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「ノ・ムヒョン大統領への手紙(「3・1演説」を読んで)」
「ガンジー」について、
「原爆」について、「戦争責任」について、
「紙上討論」について

旧2年B組
ノ・ムヒョン大統領演説を読んで。ドイツを見習って、日本も昔のアジア侵略の事実を 重く受止め、真実を公表して、きちんと謝罪すべきだ!! ノ・ムヒョン大統領は、日 本と本当に仲良くしようとし、国民のことをよく考えている良い人だと思う。小泉さん、 見習おうよ!!
ノ・ムヒョン大統領演説を読んで。まず、何よりも「国民を大事にしている」という感じがして、ノ・ムヒョン大統領は、優しい方だな、という印象でした。日本は、朝鮮半島でそうとう悪いことをして、いまだに、その傷が残っているにもかかわらず、日本に対して、嫌悪感を出さずに、優しく接してくださっていることに、本当に感動しました。これからも日本と韓国は、いろいろあるだろうけど、ゆっくり仲良くなれればいいと思いました。
ノ・ムヒョン大統領演説を読んで。私は、韓国の人たちは、日本のことを、あまり良く思っていない、と思っていました。日本は朝鮮を植民地支配など、韓国の人々に対して、とてもひどいことをしていたからです。日本人も拉致問題などでつらい思いをしているけれど、韓国の人たちは、それ以上に傷ついていたのだと思います。でも、この演説を読んで、韓国の「国民もフランスのように寛大な隣人として、日本と共になりたいという願いがあります。」と思っていてくれたことを知り、少し嬉しかったです。そして、日本と韓国を、これから良い関係にするために、日本は韓国にきちんと謝るべきだと思います。文化の交流もさかんになってきているので、これを進めていって、お互いの国の仲がよくなるといいと思います。
 戦争責任について。A組Dの人の意見で「戦争がイヤだったら、もっと自分の意見を言うべき」とありましたが、当時の国民の人は、なかなか、それができなかったんではないかと思います。まだ、子どもだからかもしれないけど、もし、私が、その当時にいたら、やっぱり、私も、そうはできないと思います。それに「先生から」に書いてあっ「臣である国民は、自分の考え、意見を持ってはいけなかった」ということもあるので、「戦争責任は国民にはない」と思います。
ノ・ムヒョン大統領へ。日本は、過去に、本当に申し訳ないことをしてしまったと思います。こういった歴史を繰り返さないために、ぼくらの世代が、よく歴史を学び、後世に伝えていくべきだと思います。竹島(独島)の問題もありますが、仲良くしてほしいです。
 紙上討論について。僕は小林よしのり氏の『ゴーマニズム・・・』とかいう漫画を読んだことがあります。僕は、そこに書かれていることをすべて信じ、「南京大虐殺は中国人が作ったデマだ」と思ってました。しかし、増田先生の授業や紙上討論出の説明で「虐殺があった事実に変わりはないのだ」と分かりました。『一つのこと』なのに、まったく逆の意見が出るのは面白いな、と思いました。2つの相反する意見から、自分なりの意見を出すのが大事だ、と思いました。
高校の先生の「ドイツは子どもたちに、きちんと過去を教えている」という紹介を読んで。ドイツは立派な国だと思った。自分たちの過去の過ちを、ちゃんと反省していて。日本は悪いところ、隠しまくり・・・そんなのでいいのか!?
 ノ・ムヒョン大統領へ。あなたの国はすばらしい! 国民の人に、昔の話を熱く語ることができるなんて。
ノ・ムヒョン大統領へ。あなたの演説は、本当にすばらしかったです。私たち日本人は、 生まれながらの環境なのか、「苦い記憶」を消そうとする傾向があります。なので、そ の『傾向』も絶対に直さなければならない事実だ、と思います。
ノ・ムヒョン大統領演説を読んで。私は「手紙」というと書きにくいので、素直な感想を書きます。とにかく、この演説を読んで分かったことは、韓国の人は、ただ反日感情を持っているだけではない、ということです。演説の中に「私は拉致問題による国民の怒りを十分に理解しています」という文がありました。これを読んだ瞬間、なんだか、韓国国民の抑えた怒りを無視しているような感じの日本が恥ずかしく思えてきました。日本はなぜ、素直に過去の悪いことを認めて反省することができないのか分かりません。
 戦争責任について。B組@の人の「残酷な過去を残した国の人間としてのプライドが持てるか? ・・・僕は持てない。こんなに非道く、信じられないようなことをしてきたからだ。だけど、何とかしてプライドを保ち、過去のことを忘れないで生きていけば、過去を清算することができるだろう、と僕は思う。」という人の意見に賛成です。日本によるアジア侵略は、とても残酷なことをしてしまったのだったけれど、これは過去のことです。でも「過去のことなんだから忘れろ」と言うつもりはありません。私は、大切なのは、「この後どうするか」だと思います。過去の事実は、いくら忘れたくても、日本やアジアの歴史から消えることはありません。だから、今の日本は、これからの時代を生きる私たちに「戦争」ということをしっかり教え、過去の侵略の事実を教えるべきです。そうすれば「戦争」についての理解が深まるだろうし・・・たぶん、今の日本人は「戦争」の残酷さを十分に理解してない人が多いんだと思います。「原爆記録映画『予言』を、中学生には見せるべきじゃなかった」と言っている人もいるくらいだから。
 とにかく、日本の政府が子どもたちに過去から目を背けさせるようにすることは間違 っていると思います。
ノ・ムヒョン大統領演説を読んで。日本の国民である私たちは、過去の侵略について、いつでも、きちんと謝ることができると思っています。ですが、素直に謝ることができないのが、政治家である日本のリーダー的存在の人たちなのです。僕は、彼らに「日本のメンツ」だとか、「いろいろな問題があるから」などと言う前に、自分が日本国民の一人だ、ということを思い出して、僕たち国民と同じ立場で考えてほしいと思っています。
ノ・ムヒョン大統領演説を読んで。ノ・ムヒョン大統領は自分の国と日本を同じくらい に大切に考えているのだと思います。問題が、なんとか良い方向で早く解決することを 願っています。
 紙上討論について。僕は先生がビデオを見せてくれる授業が大好きです。そして、こ の紙上討論も大好きです。学年の人の考えを知ることができるのからです。
10今から書くことは塾の先生が話してくれたことです。前回までの紙上討論で、アメリカのイラク攻撃を批判する人がいましたが、塾の先生の話をきっかけに、私は考えが変わりました。
 『「アメリカはイラクに大量破壊兵器がある」と言い戦争をはじめたのですが、イラクに大量破壊兵器はなく、「うそ」の理由でイラクを攻めたのではないか? とも言われはじめ、評論家などはブッシュを「悪人」みたいに言ってきました。しかし、その評論家を黙らせる、あるきっかけがありました。それは「選挙」です。「イラクは、もともと社会主義(?)で、選挙はもともとないし、いろいろな宗教の人がいるし、いろいろな宗教の人がいるから、選挙が成功するはずがない」と、評論家やイラク戦争に反対していた国が思っていたのです。しかし、多くのイラクの人々が、この選挙に参加し、中東アジアに「民主主義」のやり方を広めたのです。』
 私は、この塾の先生の話を聞いて、「ブッシュは、すごい偉い人だな」と思いました。ブッシュは、中東アジアに「民主主義」の第一歩を入れたんですから。皆さんは、この、私の塾の先生の話を聞いて、どう思いますか? この塾の先生の話をきっかけに、これまでブッシュ大統領を批判していた人は考えを変えたり、変わらない人は、この話を批判をしてください。いつでも答えます。


