不法行為を奨励する裁判官!? 東京高裁・大谷禎男裁判長らの常識を外れた不当判決に厳重に抗議し、
これからも一層の闘いを強めよう! 4月17日午後1時、高裁で判決の言い渡しがあった。ご承知のとおり、増田都子先生が、土屋、古賀、田代の三都議の著書『こんな偏向教師を許せるか』という俗悪本で、増田先生を「偏向教師」「人権侵害教師」と誹謗・中傷した3人と出版社展転社と相沢を相手どって、名誉棄損、プライバシー権侵害の故をもって、損害賠償を請求していた東京地裁は、そのうちの10数点において、名誉棄損、プライバシー権侵害の不法行為に基づく損害賠償を命じた。被告ら(土屋都議ら)は、それを不服として、高裁に控訴していたものであった。
もちろん東京地裁の第一審判決は不十分なものであったが、きわめて常識的なものであり、三都議にとっては、それなりに打撃となるものであった。高裁における口頭弁論においても、和久田弁護士を先頭に堂々たる論陣を張ったものであり、三権分立の司法裁判所にとっては、大きくこれを変更する可能性がないことを信じていた。もちろん、最近の裁判所が多く行政に追随する判決を出しているので一抹の不安はあった。当日も、三都議と右翼出版社側は、大勢の支援者を傍聴に動員し、抽選で傍聴券が配布された。
定刻に大谷禎男裁判長から判決文が読み上げられた。「原判決中一審被告ら敗訴部分を取り消す」、「上記取り消し部分に係わる一審原告の請求をいずれも棄却する」、「訴訟費用は、第一、二審とも一審原告の負担とする」と。まさに被告三都議らの完全勝利、増田先生完全敗北という、思ってもみない判決であった。傍聴席支援者から「不当判決」という叫びがあがった。裁判長らは、主文を読んで、あっという間に退場した。
和久田弁護士が事務局から「判決正本」をもらってくる間、裁判所前で座り込んでいた国労争議団からマイクを借りて報告集会を行った。判決文を読むと、ますます怒りは高まった。高裁は、増田先生の紙上討論が、憲法に従って平和教育を推進する教師にとっては、世論が割れる政治的中心問題をとりあげ、生徒に賛成、反対の意見を十分に言わせるための工夫で、社会科教師の模範となるものであることを否定し、それを生徒の成績評価の対象としない(成績は別のペイパーテスト等で決めた)という事実を無視し、「原告と意見が合わない生徒に対して、減点を行っていた事実」があったとし、その他の論点についても、「都議らが事実を真実と信じるについて相当な理由があれば、その故意又は過失は否定される」、「洗脳、マインドコントロール等の言葉も増田先生の適格性を問題とする意図によると認められるから、人身攻撃に及ぶ意見の域を逸脱したものであるとまでは言えない」と、まったく悪意ある判断になっている。
決して、このような判決理由を許すわけにはいかない。
いま地裁で進行中の増田先生の分限免職取り消し裁判にも、悪影響を与えかねない。私たちは、いま思いを新たにし、最高裁に上告すると共に、増田先生の闘いを多くの仲間に理解してもらうため、さらに奮闘しよう。
08年5月15日
4月17日、「3悪都議&展転社」糾弾裁判、控訴審判決の傍聴には大勢の方に参加していただきました。山梨や平塚から来てくださった方もあり、4月統一行動で裁判所前座り込みをしていらっしゃる国労の方たちのご協力の上に、午前中の根津さん・河原井さんたちの「日の君、不起立」不当処分撤回裁判に傍聴参加したあと、そのままこちらにも参加してくださった方もあり、今までで一番多くの方にご協力いただきました。
一方、3悪側は今までで一番少なく、いつも大きな日の丸を嬉しげに振り回しながらマイクでわめきたてる西村修平の一派も来ていません。そこで土屋に「どうしたの?(動員者に渡す)金がなくなったの?」と聞いてやりましたら「長野(の聖火ランナー妨害に)行ってんだ」!? ってことでした。そのため、傍聴席44席を求めて107人が抽選に並びましたが6:4ぐらいで、私のほうが勝ってたかな!? という感じでした。
しかし、判決のほうは「うっそー!? サイテー・・・。それじゃ、裁判官が不法行為を奨励するわけ?」としか言えないものでした。なにしろ、1審で11箇所にのぼる名誉既存成立の箇所、2箇所のプライバシー侵害認定の箇所が、全て「やっていいんだよー!?」でしたから・・・。つまり、遺憾ながら私の逆転敗訴でした。
判決文を読むと、当然ながら「これが本当に裁判官の文章?」「これが本当に裁判官というプロの法律家を職業とする者の判断力?」と目を疑うような内容ばかりです。
