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ますだみやこニュースNo.45

2004.10.20

■増田さんとともに平和教育を進める会事務局■川崎市多摩区三田1の15の7の102■代表:大野昭之(044-922-3618)
■郵便振替:加入者名 増田都子 口座番号 00190−3−410142 年間会費:2000円

9月8日(水)、10月13日(水)都教委情報漏洩糾弾裁判公判報告
 お忙しい中で傍聴参加していただいた多数の皆様には、たいへん、ありがとうございました。和久田弁護士の準備書面は完璧!でした。サワリ部分を紹介します。

<都教委の「誰に何を情報提供するかは『自由裁量』権だ」という主張に対して、法令違反をする『自由裁量』権はない!>ことについて

 被告(都)は伊沢都議に対して、本件文書の開示を東京都情報公開条例第7条(個人を特定できるものは非開示)に基づいて拒否したことを認めている。すなわち、被告は、本件文書は、少なくとも「公文書開示制度」に基づけば非開示になる文書であることを自白しているのである。

 被告は、この点、当時、3都議が文教委員会に所属していたことに対して伊沢都議は同委員会に所属していなかったことを挙げているが、都議会議員である以上、その所属する委員会にかかわらず、都政全般に対するチェック機能を働かせることがその使命であることは明らかであって、被告の主張は何の説得力も持たない言い訳に過ぎないことは明らかである。

 結局、都教委は、原告(増田)を攻撃する3都議に対しては、原告の個人情報を進んで開示し、原告を擁護する側に立つと思われる伊沢都議には、これを開示しない、という極めて恣意的な運用を行っているのであって、かかる運用が、公開条例の趣旨に反する裁量権の逸脱・濫用に当たることはもはや明白である。

 そもそも行政は、「行政法律主義」の観点からして、行政に一定の裁量が認められるとしても、本件のように、個人情報保護条例、公開条例が存する場合においては、その裁量権も、これらの条例の趣旨に拘束されるのであって、かかる点からして、上記のような自由裁量はあり得ないのである。

<都教委の主張「プライバシー権は私生活に関する情報を言い、増田情報は公務員の情報であるし、都教委批判のビラで処分のことを公開しているから、『プライバシー権を放棄した』ないし『個人情報を3都議に提供することに黙示の承認を与えた』のである。だから、増田と対立している『特定の3都議』に公開した。だから、そのことによる苦痛は「ありえず」「損害も生じない」・・。「苦痛はありえないし、損害も生じない」と思ったから、増田個人情報を特定の3都議には公開した>について

 この主張については、「個人情報保護条例の施行について」(通達)において、被告自らが「伝統的、消極的意味におけるプライバシーの権利を保護するとともに、さらに、自己の個人情報の開示及び訂正を請求する権利を保障することにより、積極的に自己の個人情報に関与する、いわゆる現代的、積極的意味におけるプライバシーの権利の保護を目指したものであ」るとしていることを全く無視した暴論の類に過ぎない。

 都教委は行政法律主義を無視し、公開条例、個人情報保護条例に違反し、違法に、原告の個人情報を特定の人間に開示したことは明らかであり、これにより、自己の情報をコンロールするという現代的積極的意味における原告のプライバシー権が侵害された以上、すでに原告には多大な精神的損害が生じていることは明らかであり、被告の主張には理由がない。

 もはや、勝負はついていると思います! いかに行政と一体化することを重要視する官僚裁判官でも、この都教委の極度の暴論を認めれば「法治国家」の「外形」の最低線まで破ることになりますから、そこまではできないでしょう。

 ところで、先日、学校で、教頭が全職員に横山洋吉・教育長名の「教職員の服務の厳正について」と銘打った「都立学校長殿」という文書を配布しました。「この文書は区からの区立学校長宛文書として取り扱われたい」という都教委・教育指導課のハンコがあり、7月16日付です。それには前文に「教職員の服務規律については・・・しかし、教職員の非違行為は後を絶たず・・・校長、教頭、事務室長等管理監督者の立場にある者は、その職責を十分に認識し、自己の服務の厳正はもとより、教職員に対して厳正な指導を行い、より一層の服務規律の遵守に努められたい。貴職においては、改めて校内の服務規律を点検するとともに、特に下記の事項について徹底した指導を行い、東京都の学校教育における信頼の確保に努められたい」とあり、『第一』として挙げられているのが「上司の職務命令及び法令の遵守について」です。