先生から
 アメリカの元司法長官ラムゼー・クラーク氏を中心に組織されたNGO(国際的非政府組織)IACの声明がインターネットに紹介されていましたので、判断の資料として載せておきます。「イラクの選挙」という一つの事実をめぐって、あなたの塾の先生の意見・主張と米・元司法長官の意見・主張と正反対ですが、どちらの意見が事実に基づいており信憑性があるか、これからのイラクの動きを見守っていきましょうね。

<メディアもブッシュ政権も調子に乗って、イラク選挙を民主主義の勝利と吹聴するが>
抵抗勢力の攻勢が激化する中、1月30日にイラク選挙が強行されました。主流メディアにはちょうちん持ちの報道が多く流れ、2月2日の一般教書演説でもブッシュ大統領は明るい未来を描いて見せました。スンニ派はボイコットし、実施された選挙そのものにも問題点が多すぎるこの選挙に対して、国際行動センター(International Action Center、IAC)が選挙翌日、声明を出したので紹介します。IACはアメリカのクラーク・ラムゼー元司法長官が立ち上げ主宰し、平和・連帯・真実を目的として国内外で共同行動を提起している、ニューヨークに本拠を置く団体です。               TUP/寺尾光身

<国際行動センター(IAC)声明 イラク選挙について>
 「大ばか者が、何の意味も無い話を、こわ高く大仰に語っていることよ」
  ウィリアム・シェイクスピア≪訳者註:『マクベス』5幕5場≫