ほんの一例を挙げますと、「(土屋らが増田の授業を)憲法、教育基本法、学習指導要領をも無視する行為」と、展転社の俗悪本に書いた表現は、1審ではもちろん名誉毀損が成立しました。そんな事実は全くないし、都教委の全ての処分事由にもこんなことは書けなかったのですし、それを3悪都議は知っているはずですから、誤診相当性もないのです。
ところが、裁判長・大谷禎男、裁判官・杉山正巳、同・鈴木昭洋によれば「(これは、3悪が増田の)教育手法が、上記法規等に抵触するという法的な見解を表明した論評で」!?「(増田の)教育手法の問題点を指摘することを通じて、(増田の)教育者としての適格性を問題にする意図と認められるから」「人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評の域を逸脱したものとはいえないというべきである」。
この調子で「増田の教育は洗脳教育だ」「増田は生徒をマインドコントロールした」等々、1審で名誉毀損が成
立した箇所、すべて「(増田の)教育者としての適格性を問題にする意図と認められるから」「人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評の域を逸脱したものとはいえないというべきである」んだそうで・・・。「教育者としての適格性を問題にする意図と認められる」と、全く事実の存在しない、ひどい誹謗中傷を書き連ねて出版したって全て名誉毀損にはならない、ってことなんです。
プライバシー侵害については、これは3悪都議が都教委に「増田の個人情報を渡せよ」と要求して、都教委が「はいはい、これです」と漏洩したものを展転社俗悪本に載せたことで、1審はこれを違法行為による人権侵害と認めた(子どもだって、これが違法行為だと分かりますよね?)のですが、上記3裁判官によると
「(土屋ら3悪都議は)上記情報の入手に当たり違法性の認識があったということはできず、したがって、1審被告ら(土屋ら3悪都議)による個人情報の入手行為が直ちに違法との評価を受けることにはならないというべきである」!? そうです・・・。はぁー?
つまり、裁判長・大谷禎男、裁判官・杉山正巳、同・鈴木昭洋は、都議会が作った東京都個人情報保護条例を土屋・古賀・田代の3悪都議が全く知らず「増田の個人情報を渡せよ」と要求することが、都個人情報保護条例に違反するという「違法性の認識があったということはできず、したがって、1審被告ら(土屋ら3悪都議)による個人情報の入手行為が直ちに違法との評価を受けることにはならないというべきである」ということ・・・。
・・・裁判長・大谷禎男、裁判官・杉山正巳、同・鈴木昭洋によると、たとえば道に落ちていた1万円札(10万円でもO.K!)を拾って財布に入れても「これは違法では?」という「違法性の認識が」なかったら、1万円札(10万円!?)を拾って財布に入れる「行為が直ちに違法との評価を受けることにはならないというべきである」と判決文に書いてくれそうですよ!?
怖いですねぇー・・・。こういう男たちが高等裁判所の裁判官席に鎮座ましましているのです!? 私は、法治国家の最低ラインは、いくら官僚裁判官でも破れないのだろうと1審での3悪都議に対する13箇所の不法行為認定で考えたのですが、いやいや・・・実にアッサリと法治国家の最低ラインも突き抜けたことでした。
土屋らの喜んだことったら・・・。でも、都議・土屋たかゆき(民主党)が北千住駅頭で私に対する誹謗中傷宣伝をしたことは名誉毀損であると、03年5月30日付最高裁で確定しています。「土屋たかゆき(民主党)は人権侵害都議であり、しかも最高裁でそれが確定しても謝罪しない恥知らずである」という事実は確定し消えることはありません! 私は失うものは何もない!ので、この
●「たたかう!社会科教師 戦争の真実を教えると首なのか?」社会批評社発刊! |
本年2月末、社会批評者の小西誠さんのご尽力により、「千代田区立九段中ノ・ムヒョン大統領への手紙事件」のドキュメンタリーが一冊の本となりました。現在、好評発売中です。まだ、お読みいただいていない方は、ぜひ、ご購読ください! また、お読みくださった方には、ぜひ、ご感想をお寄せください。以下、2つのエールをご紹介します。
【二宮一朗(日本イエス・キリスト教団、我孫子栄光教会牧師)さんから】
新刊『たたかう!社会科教師』(社会批評社)の紹介をもって、学び、共に闘おう!?
