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元生徒から先生へのメールと、先生からの返信(05年9月)
増田先生が悪いことをしたとは到底思いません

「イマジン」という掲示板を通じて九段中生徒から増田に宛てた投稿メール(05年9月) 

こんにちは、増田先生。お久しぶりです。9月1日にお会いしてから、しばらくお会いしていませんね。私は九段中のものです。2年生の始め、私は「紙上討論なんてウザイな」っと、思っていました。しかし、みんなから意見を聞いたりしていると、こんな意見もあるんだなぁと感心させられることもあったりして、私はだんだん紙上討論こそが真の社会の勉強なのではないかと思い始め、紙上討論の時間が楽しみになってきました。特に、一番印象に残っているのは「戦争責任は誰にあるか」という紙上討論です。私は天皇にあるという意見を書きましたが、国民にあるといった人や、軍人にあるといった人などの違った意見の人に考えさせられることが多々ありました。紙上討論をするためか、少し授業の進度が速く、ついていくのが大変な場面もありましたが増田先生の授業はとても楽しかったです。なので、私は個人的に増田先生の授業(紙上討論)に対して「百害あって一利なし」といったアノ人が許せませんでした。

そして9月1日、私はとてもショックでした。社会科の授業は○○先生になり、私がやっていた連陸のチアリーダーの先生も○○先生に代わってしまいました。私はどうしても増田先生のことを教育委員会にチクった人のことが許せませんでした。そんなある日、私の友達のある女の子から、増田先生のことをチクったのは、九段中のPTA副会長である○○君のお父さんであると聞かされました。その女の子もある男の子から聞いた話だそうで、それ以上詳しい話は聞けませんでした。なので、私はその男の子に何で増田先生のことをチクった人がわかったのか聞いてみたのです。そうしたら、このホームページに出ていたと聞いたので、ここへ来てみました。案の定ここにその情報があり、さらに、ここで、増田先生に私の思いを伝えられることがわかりました。そして今、ここに書き込んでいます。

私は増田先生が悪いことをしたとは到底思いません。お願いします。3月までになんとしてでも帰ってきてください。私は○○先生ではなく増田先生に社会科を教わりたいのです!!!

ありがとう。あなたの投稿を読みながら、嬉しくって嬉しくって、

増田からの返信 

 ありがとう。あなたの投稿を読みながら、嬉しくって嬉しくって、しばらく涙が止まらなくって困りました。私は、「悪意にはめっぽう、強いヒト」って自信があるんですけど、「優しさには、めっぽう、弱いヒト」なので・・・笑い上戸(何年かに一回は、授業中の生徒の言葉に笑い過ぎてしまい、授業ができなくなります)で、怒り上戸(人間として許せないことは、相手が誰でも怒りまくってしまいます)で、泣き上戸(優しさには弱い)・・・です。

 私も、何としても3月までには九段中に帰り、あなた達の成長を見守り、卒業を祝いたいと思っています。あの「3年生、紙上討論1」に対して意見を書いてもらっていたのを、もう夏休み中に「3年生、紙上討論2」として印刷してあるんです。校長先生にも、10月下旬に「紙上討論2」を行います、とお話ししてあったんですけど・・・紙上討論は、生徒達を、とても成長させていくものです。それは、増田センセの「指導力」と言うよりも、「真実」の持つ力が、みんなで対等に考え合い、意見を出し合う中で、重みを増し、あなたを初め生徒達の成長を引き出していくからだと考えています。お互いに真剣に考え合う、そして考えを深め合っていく、ということは人間の本質に根ざすものですから、その中で、お互いに対する信頼、人間への信頼感が深まっていくことは、当然のことです。そして、お互いの成長を支え合っている、という実感と喜びが生まれるのです。だから、生徒達は「紙上討論こそが真の社会の勉強なのではないかと」考えるようになるのだと思うのです。

 私が教えたことは、全て事実です。私は、全く、何一つ、悪いことはしていません。それは、真っ当な判断力のある九段中の生徒はもちろんですけど、九段中の校長先生を初めとする先生達も主事さん達も、みんな知ってることです。でも「事実、特に侵略と植民地支配の事実を生徒達に教えること、『日本は侵略したことはない』なんて言う『歴史偽造者達』がいる、という事実を教えること」を、現在の東京都教育委員会は、嫌うのですね。現在の東京都教育委員会というところは、そういう人達が支配しているのですから、彼らは生徒達が、紙上討論で成長していくことを、とても嫌うのです。だから、私の方を「不適切」として「処分」するわけです。「事実」を基準とすれば、そんなことをする彼らの方こそが「不適切」なのですが・・・本来、教育委員会というところは、「教育」を守り育てなければならない、絶対に「教育への不当な支配」干渉を行ってはいけない、と法律(「教育の憲法」と言われる教育基本法)では決まっているのですけどね・・・

 歴史上、「正義が悪に負ける」事は多かったです。何しろ、「アヘン戦争」のところで教えたように、香港が中国に返され、完全に「正義」が回復するまでには、150年もかかってますから!? でも、現在は「民主主義の日本国憲法」があるのですから、権力を持つ悪代官!? が、どんなに権力を悪いことに使っても、何も罰することはできない、という状態が、そう長続きするとも思えません。現在の東京都教育委員会&千代田区教育委員会が増田センセにやっていることは典型的なパワー・ハラスメント、イヤガラセ、イジメですけど、私は、そんなものには絶対に、めげるヒトじゃありません。あなたも○○先生の下で、シッカリ勉強しておいてくださいね! 増田センセが九段中に帰ったときには、ちゃんと社会科の知識が身に付いているか、テストしますからね!

 現在、私の九段中復帰を求める集会や署名に次の方達が「呼びかけ人」になってくださっていますよ!

伊沢けい子(都議会議員)、大内裕和(松山大学助教授)、大野昭之(元中学校長・元都教組本部役員)、大谷一敏(国労中央支部委員長)、金澤 寿(西部全労協議長)、鎌田 慧(ジャーナリスト)、かわむらひさこ(新社会文化出版会)、北村小夜(「障害児を普通学校へ」全国連絡会・世話人)、斎藤貴男(ジャーナリスト)、進藤敬子(「私たちの教育基本法」を広める会)、高橋哲哉(東京大学大学院教授)、鄭 香均(「都庁国籍任用差別裁判訴訟原告」)、津田道夫(評論家・障害者の教育権を実現する会)、野田正彰(関西学院大学教授)、保坂展人(国会議員)、松田健二(社会評論社代表取締役)、山田敏行(新宿区議)、山田英造(障害者の教育権を実現する会)、和久田修(弁護士)、和田成枝(平和憲法を行かす新宿の会)