「服務命令の遵守」が「法令の遵守」より上位!? にあるのは、横山洋吉・教育長麾下の東京都教育委員会の「法令の遵守」意識の程度を、よーーーっく表していますね!何しろ「増田個人情報」を特定都議に「提供」することは「自由裁量権だ」と居直る横山洋吉教育長下の都教委です。法令違反(ルール違反・無視)、地公法違反の服務違反なんぞ「非違行為」どころか「指導部長」に出世できるぐらい誉めらるべきもの!?で「やっちゃえ。やっちゃえ、いいよ、いいよ、都教委は何をしても自由だよ」って言うんですからね。そして「第九」番目に挙げられているのが「個人情報に係る公文書の管理について」です!?

 さて、10月13日(水)の公判においては、以下の証人申請をしました。

・教育長・横山洋吉(9月29日の都議会答弁と準備書面の矛盾)

・当時の指導部中学校指導課の近藤明義

・現在の指導部長で当時の指導部指導企画課長の近藤精一

・当時(’99=H11年〜’00=H12年)の人事部職員課長

・当時(〜’02年までは確実)の総務部法務監察課の係長の国正孝紹

・土屋たかゆき(出てきませんかしら?)

それから
・伊沢けい子都議

次回公判は12月1日(水)15:00〜 東京地裁527号法廷

●伊沢けい子都議、9月29日都議会で、都教委を鋭く追及! 都議会HPより
 実は、この前日、都教委は泥縄の喜劇を演じていました。以前、伊沢都議の「増田個人情報を出せ」という要求は拒否した、あの藤森・人事部職員課長が、28日になって、突然、「全部、『情報提供』する」と言って、持ってきたそうです。しかも、しかも、3悪都議の時と同様、「『これは、議会以外には出さないでください』などという条件も何一つ付けずに」!? そして、七生養護学校の強奪資料(個人名の載った性教育指導案を含む)を3悪都議に渡した人物(指導部の指導主事)も連れてきて、告白!?したそうです。伊沢都議が、その『服務違反者』に「これは個人情報ではないのですか?」と詰問したら、「分からない」と答えたそうです!? 「明日になれば分かる」とも!?

 何をか言わんや、この、チョウいい加減さ・・・チョウ出鱈目さ・・・「ついでに、『ピアノ伴奏拒否教員の個人情報も七生養護学校の降格校長の個人情報も、みんな出せ』と言ってやってください」と言いましたら、伊沢都議も笑って「そうしましょう」・・・そして、本当にピアノ伴奏個人情報も七生養護個人情報ももってきたそうです!

『個人情報』の意味も、個人情報保護条例の意味も、情報公開条例の意味も、地公法34条・守秘義務違反の意味も、何もかも知らない! とにかく、個人情報を三重の違法を犯して3悪都議に漏洩したモノ達は、みんな『停職』または『免職』にして、『停職』者には、最低2年半の研修センター送りで『再発防止研修』をしてもらいましょう!

 29日、伊沢都議に追及される、ということが明らかになってパニクッてしまい、泥縄の対応をしてきたのだと思います。「とにかく、近藤精一指導部長を救わねばならない」・・・でしょうか?