皆様、
増田先生の新刊書は、冒頭から読む人の心が惹かれていく内容! また、海外からも注目される重要な問題がそこにあり、国内の私たちが黙っていてはならないことを読者に悟らせる内容!です。
私は先日、アイヌ民族問題について東京で講演してきました。過去の和人が侵略という加害者の大罪を犯しましたが、現代の和人である私たちは現在、彼らに無理解と無関心という大罪を犯しています。
私は昨年より増田先生の瞳に、真実に立った者だけが持つ平静さと輝きを見てきました。私たちは、歴史の真実から学び理解すべきです。また、そのために闘う増田先生に無関心であってはなりません。『たたかう!社会科教師』、決して先生を一人で闘わせてはなりません!
私たちは、無理解と無関心を退け、これまで先生に協力して共に闘って来られた方々に敬意を表わすと共に、今後、この度の新刊の購読と紹介を通しても、共に学び闘っていこうではありませんか!
【高校時代の恩師・西垣隆先生から】
一昨日、君の本を拝受しました。ネットで注文した本が全く法匪としかいえない(これは、『論評』で人身攻撃じゃありませんからネ)裁判長・大谷禎男、裁判官・杉山正巳、同・鈴木昭洋の、このデタラメ極まりない判決で特にどうこうするわけはありません。上告して、このデタラメ極まりない判決を何とか覆せるように努力します。
これからも、犯罪都教委&3悪都議と断固、闘っていきますので、今後とも、ぜひ、ご協力をお願いします! 08年4月17日
きて読んでいたところでしたが、誰かが来た折にでも進呈しようかと思っています。少額ですが、出版記念会に行けない分、カンパさせてください。
・・・君の闘いの記録を読みながら、今更ながら権力が市民や国民を守らず、国家の名の下に国民を支配し、この点については戦前も今も全く変わらないことがよくわかります。ましてやリーダーになってはいけない人物がなってしまうと、その支配形態はむき出しです。君を教壇に立たせたくない、都教委や慎太郎をリーダーと仰ぐ一部の連中が当初から予定していたことを「分限免職」で表したのです。でも君はくじけるどころか、正面から闘いを受け止めています。
君の本に書かれている、イギリスのCH4のインタビューで『「Do you regret? 」と聞いたので私はキッパリと言った。「Not
regret」』・・・定年前に肉体的にも精神的にも限界に来て退職の道を選んだボクはこの部分を読んで君に教えられました。権力との闘いはかくあるべきと・・・。以前にも言ったかもしれませんが一日でも早く教壇に帰ることを望んでいます。送られてきた韓国MBCテレビの君を撮ったドキュメンタリーをビデオテープで見ましたが、教え子の前で思わず涙ぐむ君が本来の君の姿です。
3月15日は、拙著『たたかう! 社会科教師』の出版記念会に多数の方々にご出席いただき、また、所用で来られなかった方からは・・・社民党の福島瑞穂党首からも・・・心のこもったメッセージをいただき、たいへん、ありがとうございました。
バイオリン演奏、「君死にたまふことなかれ」の独唱、「ノレの会」の方たちの韓国労働歌、参加者各人からの心のこもったスピーチ、最後の全員での「♪We
shall overcome♪」まで、熱気のこもった会になりました。
以下、詩人の石川逸子さんからの祝辞を紹介させていただきます。なお、社会批評社の小西誠さんより、拙著が「日本図書館協会選定図書」に選ばれたと報告がありました。
できるだけ大勢の人たちに都教委が無法地帯になっている「実態」を知らせたと思いますので、皆様、ぜひ、地域の図書館に購入リクエストをお願いします!
推薦の辞を書かれている鎌田慧さんが、「女東堂」と増田さんを称えていますが、本当にその通りだと思いました。シビアなことが書かれているのに、読後、ユーモアにあふれ、痛快な気持ちになるのです。この本によって、現都教委の卑劣さ、愚かしさが、白日のもとにさらされた気がします。
たとえば、目の前の本人にわたさないで、はるばる増田さんのご自宅のポストに、そっと「免職」処分書を入れに来る、姑息なやり口。よほど自信がないのでしょうね。研修センターでのさまざまなやりとり。古賀利昭都議会議員の公の場での発言を、授業で取り上げたことについて特定の個人名はあげるべきでない、と井沼指導主事が言い、増田さんは、次のように聞くんですね。「では小泉首相談話を教材プリントに載せるときも、小泉首相に載せていいでしょうかと聞け、って言うんですか」すると、井沼指導主事は、「私は、その方が望ましいと思います」と答える箇所など、これが東京都の研修センターなるものの実態かと、怒るより先に、笑いたくなってしまいます。
増田さんへの懲罰研修が、いかに唐突で不当であったかは、同僚の八割が、研修取り消しをもとめる陳述書に署名していることでもわかります。
とにかく増田さんがじゃま、現場の混乱など、どうでもいいんですね。いま、話題の新銀行東京、つい先ごろまでそこの取締役でもあった鳥海巌教育委員は、教育施策連絡会で、「日の丸・君が代に反対する人間は、半世紀巣くっている癌だから、癌跡を残すわけにはいかない。必ず増殖する。徹底的につぶさないと禍根を残す」と言い放っていますから(日刊ゲンダイ・08・3・14)
