する迫害や、日中戦争時の南京大虐殺等、この世に実際にあったこととは思えないほど、残酷だ、と思いました。また、中国で人間を実験台に使ってペストやコレラを流行させた日本軍は、非常識・・・人間だとは思えません。
 この戦争は日本軍部による戦争で、この戦争の全ての発端は、日本の軍隊にあると思います。これは作家の半藤一利さんの『昭和史』でも書かれている意見です。
先生から
 確かに、満州事変は、関東軍が起こした南満州鉄道爆破事件が「発端」ですが、それを罰するようにすすめた側近のアドバイスに反して、関東軍に「お誉めの言葉」を与えて、その行動を追認した天皇については、どう考えますか?
 また、アジア・太平洋戦争(米英との戦争)については、資料に詳しく書いておきましたが、何度も何度も御前会議を開いて、天皇の事前の十分な承認のもとに、「発端」である真珠湾・マレー半島攻撃が起こされたのが事実で、満州事変のように天皇が知らないうちに軍部が起こしたものでは全くありません。半藤さんの『昭和史』にはアジア・太平洋戦争(日米戦争)についても、「全ての発端」は「日本軍部」による、と書いてありますか?
戦争責任は国民にある、と思う。「戦争に反対したら自分が殺される」からって、そのまま黙ってちゃ、ダメっしょ? 戦争に反対する人が少しはいたのに、何も思わない、何も感じない人間なんていないはずだ・・・戦争に賛成したから、みんなが辛い思いをしたんだよ。
ビデオは二本とも残酷すぎて、言葉になりませんでした。死体とかたくさん出てきて、気分が悪くなりました。戦争の責任は、やっぱり戦争を企画したやつ、一緒に戦争したやつにあると思う。
僕たちは「ヒトラーは最低な奴だ」とか「なんで、あんなにユダヤ人を大量虐殺できたんだろう?」とか思っていたけど、日本軍も南京大虐殺をするなど、ヒトラーと、あまり変わらないことをいているんだな・・・と思いました。だから、僕たちは、日本のしてきたことを、きちんと知った上で、はじめて、ヒトラーなどの独裁政治をしていた人たちを「悪い」と言えるんだと思います。
先生に質問です。ビデオの中身って9割りかた、「おかしいな」と思うところがあります。どうして、あんな所で写真を撮ったり、絵を描いたりできるんですか? 中国は軟禁だ虐殺の死亡者数を「30万人」、日本では「20万人」とか言っているって字幕が出ましたけど、とても小さい場所なのに、そんなに亡くなることはあるんですか? そういうことに対して根拠とかありますか? 違うなら、そのような思想を植え付けないでください。
先生から
 現在、右翼的な人々が「南京大虐殺はデマだ」という主張を声高に行っています。インターネット上には、そういう歴史事実に反する主張が恥ずかしげもなく、たくさん載せられています。が、その主張には「根拠」がありません。なぜなら、現在でも生き証人(奇跡的に生き残った人、「幸存者」と中国語では言うそうです)と生きた証拠(写真、映写フィルム、当時の人が書いていた日記etc.)が中国には、たくさん、あるからです。
 「あんな所で写真を撮ったり」できるのです当時の日本人従軍カメラマンが撮った写真欧米の特派員が撮った写真、当時の南京国際区にいたジョン・ラーベというドイツ人ナチス党員が、当時、日本の南京大虐殺を詳細に写真に撮り、詳細に記録した記事をドイツ本国に報告していたもの、当時のアメリカのマギー牧師が危険をおかして撮影していたフィルム、当時のアメリカ人の女性の日記etc.数限りなくあります。
 「絵を描いたりできるんですか」については731部隊員が描いた絵(米軍に提供したもの)やソ連軍による戦犯裁判に提出された資料が残っています。あのビデオに出てきた「手術台の絵や生体実験の犠牲になった人の絵」については、当時書かれたものではありません。ナレーションで言っていたように、当時日本軍憲兵として731部隊に「マルタ」と呼ばれる実験材料にされた「捕虜」を送り込んだ良房とらお氏の証言を基にして書かれたものです。731部隊に関しては、日本人により記録された本もたくさん出版されていますが、私は、そこで生体実験をした湯浅医師による、詳細な証言の記録の一冊の本を持っています。
 「30万人虐殺」? 「20万人虐殺」? という数字については、「正確な数」を確定しようと、今も研究者による研究が進められていますが、概数しか発表できないのです。「南京大虐殺でっち上げ説」の人々は、この数字の「違い」をもとにして「南京大虐殺はなかった。中国人と日本人『自虐史観』派のでっち上げ」だなどと主張しますが、東京大空襲の犠牲者数が一般的に派「10万人」と言われ、みんなの教科書には「8万人」となっていることをもって「根拠がない」ということになりますか? 「東京大空襲はデッチ上げだ」ということになりますか? 「本当に根拠とか」ない、ということになりますか? 原爆の犠牲者数についても、現在でも「約20万人」という概数でしか言えません。しかし、数字が完全に正確ではない、ということは「その事実がなかった」ということにはならないのです。