皆様、この喜劇を念頭に以下の都議会質疑応答をお読みください。

○十番(伊沢けい子君) 私は、都の教育行政において、個人情報が条例に従って公正に取り扱われることによって、生徒、保護者、教員、そして都民全体のプライバシーが尊重され、公正な教育行政が行われるよう求める立場から質問いたします。
 生活文化局が出している情報公開事務の手引には、個人情報の取り扱いについてこう書いてあります。個人情報に関する情報は、一度開示されると、当該個人に対して回復しがたい損害を与えることがある、個人のプライバシーに関する情報は、個人の尊厳及び基本的人権の尊重の立場から最大限に尊重するものとする、と書いてあります。
 東京都の個人保護条例の改定が十二月議会でも行われようとしている中で、東京都の行政の職員及び都議会議員自身の個人情報への理解と厳正なる運用がされなければ、都民の信頼を得ることはできません。
 しかし、大変憂慮すべきことに、現実には条例に明らかに違反することが起こっております。
 平成十一年、当時、足立十六中で社会科教員として勤めていた増田都子教諭の個人情報の載った処分説明書、発令通知書、服務事故報告書及び研修所での報告書が、土屋都議、古賀都議、田代都議に教育庁から情報提供され、これらの書類が全くそのままで、全開示の形で、翌平成十二年十一月十日に三都議によって著された著書に掲載され、不特定多数の人たちに個人情報が流れることになり、増田教諭は、プライバシーの侵害、そしてそのことによる精神的被害を理由として、都教委を相手に裁判を起こしています。
 そこで、生活文化局長にお尋ねします。
 都教委は、個人情報を三都議に提供したのは、個人情報第十条二項六号の目的外提供に相当するといっています。そして、情報提供される相手先のうち、東京都議会及び東京都公安委員会があるので、これによって提供したそうです。
 そこでお聞きしますが、東京都議会と書いてあるのは、合議体としての都議会に加えて、都議会議員自身も含まれるのでしょうか。
 もしそうだとすれば、ここに百二十七人いる都議個人がそれぞれ実施機関に個人情報を求めれば、都の情報公開条例及び個人保護条例で禁止されている個人情報を、実施機関の自由裁量で幾らでも都議個人に提供できることになります。すなわち、実施機関は、都の条例を破る自由裁量があるのでしょうか。
 そもそも、今回の個人情報の開示は、情報公開条例の中の中核をなす公文書開示制度ではなく、情報公開条例第三章三十二条の情報提供という考えに基づいて行われたと都教委はいっています。しかし、この情報提供という考え方は、報道機関や都民に、都政に関する情報を公にすることを予定しているのであって、都条例で禁止している個人情報を、実施機関が、都議個人に自由に提供できる根拠になるのでしょうか。
 また、これまでに、実施機関が、処分説明書、発令通知書、服務事故報告書、研修所での報告書と同様の個人情報を都議会に渡したような例を、生活文化局では過去に把握していますか。
 わかりやすくいいますと、教育庁は情報公開条例、そして個人保護条例に関して超法規的な存在になっているのです。土屋都議たちに全開示で提供された増田教諭の個人情報は、昨日、私が教育庁に要求しますと、やはり全開示の形で、公文書開示制度も経ないで出てくるのです。つまり、ここの百二十七人のうち、皆さんがそれを開示すれば、増田教諭の情報は今でも全開示で、何も墨塗りなしで出てくるというわけです。ということは、これは個人情報漏えいが日常的に教育庁によって行われている動かぬ証拠だと私は思います。
 そして、第三者の都民、そして本人にも開示されない個人情報が都議には出される。そして、今度はもらった側の問題です。こうして出された情報を利用して行われたのが、本などで個人情報を公開することによる三都議が行った人権侵害です。これは本当におかしいんじゃないでしょうか。(発言する者あり)
 昨年十二月十五日に都議会議事堂第一会議室にて、先ほどの三都議の主催で、過激性教育を許さない都民集会と題する集会が開かれました。これは、マスコミも含めてだれでも参加できる性格の集会でした。そこで参加者に配られていた資料の中に、七生養護学校の教職員情報誌が三枚入っておりました。この情報の中には、特定の教職員の名前が入っていました。