私は、増田さんが発明された紙上討論という社会科の授業は、多くの社会科教師が見習うべき、優れた実践だと思っております。授業を受けた生徒たちが、そのことをこの本で証明しています。増田さん不在のなかで、校長先生が代読された、卒業生宛の増田さんのすばらしいメッセージ!そのメッセージに応える卒業生たちの反応がまた、すてきです。
自分の意見をいうことが苦手だったというある生徒は、紙上討論ははじめいやだったけれど、だんだん楽しくなっていったこと、そのなかで、自分の意見を持つこと、その意見を素直に文章に表わす、という二つを学んだと書いています。ある生徒は、増田先生の授業は、これからの人生に大きな光をあててくれた、と書いています。
増田さんが職を賭して蒔かれた種は、着実に実をむすんでいます。それこそが希望ではないでしょうか。
ますます元気に闘いつづける都子さんに、心からのエールを送り、この闘いは必ず勝利すると信じます。すばらしい出版、おめでとうございます。
私にも取材をしていただいた韓国SBSテレビが3月8日深夜に報道したドキュメンタリー番組を見て、釜山の金三生さん(拙著『たたかう! 社会科教師』社会評論社、P208をご参照ください)が、メールで、以下のように内容を知らせてくださいました。日本でも、こういう内容を報道してほしいものですけど・・・
●金三生さんより、韓国SBSテレビのドキュメンタリー内容 |
「それを知りたい」という、週一回放映している一時間あまりの番組です。8日のは、日本で右翼の横暴な妨害を受けながらも、義のために戦っている良心的な方たちを扱った内容でした。
一番目は京都の「いなりあきこさん」という人の話でした。靖国神社前での従軍慰安婦問題を訴えるデモ場面で右翼の人に殴られたり、侮辱をうけたり・・・。二番目が増田先生の話でした。三番目は、3歳のとき父親が徴用に連れて行かれて戦場で亡くなり靖国神社に無断合祀されているので、取り消すように法的闘争をしている韓国の女性イ・ヒジャさんの為に身をもってサポートしているある日本人の公務員の方の話。四番目は、金沢にある大東亜戦争を美化している記念塔にある朝鮮人の名前を削除するように運動を続けている日本人等でした。
少数であっても、まだ日本には、この様に、正義心だけでなく勇気のある方がいらっしゃることは、心強く思われました。
05年4月始め、私を「扶桑社教科書批判をして免職された日本の良心的教師」として韓国のメディアが一斉に報じた時、すぐ、私を釜山に招請して講演会を開催してくださったのが釜山市民団体協議会の金_魯(ヒロ)理事長でした。その詳細は社会評論社『たたかう! 社会科教師』(P209,246)に載せていますが、その通訳をしてくれた金三生さんと金_魯理事長宛に、先日、私を取材してくれた韓国SBSのドキュメンタリー報道が3月8日の深夜にあることを、『たたかう! 社会科教師』を同封して航空便でお知らせしたので、そのお返事が来ました。
以下は金三生さんが訳して送ってくれた金_魯先生の手紙です。本当に頭の下がる謙虚で高潔な方です。75歳になられるクリスチャンの方で、とても品のある紳士です。
ノ・ムヒョン前韓国大統領にお引き合わせくださるとのことで、「どうしたものか」と、いろいろな方にご相談しましたところ、多くの方から「お会いなさい」というアドバイスを受けました。アドバイスくださった皆様、ありがとうございました。
また、弁護士さんは同意見の上に、以下の私の返事にあるように「それは、ちと、厚かまし過ぎるかな?」と思うようなことも「言ってみてください」と言われたので、お返事に書いてみたのですが・・・さて、今後の展開やいかに?(なお、私の母は、マリア様には比肩しうべくもない人なんですけど・・・)
※08年5月20日現在、未だ韓国前大統領には、お忙しいようで具体的なお返事はありません。
増田先生
先生の貞潔な魂の香りがこもったお手紙本当にありがたく思います。 初春の消息と共に訪れてきた先生の不屈の意志が老いた私に若い血を輸血してくれました。
戦いはその戦い自体に意味があるのであって、勝つか負けるかの問題ではないと私は思っています。何故かというと義のある戦いは私たちの存在を確認してくれるし、歴史にも記録されるからです。
国家でも、また個人でも義に向かう意志はそれが大きくても、小さくても時間と、空間を超えて不滅に息づいているためです。
増田先生、私は先生を知ったことが大きな幸運だと思っています。私が世の中を生きる間、いろいろな難事が起きるごとに、美しい香りが漂う魂の持ち主である同志が海の向こうの何処かにも一緒にいると思うからです。
先生のお母様のご健康は如何ですか。お母様を愛してください。先生が苦境にあっている間、先生のお母様は十字架につるされたクリストをみる、クリストの母マリアの心痛を共にするもう一人のマリアだからです。
増田先生、この春には良い消息があるようお祈りしながら、お体のほうもご自愛してくださるようお願いいたします。 2008.3.3釜山から 金_魯