 「とても小さい場所なのに、そんなに亡くなることはあるんですか?」ですが、あなたが南京は「とても小さい場所なのに」と言える根拠はなんですか? 南京大虐殺否定派は、「当時の南京の人口は20万人しかいなかったから、30万人虐殺できるはずがない」と言いますが、20万人というのは南京安全区委員会が1937年12月17日付け文書で「もし市内の日本兵のあいだで直ちに秩序が回復されないならば、20万の中国市民の多数に餓死者がでることはさけられないでしょう」と書いてあることによるのでしょう。しかし、これは南京陥落後の安全区内に非難収容された人にかぎった数であり、南京大虐殺以前の南京市の人口ではありません。南京市は「城区」(市部)と「近郊区」(県部)にわかれます。城区に限っても1937年11月23日(日本軍制圧直前)に南京市政府が作った文書には人口約50万人となっています。さらにこの後、避難民の流入もあり、日本軍に包囲された中国軍の兵士も15万人いました。 戦前、城区の人口は約100万人、近郊区の人口は約130万人という数字がでているのです。現在の南京市の面積は6597平方km、人口563万人、(東京都は、それぞれ、2187平方km、1174万人)です。
 「そのような思想を植え付けないでください」については、どのような「思想」を言っているのか、私にはよく分かりませんが、私の思想は「民主主義」思想です。私は「人間の自由と平等」「公正であること」を何よりも重んじます。こういう「民主主義」の思想は「自分の頭で考える」ことを前提としていますから、「植え付け」ることはできないと考えています。私は研修を積み、「根拠のあること」のみを教えているつもりですが、研究状況や私の勘違いも、もちろん、ありますので、「完璧だ」などと主張するつもりはありません。
 最後に、南京虐殺否定派の日本人が書いた本の中で、虐殺の生き証人である李秀英さん、夏淑琴さんを「偽証人」と誹謗中傷されたことで李さんが日本の裁判所に提訴し、勝訴した時のインタビューを載せておきます。
ヒトラーのビデオは、『予言』と同じように、痛々しい場面がたくさんありました。ユダヤ人迫害のおそろしさを、映像で見ることによって、「残酷さ」というものを実感したような気がします。日本軍の『侵略』のビデオも今からは考えられないような映像ばかりで、特に人間を使った実験の話などは、同じ空気を吸っている人間がするべきことではないと思いました。また、のちのちの原爆などの原因は、ここにあることを初めて知りました。よく「原爆を落としたアメリカは悪い」などと言うけれど、日本が中国に対してしたことも同じくらい、もしくは、それ以上にヒドイし、なんだか、「お互いさま」みたいな状況があったのか、と思います。
10アウシュビッツの収容所で、たくさんのユダヤ人が殺されたことや、ひどい差別をされていたことを知って、とても驚きました。でも、日本も南京大虐殺という、手当たり次第に中国人を殺してしまう、などということをしていて、「ナチスはひどい」と思っていたけれど、日本も同じようなことをしていた、と知って、少しショックでした。そして、こういうことが、今の国と国とのつながりにも関係してきているので、相手の国の人のことを、もっと考えていかないといけない、と思いました。
11「ひどい暴虐を働いたのは、ドイツのヒトラーぐらいだ」と思ってましたが、私たちと同じ日本人も同じことをしていたなんて、夢にも思いませんでした。去年行われたサッカー「北京ワールドカップ」で、日本の過去について、かなりのブーイングがあったのを、テレビで見ましたが、その時は、「なんで、スポーツに政治的なものを持ち込むのか?」と怒りました。しかし、今回の日本軍の『侵略』のビデオを見て、その考えが変わりました。日本軍がやったことはヒドすぎます。人間として絶対に行ってはいけないことだと思います。私は、今回のビデオを見て、今まで以上に「戦争は絶対にしてはいけない」という考えが強まりました。
12日本も今「北朝鮮の拉致問題」などを言っているが、昔の日本も同じことをしていたと思う。しかも、見ている限り、今の北朝鮮より、むごいことをしている。はっきり言って、ガッカリだった。
13ラジオ、新聞社などの報道機関(ジャーナリスト)などが、もし、当時、南京大虐殺などの日本のひどい行為を思い切って報道していたら、国民は「世界平和のための戦争」をしているんじゃない、ということが、絶対、分かったと思う。でも、かといって、この戦争の一番の責任は、天皇はじめ、この戦争を初めて指導していた人たちだと思う。
14戦争責任は、天皇にもあると思うし、東条ら軍部にもあると思う。でも、良く考えれば、日露戦争を起こしたやつにも責任があると思う。この戦争で勝ったことで、日本は大国意識を持ち、アジア・太平洋戦争にいたったんだと思う。
 また、現在の教科書の内容のことで、考えたのだけど、政府は「ゆとり教育」とか言って教科の授業の時間を減らしたけど、それは見せかけで、社会科で、日本に都合の悪い歴史の事実を教えたくないんだと思う。つまり、他の教科の内容も減らすことで、社会科の内容を減らすことも自然に見せているのではないだろうか? この「ゆとり教育」は政府の陰謀では?
15日本軍の『侵略』のビデオを見て、日本軍があんなにひどいことをしていたなんて、とてもショックでした。「戦争は恐ろしいものだ」と分かっていたつもりだったけど、予想をはるかに越えるほど残酷でした。また、生きている人たちをつかまえて、病原菌を植え付けるとか、生きたままの実験など、おなじ日本人として、同じ人間として、信じられません。今までは、テレビなどで、日本を嫌う中国の方などを見て、「昔のことなのに・・・」と思っていたけれど、ビデオを見て、中国の反日感情を持つ方々の気持ちが痛いほど、分かるようになりました。
16日本軍のやったことは、とても残酷でした。見ていられなくなりました。こんなことを日本人がやってたなんて、信じられません。