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原爆記録映画『予言』、富国強兵
ビデオ『ガンジー』について考える
旧2年B組
『ガンジー』を見て。彼は、とても、素晴らしい精神力と忍耐力をもっていると思いました。ガンジーについては、前に個人的に調べたことがありました。その時に調べたことよりも、くわしく知ることができました。それに、こないだDVD屋に行った時、この「ガンジー」という映画がありました。
『予言』についての意見には「中学生にも見せるべきだ」「中学生には見せないべきだ」と意見が分かれていますが、私は、この『予言』を見て、原爆の恐ろしさ、二度とこのようなことを起こしてはいけないことを意識でき、後世に伝えていって、今後、絶対に起こらないようになればいいと思った。だから、私は、見てよかったと思っています。
『「LOVE and PEACE」という言葉の、どこが偽善的なんですか?』というC組の人に・・・「LOVE and PEACE」は、やっぱり、使う場所を考えるべきだと思う。私も良い言葉だとは思うけど、軽々しく使ってしまっては、言葉の良さというか、大切さみたいなのが、落ちる気がするし・・・。それに深刻な問題を抱える人たちにとっては、そんなの言葉だけのなぐさめみたいになるから、余計に傷つくかもしれないし・・・本当に、そういう平和とかを願っている人たちは、そんな言葉に頼ったりしないと思う。「LOVE and PEACE」という言葉を使ってる人は、たいしてそんな「愛と平和」ってことを思ってないで、ただ、これを言っておけば、周りから好感を持たれる、うまく丸めこめるみたいなことを考えてる気がする。
 「LOVE and PEACE」は良い言葉だからこそ、もっと大事に使ってほしい。
僕は、この『ガンディー』のビデオが、前回の紙上討論の、ある人の意見を否定しているように見えた。それはA組のの人の意見です。「時には戦争して人を殺さなきゃいけない場合もあるんだって! それにアメリカを味方にしたら生きることができるんだよ」という意見ですが、この意見に好感を持った人は少ないと思います。「時には戦争して人を殺さなきゃいけない場合がある」??? いいかんげんにしろよ!! アメリカがイラクを攻撃したのは、フセインをぶっつぶしてイラク国民を助けるためでも、大量破壊兵器をフセイン政権が持ってたからでもないだろ? この戦争はイラク国民にとって苦しみだけだったのは明らかだし、大量破壊兵器を持ってなかったことはアメリカが認めている。アメリカは、ただ、イラクの石油が欲しかったんだ。イギリスがインドでおこした大量虐殺だって、イギリスが、戦争ではないけれど、インドを植民地支配し続けたかったからだけじゃないか。確かに「人を殺さなきゃならない場合」もあるかもしれない。たとえば金正日が後日「これから日本に核兵器(北朝鮮自身が保有を認めた)を投下する」と言った時、誰かに暗殺された、という場合、それは日本にとってはとてもいいことだ。一人の独裁者の命と引き替えに数万人の命が助かるからだ。
 でも「アメリカを味方にしたら生きることができる」についても、この金正日が核兵器を日本に投下する、という事態になった場合、アメリカは日本を守ることに全精力を使うことはまず、ないだろう。日本は今、教科書P142の左上に載っている「うしろにおれがついている」とイギリスが日本をけしかけ、ロシアに立ち向かわせている日英同盟の絵から成長していない。強国を味方につけた気でいて、強国も日本の味方をしているふりをしているのである。それに、そのころの最強の国、イギリスは、インド人の「独立したい」という強い気持ちに負けたのだ。どんなに軍事力が強くても勝てないものはある! 戦って奪い合うだけなら、サルでも、ゴリラでもできるのだから、人間にしかないもの、「心」と「言葉」で植民地支配を解決へと導いたガンディーは、本当に立派だと思う。
 だから僕は、A組19の人の『「人間に欲がある限り戦争はなくならない」という意見に。確かに人間の欲は消えないけれど、戦争のない平和な日々を望む人がいる限り、戦争は少しずつかもしれないけれど、減っていく』に賛成で、A組22の『戦争は人々に欲がある限り永久に続く』の意見に反対。「人々に欲がある限り戦争は続く」と言うけれど「戦争はもうしたくない」「争いを世界からなくしたい」というのも、人々の「欲」である。むしろ世界中の全人類に「戦争をしたいですか?」と問いかければ、「したい」という人より「したくない」という人の方が多くなるのは目に見えている。「戦争をしたいですか?」という一つの質問には、人類60億人だけでなく、他の動物や植物、全生物の思いが乗っかっていると思う。