追伸:何時か釜山にいらっしゃる時間がありましたら私が招待して、今は退任して郷里に戻っていらっしゃるノ・ムヒョン元大統領にお逢いする機会を作れますから、ご意向をお聞かせ下さい。
●私の返事
金_魯先生
心のこもった、お手紙をいただき、たいへん、ありがとうございました。私のようなものに対して『同志』と呼んでくださることに、本当に感動してしまいます。なにより、
私こそが海を隔てた国で先生のような高潔な方に出会えましたことを本当に幸せだと思っております。
「義のある戦い」「義に向かう意志」!なんと素晴らしい言葉でしょう!この言葉に恥じない生き方をしたいと心から思います。
また、私の母の心配までしていただき、ありがとうございます。実は、昨年末に脳梗塞で入院しましたため、父も高齢で、妹弟は仕事があるので、私が島根に1ヶ月帰って介護をしました。幸い、医者も驚く回復振りで、杖を突いて歩くことができるようになり、炊事も何とかできるようになりましたので、安心して、こちらに帰って来れました。
それから、退任されたノ・ムヒョン前大統領にお会いする機会を作ってくださるとのこと、本当にありがたいです。ただ、退任されたといっても前大統領ともなりますと、ご多忙で、私のようなものに逢って下さいますでしょうか?この件を私の弁護士に相談しましたら「お逢いできるような機会があるのなら逢っていただき、裁判所に出す『増田教諭の免職処分を取り消し、教育現場に返してほしい』というような内容の陳述書を書いていただけないか、頼んでみてください」と言われました。
お逢いできるだけでも畏れ多いように思いますが、前大統領の方に、このようなことをお願いすることができますでしょうか。
春とはいえ、まだまだ寒い日も続きます。金_魯先生も奥様も、どうぞ、ご健康にお気をつけてお過ごし下さい。
2008年3月4日 増田都子
集団自決」書き換えは執筆者の自主判断!? と文科省 08/4/29 |
4月23日(金)10:30〜10:55(実質は20分程度)、東京都学校ユニオンは首都圏「けんり総行動」の一環として、文科省要請を行いました。出てきたお役人3名は、さすがに、コッパ役人根性むき出しの都教委の黒田情報課長などとは違いまして、あくまでもスマートに洗練された!?紳士的態度を保っておられましたが、中身は都教委の課長同様、実に多弁ながら無内容そのものでした。
以下、要請内容と回答をご紹介します。要請内容が多過ぎて時間がないため、この4項目を中心としました。何しろ次の行動が決まっているこちら側の事情で焦りがあり、追及は不十分です。
<3「学校は行政機関」という主張に対する貴省の見解を教えて下さい。>
最近「学校は教育委員会の下部行政機関」とする主張が散見されるようになりましたが、学校は行政機関ではないのではないでしょうか?
(この質問は、『日の丸・君が代』強制に抗した教員処分取り消し裁判である、最近の「東京・国立二小」控訴審判決、「ものいえる自由裁判」地裁判決が、いずれも不当判決の中で、「小学校といえども行政組織であり、行政組織体として統一的に行動すべき・・・(校長の)最終判断が示された以上、行政組織の構成員はこれに従うべき」とか「下級行政機関(学校)から上級の監督機関(都教委)の指示に基づいてした機関内部の情報伝達」という信じがたい文言があったために、文科省の見解を問うたものです)
<回答>
地行法第33条、学校教育法5条によって、「公立学校は教育委員会が管理する」ことになっており、広く行政サービスの一環としての教育分野サービス提供としての教育機関だから、一般的には行政機関の一部といってよい。しかし、教育委員会の下級行政機関とは言えない。
(※実は、これについてはテープ起こしにあるように、23日には「公立学校は『教育委員会の管理に服する』と法律で決まっている」などと言っていましたので、あとで電話して「地行法第33条、学校教育法5条にも『学校は教育委員会の管理に服する』という文言はありません。虚偽答弁をしましたね」と追及したら、担当者「あとで、もう一度、電話してください」と言い、上記答弁となったものです。)
<4、貴省の歴史認識について見解を教えて下さい。>
日本の過去の戦争は「侵略と植民地支配のための戦争」であったことを認められているでしょうか。
<回答>
(最初は「歴史的な事象については認識を示すような、そういった立場ではありません」と執拗に言い逃れようとしましたが、「侵略と植民地支配を認めた政府見解に反乱するのか?」と突っ込まれ、しかたなしに) 政府としての見解は文部科学省としての見解と一体なので、日本の過去の戦争は「侵略と植民地支配のための戦争」であったことを認める。
<5、中学校学習指導要領について貴省の見解を教えて下さい。>
@現行の社会科学習指導要領歴史的分野では、目標に「さまざまな資料を活用して歴史的事象を多面的・多角的に考察し公正に判断するとともに適切に表現する能力と態度を育てる」と記されていますが、これは「日本の過去の戦争は『侵略と植民地支配のための戦争であった』」と教えることを禁止しているのでしょうか?