 私は、これは個人情報にかかわるものなので、一体どういう経路でこの情報が主催者に渡ったのか、昨日、教育庁指導部の職員を呼んで確認しました。そうしたら、これは、昨年六月中旬に七生養護学校から押収した資料を、昨年六月三十日に、現在、指導部の副参事や指導主事である薄井氏、小林氏、半澤氏三名が一緒に土屋都議に渡したとのことでした。
 そこで、私は、これは個人情報ではないですかと昨日お聞きしました。生活文化局に確認したところ、これは個人情報だとはっきりといわれました。しかし、驚いたことに、土屋都議に情報を提供したと答えた薄井氏も同席したにもかかわらず、これは個人情報かどうかわからないという結論だったのです。また、巽指導企画課長は、私は個人情報ではないと思うがという感じでした。つまり、昨年十二月に集会で配られた資料が個人情報かどうかについて私が尋ねているのに、個人情報かどうか調べますから、明日まで待ってくださいと昨日いわれたんです。
 つまり、情報提供した教育庁の職員が、情報公開条例でみだりに公にすることのないよう最大限の配慮をしなければならないとうたわれている個人情報が、教育の職員の手によって、個人情報であるかどうかもわからないままに、昨年、土屋都議に渡され、それが十二月の集会で不特定多数の人に配られたのです。これが教育庁の情報提供の実態です。要するに個人情報が何かということも判断できない職員たちが、自由裁量でもって情報を都議に渡すことができるわけです。
 これは、情報を公開された七生養護学校の当事者への明らかなる人権侵害です。これは、平成十一年に増田教諭に対して行われたことも同様です。個人情報が情報公開条例第三十二条、情報提供、そして個人保護条例の目的外利用に当たるから個人情報を開示してよいのだと勝手に解釈し、自由裁量を行使して三都議に個人情報を開示したのです。そして、三都議たちによって、この個人情報が本にまでなって、不特定多数の人の目に触れることになったのです。このことの当事者への損害ははかり知れないと同時に、都民全体の都政への信頼を失うものです。
 こんな実態について、横山教育長、あなたはどう責任をとりますか。この法令違反の責任をどうとるのでしょうか。
 ことし、平成十六年七月十六日付で、横山教育長名で、都立学校長あてに、教職員の服務の厳正についてという通知が出されていますが、その中に、法令の遵守と個人情報にかかわる公文書などの管理について、改めて学校内の服務規律について点検するとともに、徹底した指導を行っていただきたい、とあります。まず都庁内の職員について、みずからの個人情報にかかわる公文書などの管理について指導徹底してからでなければ、学校長に服務規律の指導など到底できないはずです。まずは教育庁内の職員たちに、個人情報にかかわる公文書などの管理について一から研修していただきたいと思いますが、いかがですか。
 また、都教委が教職員の職務に伴う非行の処分量を定めていますが、この中では秘密の漏えいは免職や停職の重い処分の対象となっています。当事者たちへの謝罪と、二度とこのようなことが起きないように厳正なる処分をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
 次に、知事に伺います。こうした都民の都政への信頼を根本から揺るがすようなことが教育庁内で起こっていますが、横山教育長を任命した知事としてどう対処するのでしょうか、お答えください。
 最後に、情報管理についてお尋ねします。
 増田教諭の処分説明書外三点の個人情報についてですが、研修状況報告書については、当時指導企画課長、現在指導部部長の近藤精一氏が土屋都議にファクスにて提供したことが明らかになっています。ちなみに、この研修状況報告書は増田教諭の病歴まで入った完全な個人情報です。しかし、処分説明書、発令通知書、事故報告書については、教育庁の中のだれが都議に渡したのか、本人が教育庁法務監察課に申し立てまで2002年に行っているにもかかわらず、いまだに明らかになっていません。
 これらの三点の書類は、教育庁人事部が管理していますが、裁判の準備書面の中には、人事部が提供した増田教諭の個人情報については古いことなので、だれが提供したかわからないと答えております。これで教育庁内の情報管理がきちんと行われているといえるのでしょうか。お答えください。
 また、これらの人事部の情報が、いつ、だれの手によって都議たちに渡ったのかを再調査して発表することを約束していただけますでしょうか。