『ガンディー』を見て、一番印象的なシーンは、インドの人々が、インドの人々に塩を作らせないイギリスの支配に抵抗して、製塩所の門の前に立っている兵に向かっていくところです。イギリスに雇われた兵は、棒を持っているのに、インド人は何も抵抗せずに向かっていく姿はすごいと思いました。私なら絶対に「何すんだよっっ」みたいな感じで手を出してしまうかもしれないのに・・・インド人には若い人からお年寄りまでいたのに、イギリスに雇われた兵は何も感じないのかとなぁ? と思いました。こんなふうに国民たちの心を一つにまとめられたガンディーは本当に偉大な人だと思います。
先生から
 本当にあの場面が象徴するインドの人たちの崇高さは、心に残りますね。あの時のイギリス人新聞記者がイギリス本国に打電した記事(電話にかじりついて原稿を口述していましたね。最後に「マル」と言って)を載せておきます。「自由インド!」とは「独立インド」ということ、すなわちイギリスのどれい状態から解放された「自由なインド」という意味です。
 『彼らは前進した。イスラム教徒もヒンズー教徒も共に。頭を高く上げ、ケガをすることも死を恐れることもなく整然と進んだ。それは夜になっても、なお、延々と続いた。女たちは負傷者の救出にあたり、ついには疲労のあまり倒れるものも多数出るありさまであった。それでもなお、彼らの前進は続いた。
 西欧的倫理観と、その優位性(「アジア人は劣っているからヨーロッパ人が統治してやるのだ」という考え方・・・増田)は、今日、ここで完全なる敗北を喫した。自由インド!・・・それは、武力による残忍な弾圧に生身をさらし、決して頭を下げることも、後ろに退(ひ)くこともしなかった人々によって達成された。』
A組の人の「時には戦争して・・・」という意見に、私は、少し賛成です。もちろん、戦争のような殺し合いはしていいわけがありませんし、『予言』も見たから、あんなざんこくなことがあっていいと思っているわけでもありません。
 でも、やっぱり、戦争が起こることはしょうがないと思います。人間は誰でも「欲」を持っています。戦争によって利益を得ている人たちも世界の中にいます。そんな人たちに対して「戦争はいけない」と訴えかけても、その人たちは、きっと利益を捨てられないでしょう。それに、今の日本はアメリカがいなくなったら大変なことになると思います。たぶん、戦争も、そうそう他人事ではなくなると思います。戦争で、あんなに簡単に人が殺されてしまうのは、絶対にあってはいけないことだけど「戦争はしょうがない、なくせない」のも、ウソではない事実だと思います。
『予言』について、C組の人は「あのビデオを見て一人も笑う人がいないのだから、見せる必要はないくらいみんな戦争の悲惨さは知っている」と言ってますが、B組では「あのビデオを見て最低な冗談を言える人の神経が分からない」と言っている人もいるように、『予言』を見て笑ったりしている人がいました。これで、みんな「戦争の悲惨さ」が分かっていると言えますか? 私は、中学生の今、日本人が過去に体験した戦争の悲惨さを本当に知ることで、「戦争を二度と繰り返さない」という気持ちが生まれるのだ、と思います。
『ガンディー』を見て。武力で対抗するのではなく「非暴力・不服従」で抵抗したインドの人々の心は、武力で押さえつけたイギリス軍より強いな、と思いました。物理的には何の抵抗もしないインド人に対して、銃を向け殺してしまったイギリス軍はよくないと思います。それに比べ「インド独立」に一生を捧げたガンディーは、素晴らしい心の人だな、と思います。ガンディーのような心の持ち主がイギリス側にもいたら、もっと違っていたと思うし、たくさんの命が失われずにすんだのではないでしょうか。「国どおしが仲良く平和であること」が一番大切なことなのだな、と改めて思いました。
B組の人は「周りに流される予定だから、みんなが次々と日本を出たら、オレも日本を出る」と言っているけど、もっと自分で考えて行動した方がいいと思いました。僕だったら、周りに流されないようにがんばりたいです。・・・でも、状況によっては、分かんない気が・・・
C組の人に。「『予言』のビデオをアメリカの生徒にも見せてほしい」みたいなことが書いてあったけど、あのビデオをアメリカの生徒に見せて得するとは思えない。あのビデオをアメリカの生徒に見せて戦争が終るのなら良いけど、見せたっていいことはないんだから、見せても仕方ないんじゃない?
