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先生の裁判を傍聴して

<06年6月16日(金)3悪都議糾弾裁判で、教え子と増田本人の尋問を傍聴して>

韓国大統領  
盧武鉉(ノ・ムヒョン) 

裁判の傍聴をしてくれた、足立十二中時代の教え子(証人となってくれた教え子とは別です)が、傍聴の感想を書いてくれましたので、ご紹介します。ホント、悪意には滅法強い自信がある私も、優しさには滅法弱いため、涙腺がゆるんで困ります。


 まず、午前中の○○さんの証人尋問を見て、とても感心しました・・・って言うと、ちょっとえらそうですが、実際、自分の後輩なわけで、あれだけ冷静に答えられて、すごいな、と思いました。とても素直な感じが伝わってきました。そして私も彼女と同じ意見です。

 しかし、裁判というものは、本当によく理解しにくい所が多々ありますよね。何回か傍聴させてもらいましたが、たまに、「これが本当に大人の会話? イライラする!?」って時もあります。先日の増田先生への反対尋問なんかそうですけど、まぁ、反対尋問だから、ってところもありますが「プリントに書かれたあなたの『先生から』というコメントを読んで、きつい書き方なので、生徒はあなたの意見に沈黙するしかないと思いませんか」!!?? みたいなことを二回も三回もやってましたけど・・・『だぁーかぁーらぁー、紙上討論は自分の意見を、自由に思ったように書いてるんだから、先生も一個人の意見を言ってるんじゃないですか? 先生も紙上討論のメンバーの一人でしょ?』って心の中で言ってました(笑)。

 でも、今思うと、私にとっては紙上討論は、当たり前の存在になってて、三年間やったので、何の違和感もなければ、楽しみでした。この尋問の中で、生徒の意見がいくつか例に出されましたが、それを聞いても、どんな意見を書いてる子も、それなりに考えてるんだな〜。奇抜な意見なんて、オモシロイ子だな。そっか。そんなふうに考えられるんだ。軟らかい素直な頭の回転してるなと、中学の13〜15歳ならではの意見に、感じました。

 確かに生徒全員が楽しいとか、意見をハッキリ表現していることはないと思います。逆に生徒全員、乗り気、っていう方が不自然だし。実際、私もキライな授業はダルかったですから・・・

 あと、もう一つ傍聴してて思うのが、本当は裁判官も相手の弁護士も、実は実は生徒の意見に『おもしろいな』とか認める部分があるんじゃないかと思わざるをえません。普通に紙上討論を一通り、大人の目線から、大胆な子どもの意見や、率直な意見を見たら、「おもしろい」って感じるんじゃないかな、と・・・

 じゃ、どうして増田先生は『これは勝てる!』って私には思える裁判も負けるんだろう? と考えたら、先生が裁判してる問題は、子ども達にとっては自由に意見してるだけのことも、エライ人にとってはビックリしすぎで、「『侵略』のこととか、『天皇の戦争責任』とかこんなタブーのことまで、中学生に言ってしまってる」!? と焦ってしまってるんでしょうか・・・

 本当は「増田先生が全て正しい」とは言わなくても「別に間違ってはいない」って裁判官が心に思っても、もし先生を勝たせてしまったら、それこそ「歴史が変わる! 今の教科書は使えない。今までの教科書だけで学んできた子ども達の授業を否定してしまうことになる」ってことぐらいに大きくなりすぎて(大人にとっては)ポーカーフェイスのまま、判決を下してるんじゃないかな、と疑ってしまいます。

 とにかく、増田先生が一日も早く教壇に立つ日が来ることを祈ってます。ある日、突然、先生がいなくなって、紙上討論を続けてきた生徒達はどうなるんですか? それこそ、大人に対して不信感を持ち、やる気なくすと思います。もっと学校現場を見てほしいです。

 少なくとも、私が中学の時、意見が違う子とケンカしたり、イジメたりするなんて、頭の片隅にもなく、紙上討論以外にも中学生って、他にも楽しいこともたくさんあって、いろいろ忙しいので(笑)、紙上討論は楽しいものの一つ、っていう存在だったと思います。

 でも、私には、小学校の時から専門学校の中での授業で一番心に残ってるのが紙上討論なので、増田先生がやれなくなるのは寂しすぎるし生徒がかわいそうです。

06年6月16日(金)(終わり) 



増田先生へ
 感想じゃなくて、私の気持ちになってしまったような気がします。正直、先生に「傍聴の感想書いて」って言われたとき、軽く「ハイ」って返事しましたが「思う」のではなく「書く」のは、久々すぎて、ちょっとプレッシャーになりました(笑)。

 これからの裁判の傍聴は、まだ休みと合う日がなくて、いつ行けるか分かりませんが、機会あらば、また行きます。
 先生も、本当に不本意な忙しい日々を送ってると思いますが体だけは大切にしてくださいね。