 関係局の答弁を求め、再質問を留保いたしまして、質問を終わります。(拍手)
   〔教育長横山洋吉君登壇〕
○教育長(横山洋吉君) 伊沢けい子議員の一般質問にお答えをいたします。
 お話の件は、東京都を被告として民事訴訟が提起をされております。現在、係争中の案件でございますが、質問の点については関連しますので、包括的に答弁をさせていただきます。
 まず、ご指摘の教員にかかわる情報の都議会議員の提供の件でございますが、この件にかかわります議員への情報提供は、東京都情報公開条例の開示請求に基づく開示ではございませんで、個人情報保護条例第十条第二項第六号によりまして、情報をチェックする立場にございます都議会議員に、行政機関がみずからの裁量により、保有する情報を提供する情報提供として都教委が行ったものでございます。
 なお、この本件情報の提供は、この提供した当時、本件教員の処分にかかわりまして、実名で既に新聞報道がなされ、都議会のみならず、区議会、国会でも取り上げられている状況がございまして、そういった状況を踏まえまして、提供することが法令上相当であると判断したものでございます。
 次に、昨年十二月に都議会議事堂会議室で開催されました過激性教育を許さない都民集会で配布されました七生養護学校の資料についてでございますが、この資料は、当時の校内性教育検討委員会が作成した情報誌と性教育に関する指導案でございます。お話のように、これらの資料には個人名が確かに掲載されておりますが、東京都情報公開条例第七条第二号の除外情報に該当しますことから、非開示とすべき個人情報ではないと判断したものでございます。
 なお、教育庁職員が議員に対し、確認した後、返答したいと対応したことにつきましては、これは組織的な対応として妥当な判断であると考えております。
   〔生活文化局長山内隆夫君登壇〕
○生活文化局長(山内隆夫君) お尋ねの三点の質問にお答えいたします。
 まず、個人情報保護条例第十条第二項第六号の実施機関等に都議会議員個人が含まれるかについてでございますが、この件は現在、裁判で係争中でございますけれども、都議会の議員については実施機関等に必ずしも含まれないものではないと解しております。
 次に、情報公開条例に基づく情報提供として都議会議員に個人情報を流すことが許されるかについてでございますが、情報公開条例における情報提供は事務事業を円滑に執行するために、自主的に、あるいは都民からの求めに応じて必要な資料等を提供し、情報を公にするものでございます。しかるに、個人情報はみだりに公にされるべきものではないことから、既に公になっているなどの例外的な場合を除き、提供されることはございません。
 また、個人情報保護条例第十条第二項に規定する六項目の例外事項に該当する場合は、目的外利用・提供ができるものでございます。
 最後に、お尋ねの四文書と同様の個人情報を都議会に渡したり、その情報を都議会議員が著書に掲載しているようなことを把握しているかについてでございますが、そのような事例については聞いておりません。
   〔十番伊沢けい子君登壇〕
○十番(伊沢けい子君) 今の答弁をお聞きいただきまして、恐らくいかに自由裁量でもって都議に渡っているのかということが、逆にわかったのではないかと思います。
 それで、日常的に都教委では、都議の権力を使えば個人情報が流れる、手に入れることができる。しかも、全面公開の個人情報、これは条例で禁止されている情報を得ることができるわけです。こういうことが許されるとすれば、都議を通じて幾らでも個人情報が都内では得られて(発言する者あり)それが場合によってはいかようにも流れていくという、都民にとっては本当に聞くも恐ろしい話が通用するということです。
 それから、先ほどの国会、都議会で増田教諭の情報が流れていたから扱っていいなどという、そんな理屈は全く通用しないと思います。
 生活文化局にお尋ねしますけれども、このように都議を通じて日常的に個人情報全面の公開の情報が流れることができる、こういう体制についていかにお考えか、お聞きしたいと思います。
   〔生活文化局長山内隆夫君登壇〕
○生活文化局長(山内隆夫君) お答えいたします。
 東京都における情報管理については、適正に管理されているものと考えております。
○議長(内田茂君) 以上をもって質問は終わりました。