 それからC組の人は、「戦争を知らない私たちが、えらそうなことを言っててもよいのだろうか?」と言うけど、「戦争を知らない私たち」も、戦争のことを「えらそうに言って」も良いと思う。私たちも戦争に関し知る必要があると思うし、いろいろ言う権利もあると思う。もしかしたら、何か役に立てることがあるかも・・・(?)
B組の人に反対です。なぜなら、「しょーじきのところ、日本に愛国心なんて全くないし」って書いてあるからです。君は「愛国心」という言葉を理解していますか? もし、君が外国人から「日本はバカだ」とか「日本人はクレージーだ」とか言われたら、嫌じゃありませんか? B組の人! 反論待ってる!
10『ガンジー』について。ガンジーは「非暴力」という精神を貫いてきたから、すごいと思う。だけど、これはガンジー一人の力だけではなくて、ガンジーを支えた人、信じた人の力もあるので、その人たちもすごいと思った。だけど、今の世界では「非暴力」という言葉が消えかけているので、日本政府に頑張ってほしい・・・まぁ、期待してないけど・・・
 それから、みんなの意見を読んでいて、考えてみたら、アメリカ以外の国がアメリカに協力しなかったら、アメリカのイラク攻撃や、北朝鮮の核兵器製造もなかったのではないかと思う。そもそも、なぜ、いろんな国がアメリカに協力するのか? 僕は、アメリカが貿易相手国として他国に大きい影響力を与えるのと、アメリカが核兵器を持っているからだと思う。
11A組の人に。『韓国の反日感情は「すごい」とか、日本でそんなこと言っていたら、ぺ・ヨンジュンとか、イ・ビョンホンとか、ウォンビンとか、チャン・ドンゴンとか日本に来なくなるし、そうなったら日本の中高年女性が悲しむと思う」というけど、韓流俳優は、あくまでも、日本と韓国との間にできた歴史的ミゾをうめるための架け橋であって(金稼ぎもあるけれど)、そこまで必死になる必要はないはず。私は、それより、今、日本で巻き起こっている韓流ブームで、いっそう韓国と仲良くなっていけることを願っている。でも、中高年のおばはんたちも、いい年こいて、整形国、韓国で生まれた人に何夢見てんの? 恥ずかピー・・・
12ガンジーのビデオは、あまり見せない方が良い気がします。っていうか、こういうビデオから、世の中の「見方」が統一されていって「常識」が生まれていくんだと思います。このビデオは、ガンジーのがんばりを映していく「良いビデオ」だったかもしれないけど、昔の日本は、これと同じことで「天皇の素晴らしさ」とか「天皇を中心とする日本人の良さ」なんか、とか言って、今から見たらおかしいと思われてることが学ばれていったんじゃないかと思う。てゆうか『ガンジー』のビデオは、私たちが、わざわざ多目的室まで行って見る価値、ねぇ〜。
13『ガンジー』のビデオで、一つ分かったことは、ガンジーが、どこまでも「非暴力・不服従」をつらぬいたことです。もしも私が、この時代のインドに生まれていたら、ガンジーのようなことはできないで、逃げてしまうと思います。それと、ガンジーの、あの「考え」や「話」は、すべて独学なのでしょうか? だとしたら、ガンジーは本当にすごいと思います。
14先生へ。僕はB組Lの意見を出したものです。言葉足らずで申し訳なかったのですが、僕は「天皇が一番偉くて、国民が家来」=イコール「日本の伝統」ということが言いたかったわけじゃなくて、しかも、縄文時代とか、そんな昔のことが言いたかったわけでもなく、豊臣秀吉の頃くらいから明治まで、身分がくっきり分かれていたのだから「『天皇が偉い』というのは、その延長だったんじゃなかろうか?」ということが言いたかったわけです。
 『ガンジー』については、ガンジーという人は「カッコイイ」と思いました。
先生から