<回答>
実際の歴史教育につきましては客観的学問的な研究成果を踏まえて指導すること、また、あくまで児童生徒の発達の、段階に応じて指導することが重要。『大戦が人類全体に惨禍を及ぼしたことを理解させること』も含めまして、文科省として、今後とも適切な指導が行われるよう、引き続き努力してまいりたい。(※全く、回答になっていない回答!? 都教委のコッパ役人同様、日本語読解能力の欠落!?)
A扶桑社歴史教科書は日本の過去の戦争について「自存自衛の戦争」と明記し、「侵略戦争であった」ということの記載はありませんが、これは日本の過去の戦争について「誤解を生むおそれがある」ものではないでしょうか?
<回答>
教科書検定制度というものは、文部科学大臣が中立公正な審議会に全面的な審査を依頼し、教科書として適切か否かを決定して、合格したものを教科書として使用することができる、となっている。先の大戦については、『人類全体に大きな惨禍をもたらしたこと』を理解させるという学習指導要領を踏まえて、教科書において、どういった記述がなされるかについては、教科書の担当者であるとか執筆者の責任である。
(※全く、回答になっていない回答!? 都教委のコッパ役人同様、日本語読解能力の欠落!?)
<6、教科書検定について貴省の見解を教えて下さい。>
@07年5月31日付『新しい歴史教科書をつくる会』会長声明によると、扶桑社自身が、【扶桑社『つくる会』教科書は『各地の教育委員会の評価は低く、内容が右寄り過ぎて採択が取れない』と明言した】と公開されています。
こういう、教科書発行会社自身が、自分で発行した教科書について「右寄り過ぎて」と認めるほどのものを検定合格させたことについて、どのように考えていられるのでしょうか。
<回答>
教科書検定は、教科用図書決定調査審議会にかけて、専門的で中立な審議に基づいて、意思決定が行われている。
(全く、回答になっていない回答!? 都教委のコッパ役人同様、日本語読解能力の欠落!?)
A06年度高校日本史教科書検定においては沖縄戦に関し、「誤解を生むおそれがある」として「軍の強制」の記述を削除させる検定を行いました。
新聞報道によれば「教科用図書検定調査審議会(検定審)」が「基本的とらえ方」なる指針を決めたものの、そこで決められたのは「軍の命令・強制の問題に関して示したのは、隊長命令のような住民への直接的な軍の命令を示す根拠は『現時点では確認できていない』ということだけ」「強制について一定の方向性で合意した覚えはない」(検定審日本史小委員会メンバー・波多野澄雄氏)だった、とのことです。
ア、「隊長命令の有無」と強制・強要の有無とは別問題で、日本軍による強制・強要を否定する根拠にはなりません。出版社との折衝を任された教科書調査官である照沼康孝氏と村瀬信一氏が、検定審で決定したことを超えて、教科書から「強制・強要」を「関与」と書き直させたりしたのは越権行為ではないかと思いますが、見解を教えてください。
<回答>
教科書調査官は教科書発行社の求めに応じて、審議会での決定意見を伝達する。沖縄における集団自決について旧日本軍の関与を否定するというものではなく、集団自決の沖縄の住民の全てに対して自決の軍の命令が下されたか、否か、これが確定できない、という心配、考えに基づいて付された。この記述の決定権は執筆者の判断にゆだねられている。
(※よー、まー、ジャーシャーと言うものですよねぇ!?・・・おのれらが圧力を加えた結果、教科書執筆者(会社)が「集団自決は軍の強制・強要」という文言を削除せざるをえないように追い込んでおいて「それは、執筆者・教科書会社の自主的判断」・・・って!? )
イ、今後、このようなことが起こらないように密室の中で、圧倒的に強い立場の教科書調査官と圧倒的に弱い立場の出版社が向き合うことのないように、教科書調査官の意見は文書によることにし、折衝内容について議事録を作成するなど透明化を図るべきだと思いますが、見解を教えてください。
<回答>
審議の透明化、専門的な見地から、より、きめ細やかな審議をおこなう必要性があるという指摘を踏まえて検定手続きの改正について、今年の2月に審議をお願いして、現在、その内容の検討が行われている。夏ごろをメドに一定の方向性を示していただく予定。
本丸攻め!?の『都教委糾弾、極不当・免職取り消し裁判』勝利目指して、現在、日比谷高校の1年生の男の子が、早速、下記のように書き送ってくれましたので、ご紹介します。