●都議会質疑、4つの問題点

この質疑で明らかになった4点を挙げておきます。先ず、私の仲間の一人から来たメールから入りますが、これも、大切な視点ですよね。

(1)『「都議にはこっそりと自由裁量で個人情報を提供できる」都議にはそういう特権が与えられているようですね。ところで誰の決済が必要なのか?
ただ、都議という職業は、あくまでも一時的なもので、都議でなくなった時、同時に、その、こっそり知った情報が消えてくれればいいんですが、落選などして普通の人になっても、都議だったその人の頭には情報としては残ってしまうから、そういう特権はあってはいけないと思いますがね。
いやはや、議会と言うところは、数こそ力でめちゃめちゃですね。権限を持った高級官僚は権力側のゴマすり野郎ばっかりだし・・・』

 実際、生活文化局長の答弁によれば「127人の全ての都議&5人の全ての公安委員(これについては明言したわけではありませんが、理の当然として)」に実施機関の「自由裁量」で、都情報公開条例という法令に従えば非開示となる「個人情報を提供できる」わけですから、「都議でなくなった時、同時に、その、こっそり知った情報が消えてくれればいいんですが、落選などして普通の人になっても、都議だったその人の頭には情報としては残ってしまう」・・・いえいえ、「頭」どころか、土屋たかゆきを筆頭とする3悪都議の手元には、都教委から自由裁量により提供された、膨大な文書で、いろいろな人の「個人情報」が蓄積されているのです。しかも「その使用に当たりなんらの留保も付されておらず、議会内外における議員活動に用いることを当然の前提として提供され」(3悪側の準備書面)ているわけで・・・「増田・個人情報を提供した」「七生養護学校の個人情報を提供した」ということは、3悪都議が俗悪本に掲載したり、集会で配ったために、バレてしまったためで、これは氷山の一角と言うべきです。コワイ!? と言う以外の何が?

(2)それから、横山教育長の答弁で「個人情報保護条例第十条第二項第六号によりまして、情報をチェックする立場にある都議会議員に、行政機関がみずからの裁量により、保有する情報を提供する情報提供として、都教委が行ったものでございます」とありました。本来なら「情報をチェックする立場にある都議会議員」ではなく「行政をチェックする立場にある都議会議員」だと思うんですが、無知な教育長・横山は、さらに無知な小役人が書いた作文を、自らの頭で判断することなく、ただ、読み上げただけでしょうね。でないと、都議会議員が「個人情報をチェックする立場にある」なんてことになったら、これぞまた、コワイ、コワイ!?ハ 話です。でも、連中、根っから、そう思いこんでいるんでしょうか・・・?

(3)それから、これが、より肝心な点ですが、教育長・横山が、個人情報を都議個人に自由裁量で提供して良い理由に挙げた「個人情報保護条例第十条第二項第六号」を見ましょう。それは<第四章 個人情報の利用及び提供>という条項です。

「(個人情報の利用及び提供の制限)

第十条 実施機関は、個人情報を取り扱う事務の目的を超えた個人情報の当該実施機関内における利用及び当該実施機関以外のものへの提供(以下「目的外利用・提供」という。)をしてはならない。

2 前項の規定にかかわらず、実施機関は、次の各号のいずれかに該当する場合は、目的外利用・提供をすることができる。

六 同一実施機関内で利用する場合又は国、地方公共団体若しくは他の実施機関等に提供する場合で、事務に必要な限度で使用し、かつ、使用することに相当な理由があると認められるとき。

3 実施機関は、目的外利用・提供をするときは、本人及び第三者の権利利益を不当に侵害することがないようにしなければならない。

(個人情報の外部提供の制限)

第十一条 実施機関は、個人情報の実施機関以外のものへの提供(以下「外部提供」という。)をする場合は、外部提供を受けるものに対し、個人情報の使用目的若しくは使用方法の制限その他の必要な制限を付し、又はその適切な取扱いについて必要な措置を講ずることを求めなければならない。」

 さて、個人情報保護条例第十条の「第三項」と第十一条は、置いておくとして(たとえ、万が一、官僚裁判官が、都教委の「都議会=都議個人」を追認するとしても、この条項においては「違法」と言わざるを得ないという自信あり!)、「個人情報保護条例第十条第二項」は横山の言うように、「行政機関がみずからの裁量により、保有する(個人)情報を提供する情報提供として、都教委が行」う、ということの根拠法令になり得るモノでしょうか? 都情報公開条例という法令に従えば「提供」することが禁じられている「個人情報」を、都教委は「みずから」の自由「裁量」で、127人の都議会議員には提供できる!? つまり、都教委は、法令の定めなど無視して行政の自由裁量権を行使できる!?