 君の言いたかったことは分かりました。そうですね。支配者の「身分」(=「差別」)決定については、天照大神の子孫の天皇が、その「身分証明書発行人」であった、ということは古代天皇制が確立した律令制度以後は確かですね。そして封建制社会にあって、「人間に身分(差別)があるのは当り前」ということが社会通念だった時、その、人間の貴賎上下を決定する証明書を発行するのは、神の子孫としての「天皇」である、という観念は支配者である武士身分以上にはあったでしょうね。そして、「身分差別は当然」の社会の「延長」上に、明治政府による教育と宣伝を通じての「神聖天皇」=「天皇は偉い」という観念が全国民的に広まったのでしょう。その結果、現在でも国民の多くに「天皇が一番偉くて、国民が家来」=イコール「日本の伝統」という、歴史事実にはない「伝統」感が残ることになったのかもしれませんね。
15「ガンジー」を見て。最初は、「イギリスは、とてもひどい」と思いました。でも、日本も朝鮮や台湾に対して同じような植民地支配をしていたのですから、それを思うとショックでした。また、ガンジーは、偉い人なのに偉そうにしないで、大変なことをいろいろして、すごい人だと思います。
16C組の「北朝鮮の人達『みんな』が悪いわけではありません。逃げてる人もいるけど、『国から出る』ことは容易ではありません。」に賛成。みんな「北朝鮮は悪い国だ」とか言ってるけど、悪いのは、みんな、キム・ジョンイルのせいだと思います。北朝鮮の誰か、キム・ジョンイルを暗殺しないのかな? と思います。でも、キム・ジョンイルが死ねば、北朝鮮は変わるんですかね?
17ガンジーの精神力は、すごいと思う。普通、あんなことをされたらやり返してしまうと思うし、あのインドの国民の人々も、よく、我慢してるな、と思った。昔の日本は、ああいうことを台湾、朝鮮の人々にしてたんだ、というイメージが浮かんできた。でも、昔のことは、もう何を言ってもしかたがないので、ゆっくりと、国と国との関係を良くしていけば、そのうち、平和な日が来ると思う。
 それから、みんなの紙上討論の意見を読んで、意見に「正しい、正しくない」はないと思うので、どの意見にも何とも言えないけど、「関係ない人々を殺す、ということはいけない」ということは、間違っていないと思う。
18C組の「『予言』を見て・・・やっぱり、「見ない方がいい」、という気がしました」の人へ。確かに『予言』は途中で顔をそむけてしまうほどのビデオでした。でも、私は、見てよかった、と思います。私自身、あのビデオで戦争の辛さを改めて理解できたし。「みんな『戦争のひどさ』は分かっているのだと思います」・・・って・・・あなたは、前々から分かっていたかもしれないけど、ビデオを見る前までは、戦争に対して、少し甘い考えを持っていた人もいると思います。明日、何が起こるか分からない世界だから、大人になる途中の私たちが、今、このビデオを見て、改めて戦争を『心』で感じ、未来を平和にしていくべきだと思います。
 『ガンジー』について。見ているだけでも辛いのに、めげずに敵・イギリスに立ち向かうガンジーに感心しました。
19A組の人に。「時には戦争して人を殺さなきゃいけない」とか「アメリカを味方にしたら生きられる」なんて、もっと、よく考えた方がいいと思う。「戦争で人を殺さなきゃいけないとき」って、どんな時だよ? いかなる時だろうと「戦争は、してはいけない」んだよ。人を殺していいわけないだろ!! それに「アメリカを味方にしたら生きられる」って?・・・自分たちだけ良ければ、それでいいの? それはおかしいよ。アメリカが無駄な無意味な戦争をしたりして、被害を受けている人々がいるのに「アメリカを味方にしたら生きられる」って、自己チューにもほどがあるよ。もっと、他国の人についても考えろよ!