 メディアもブッシュ政権も調子に乗って、この週末に行われた選挙を民主主義の勝利と吹聴している。だが、この選挙はイラク現地では何の変化ももたらしていない(中略)
 民主主義とは、「人民による支配」を意味している。この日曜日の出来事は、単に軍事占領と傀儡政府による支配の引き伸ばしに過ぎない。これは意味の無い選挙であった。
 この一場の政治劇は、正確にはとても選挙と言うことさえできないものである。選挙といえば、いずれ就任して何らかの権力を行使する者を、有権者が候補者から選ぶことができるものだ。今回の選挙では、有権者は任意の候補者に投票することも、政党に投票することさえもできなかった。そうではなく、リストに投票することを許されるだけだった。そのリストにどんな複数の政党、どんな複数の個人が記載されているのか、知るすべが無かった。これらのリストはブレマーに指名された選挙高等弁務団が承認したものだった。7700人の候補者の名前は公表されておらず、したがって実際に一票を投じられたのが誰なのか、わかるはずがなかったのだ。
 このような手続きで結果として選ばれた候補者に、行政権、立法権を執行することなどできはしない。暫定的国民議会を構成し、その議会が占領軍の監督の下に憲法草案を作成することになる。
 イラク国民には占領反対に票を投ずる機会は与えられなかった。匿名の候補者リスト、イラクを植民地化しようとする米国の計画を改変する力もない、米国の承認を受けた候補者のリストに投票することしか許されなかったのだ。
 もちろん、イラク国民は自己の未来を決定するのだから、自由で開かれた選挙で投票することを望んでいたのに、占領側は候補者名簿に載っていなかったので、選挙に対するどのような主張も、無意味になっていた。この戦争でアメリカに殺された10万以上の人びとには投票する機会は与えられなかった。むろん、アブグレイブの拷問部屋の中の囚人にも。(中略)
 この選挙は占領下で行われたものだ。この選挙がどのような状況の下で挙行されたかをはっきりさせることが重要である。15万以上の米軍がこの国を占領し、イラク国民に銃口を向けてパトロールしている。イラク全土で、米占領軍は前例の無い治安対策をいくつも強行している。発見即発砲の夜間外出禁止令、国境閉鎖、自動車禁止、イラク国内での旅行制限、その他である。(中略)
 ベトナム人民に対するアメリカの戦争の最中にも、似たような選挙が行われた。軍の占領下、アメリカが管理して行われたもので、真のベトナム自身の政府を成立させるようなものでは決してなかった。ベトナムでアメリカが画策して行ったどの選挙でも、占領下政府に正当性を与えたり、抵抗を終わらせたりすることはできなかった。同じように、イラクのこの選挙も銃を突きつけられながら行われたものであり、戦争犯罪人によって管理され、CIAのトンネル会社の演出によるものだった。これが民主主義といくらかでも関係があるなどと装うとは言語道断である。
 この選挙には全く信頼が置けない。
この選挙は、国際監視団が来ていない点でほとんど類まれであった。投票行動、投票用紙が正規のものかどうか、開票行動などの部外者による監視が全く無かった。唯一行われた監視も米国民主党国際研究所のような機関によって訓練を受けた監視者によるもので、言ってみればCIAによるものだ。
 選挙過程を見守る国際監視団がいないのだから、選挙自体、選挙を実行している主体−ブッシュ政権−の信用度と同程度の信用しか得られはしない。ブッシュ政権こそ大量破壊兵器のことで嘘をつき、アルカイダとイラクの結託のことで嘘をつき、この戦争と占領に関すること全てに嘘をついていたではないか。
 この選挙は一つの広報活動キャンペーンだった。
米国で占領反対が勢いを得てきている。下院議員を含め、多くの人びとが占領を終結せよと要求し始めた。この選挙は、事態が前進しているという幻想を作りだすべく演出されたものであり、昨年6月28日に行われたまやかしの政権移譲と変わらない。狙いは占領を正当化する新たな虚構を捏造(ねつぞう)することだ。大量破壊兵器に関する数々の嘘が明るみに出されてきた。9月11日の攻撃にイラク人が関与していたということも嘘だったとわかった。そこで今度は、ブッシュ政権は占領継続を正当化する大義として民主主義にとびついたのだ。
 アメリカはイラクに民主主義をもたらさなければならないとか、アメリカがいなければこの国は内戦に陥るしかないという主張は、人種差別以外の何ものでもない。それは大英帝国や他の帝国が他国をまるごと植民地とすることの正当化のために使った議論の焼き直しである。
 投票した人の多くは、自分の国の占領終結を確かなものとする過程の一部であると思って選挙に参加したのだ。どの世論調査も、イラク人の圧倒的多数が占領の即時停止を求めていることを示している。ひとたびこの選挙が占領延長と国土の不法占有の正当化に役立つだけであることを悟れば、これまでにない激しい憤りと抵抗を起こさずにはいないだろう。
 高投票率というのは作り話だ。
投票率が圧倒的な高さだったとメディアは報じているが、多くの地域で投票所が開かれなかったり、投票所には人影も無かった。ファルージャ、サマッラ、ラマディでは投票したのは一握りの人びとにすぎなかった。在外イラク人では有権者の80%が投票しなかった。このことは低投票率は安全に問題があるからであるという神話を否定するものだ。投票率が低かったのはイラク国民が占領に反対し、この選挙が自国を占領している者の広報活動の一つであることがわかっているからである。
 イラク国民は占領の即時終結を求めている。
本当に民主主義のことを思うのであれば、イラク国民が占領に反対していることは素直に理解できる。イラクの人びとが軍隊の即時引き揚げを求めており、それも選挙を演出し、傀儡政権を樹立させておく前に、引き揚げるよう求めていることは、世論調査が繰り返し示してきた。国内全域で抵抗が強まっていることは、イラク国民が占領軍についてどのように感じているかを示している。占領軍は民主主義をもたらすためにいるのではない。むしろ、それがもたらしたのは、死、破壊、拷問である。イラク国民と世界中のますます多くの人びとが占領の終結を求めているのである。          2005年1月31日

つづく