私は九段中学校の2、3年生時に増田都子先生の社会科の授業を受けていました。先生のプリントによる授業は要点がしっかりまとめられており、また教科書では知ることのできない範囲まで必要に応じて解説を加えることで特に歴史の授業においては中学校で習う歴史の過程を一連の流れとしてしっかりと抑えることができたと思います。
しかし、何よりも私にとって一番印象的だったのは紙上討論の時間です。富国強兵、マハトマガンディー、731部隊とナチスのホロコースト、さらにはベトナム戦争に至るまで、今日の社会問題・国際問題に広く関わる深い教養を身につけることができ、さらに同級生と自由に意見を交わすことにより、はっきりとした答えのない、これから私達が真剣に考えて向き合っていかなければならない諸問題への関心を高めさせてくれるのがこの紙上討論だったと思います。
ただ問題に答えるだけの受験勉強とは違い、『暗記科目』と称される社会科において数学以上に頭を使わなければならない授業であったと思います。同級生から意見を聞くことによって自分の考えを見直す場面も多々ありました。もちろん先生自身も意見を持っていましたが、それが本当の答えだということでありません。どんなにおかしな意見であっても、それはその人の考えであって、間違っているとは誰も証明することはできず、誰もが当たり前だと思っている、それこそ文科省に認可された教科書に書いてあることであっても、異論は出てくるわけです。昨今、話題に上がっている従軍慰安婦問題や南京大虐殺などはその顕著な例だと思います。歴史的にはほんの60〜70年前の話であるにもかかわらず、日本と中国・韓国では全くその事実関係の認識すら食い違うところが多聞にあります。
公民の時間においても紙上討論は引き続き行われました。普天間基地問題、マータイさんのノーベル平和賞受賞、イラク戦争と集団安全保障についてなど、様々な時事問題がとりあげられ、高校生になった今でも世の中に通用する社会的な、国際的な知識のベースになる教養が身についたと思います。もちろん知識的なものが身についただけでなく、同級生、そして先生とプリントで議論を交わすことによって答えのない問題にみんなが手探りで必死に答えへと近づこうとし、様々なことを考えられたと思います。
ところが、2005年の9月から増田先生が突然現場から離れられることになって、正直非常に困りました。紙上討論が中途の状態で滞ってしまうこと、学校行事や部活動において増田先生が関わっていらっしゃったことに対する対応もさることながら、当時中学三年生だった私達にとってほとんどの生徒にとって受験に必要な科目の担当であった教員が突然変更となってしまったのは混乱を招き、非常に迷惑でした。
先生のプリントは非常によくまとめられており、基本的人権の部分などは最後まで受験勉強に利用しておりました。また、日本国憲法の前文の暗記は国立高校の入試でも役に立つ大変有意義な学習方法であり、当初は役に立つのかどうか疑問に思っていたのですが、いざ入試に挑む時には非常に強い教養となりました。
しかしながら、公民の経済分野を残して増田先生が事実上の休職となったことで、私達の社会科の担当教諭が突然変わるなど、本来学校において最も優先されなければならない受験生の勉強において、私達にとって全く問題なく、むしろ社会科に対する興味・関心をどの教諭よりも引き出してくれた増田先生が、理由もはっきりと提示されずに突如姿を消し、担当教諭が変わるという事態になって、非常に混乱させられたことについては大変憤りを覚える対応であったと思います。
増田先生の授業は社会科に興味を持たせる授業であって、現在の三無主義といわれる日本の若年層にとって非常に貴重な教育であり、日本の教育現場おけるすばらしい人材であると思います。ざんねんながら増田先生ももうすぐ定年となってしまう御年でございますが、だからこそ、一刻も早く先生には教員職に復帰してもらい、少しでも多くのこれからの日本を担っていく世代の人々へと、その教育を施せる環境を作っていただきたいと思います。私は増田先生の一日も早い現場復帰を心から願っています。 2007年11月24日
5月19日(月)の対都教委『分限免職』取り消し裁判、口頭弁論 |
5月19日(月)の対都教委『分限免職』取り消し裁判、口頭弁論
以下は、今回提出の準備書面の一部です。
被告都教委は、「すでに述べたとおり、特定の歴史認識のみが絶対に正しく、それと異なる歴史認識は間違いであると生徒に押し付けてはならない」のであり、原告の主張は失当である、とする。
しかしながら、原告が批判した古賀都議の議会発言や扶桑社の歴史教科書の内容は、客観的にも間違いであり、また政府の公式見解にも反するものであって、かかる「歴史認識」の誤りを正すことは、むしろ社会科の教師としての責務であるとも言えるのである。
すなわち、第二次大戦における日本の戦争行為は侵略戦争であったとする「歴史認識」は、日 本国憲法の理念の前提であり、内外の歴史学の常識であるばかりでなく、日本国首相および国会が内外に表明し認めているものであって、かかる「歴史認識」を生徒に教えることは何の問題もないことは異論がないところであると思われる。これに対して、上記のような「歴史認識」を否定して、第二次大戦における日本の侵略行為を「自存自衛の戦争」「アジア解放の戦争」とする「特定の歴史認識」は、右翼に偏向した独善的なイデオロギーの所産ともいうべきものであり、日本国憲法の根本理念である平和主義を否定しかねないものであって、日本国憲法の趣旨からすれば「間違いである」と言わざるを得ない(原告は、このことをわずか数行の表現で「歴史偽造主義」と指摘したに過ぎず、これを『誹謗』などと捉えること自体、被告都教委自身が右翼の独善的イデオロギーに与しているものと評価されても仕方ないところである。)。
正しい「歴史認識」を教えることは、1998年に改定された中学校学習指導要領の社会科の「国際社会に生きる民主的、平和的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う」ことに資するものであることは明らかであり、誤った『特定の歴史認識』をおかしいと教えることは、日本国憲法下の社会科教員の責務であって、何ら非難される謂れはない。
なお、日本の侵略戦争を否定し、『自存自衛の戦争である』『アジア解放の戦争であった』とする『特定の歴史認識』が誤っていることについては、ほかならぬこの教科書の発行会社である扶桑社自身が、2007年5月、『各地の教育委員会の評価は低く、内容が右寄り過ぎて』いた、と認め、既にこの教科書をもう発行しない、絶版にすると決定したことを社会的に公表していることからも、明らかである。にもかかわらず、被告・都教委は『各地の教育委員会』とは異なり、この扶桑社歴史教科書をさらに2007年7月26日に2008年度開校の都立中高一貫校に採択しているのである。
これは被告・都教委が『各地の教育委員会』とは異なり、どこまでも日本の侵略戦争を否定し『自存自衛の戦争である』とする『右より過ぎ』の独善的イデオロギーに立つ『特定の歴史認識』を『絶対に正し』いと『生徒に押し付け』ようとしていることを証明するものであることを指摘しておきたい。
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増田の近現代史講座のお知らせ
あびこ平和ネットの仲間が企画してくれました月1回15回シリーズの件名講座も、すでに12回目を迎え、いよいよ佳境!?に入ります。もし、ご都合がつくようでしたら、ご参加ください。
第12回
*5月31日(土)14:00〜
我孫子栄光教会(成田線湖北駅南口、徒歩3分)
*テーマ 「アジア太平洋戦争」
*内容 この回は、先ず侵略戦争に反対し抵抗した日本人として、生物学者・性科学者であり、衆議院議員として治安維持法の改悪に反対して右翼に暗殺された山本宣治の生涯を描いた映画『武器なき戦い』を見ます。そして、こうした抵抗を押し潰しながら、中国への侵略戦争に行き詰っていた大日本帝国が、さらに英米を敵として戦争を拡大し、東南アジアへの侵略を進めていった、その政治意思決定の過程を昭和天皇および近衛文麿ら政治家や陸海軍の主要人物の言動を中心に、詳しく見ていきます。
第13回
*6月29日(日)14:00〜
湖北台近隣センター(成田線湖北駅南口、徒歩3分)
*テーマ 「日本の敗北」
*内容 この回は、先ず原爆記録映画『予言』(羽仁進監督編集)を見ます。米軍の実写フィルムを直視するのは、あまりにも辛いものがありますが、日本軍の『侵略』、ナチスの『わが闘争』に見たユダヤ人虐殺同様、現代に生きる私たちは、知る権利があり、また知る責務があると考え、今までも生徒たちに見せてきました。そして、この、あまりにも無惨な出来事が本当に避け得ないものであったのか、敗戦に至る政治意思決定過程を12回同様、昭和天皇および近衛文麿ら政治家や陸海軍の主要人物の言動を中心に、詳しく見ていきま
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