ハ都立豊多摩高校の渡辺義政校長セクハラ事件裁判で、被害者側弁護士が事故報告書や類似セクハラ処分事例など開示請求しても「個人情報非開示」の壁に阻まれ歯ぎしりしたことと思います。なんのなんの、127人中、たった一人の都議でかまいません。その都議が都教委に「議会活動に必要だ」と電話一本すれば、人事部職員課長がすべての個人情報を持ち、すっ飛んできて「提供」してくれるのです。東京都教育長・横山洋吉氏のお墨付き!? があるんですから。

 一つの都条例で禁じた個人情報公開が、もう一つの都条例「個人情報保護条例」の例外事項で、解禁になり、都議にだったら、いくらでも「自由に提供」していいのだ!? と横山洋吉・東京都教育長は言い、かつ実行し、都生活文化局長は、それで、「東京都における情報管理については、適正に管理されているものと考えております。」と澄ましています。これが、石原慎太郎知事が行っている都政の実態です!?

 「実施機関等」の「等」=「都議会&公安委員会」と、ここまでは公文書=都の通達に明記してあります。しかし、横山教育長はじめ生活文化局長ら、つまり、行政官僚達は、それを、全く勝手気ままに、「実施機関等」の「等」=「都議会&公安委員会」であるから、すなわち合議体機関としての「都議会&公安委員会」だけでなく、イコール「都議個人&公安委員個人」である、と解するそうで(都議個人が「機関」?)、だから「行政機関がみずからの(全く自由な!?)裁量により、保有する(個人)情報を(都議個人に)提供する情報提供」が、自由勝手・自由気ままにできる!? そういうことのために、この「個人情報保護条例第十条第二項」は作られている?

 しかし、同条項を「使う」としても、実際、裁判では、都教委は「どのような事務に使用するのか」については、何も確認していないことを認めています。ま、伊沢都議に、藤森・人事部職員課長が28日、パニクッて大あわてで「自由裁量で(増田個人情報・ピアノ裁判教員個人情報・七生養護学校降格校長の個人情報を)提供」したときに「あした(議会質問に)使うんですね?」と念を押してきた、ということを以って「事務に必要な限度で使用し、かつ、使用することに相当な理由があると認められる」と言うに違いありませんけどね。

 ところで、裁判では、都教委は「情報提供」の根拠を、実は、この個人情報保護条例第十条第二項ではなく、情報公開条例の

「第3章 情報公開の総合的な推進(情報公開の総合的な推進に関する都の責務)

第30条 都は、前章に定める公文書の開示のほか、情報公表施策及び情報提供施策の拡充を図り、都政に関する正確で分かりやすい情報を都民が迅速かつ容易に得られるよう、情報公開の総合的な推進に努めるものとする。

2 都は、情報収集機能及び情報提供機能の強化並びにこれらの機能の有機的連携の確保並びに実施機関相互間における情報の有効活用等を図るため、総合的な情報管理体制の整備に努めるものとする。

第32条 実施機関は、報道機関への積極的な情報提供及び自主的広報手段の充実に努めるとともにその管理する資料室等都政に関する情報を提供する施設を一層都民の利用しやすいものにする等情報提供施策の拡充に努めるものとする。」を根拠とする、と書いていたんです!?ここに書かれた「情報提供」が「条例自体が禁ずる個人情報」提供の根拠になるわけないんですが。

 目前のツジツマ合わせをやればやるほど、裁判との整合性が取れなくなり、支離滅裂になるのです。そういえば、最初、伊沢都議には「都情報公開条例第七条が禁ずる個人情報だから増田の個人情報を提供できない」と拒否したときの言い訳は「土屋らは文教委員会に所属しているから出したので、住宅・建設委員会所属の伊沢都議には出せない」でしたっけ!?

(4)七生養護学校の教諭の指導案を教諭名入りで、そのまま土屋ら3悪都議に「情報提供」したものの場合、「東京都情報公開条例第七条第二号の除外情報に該当」するから、と教育長・横山は答弁しています。しかし、該当条項は、

「第7条 実施機関は、開示請求があったときは、開示請求に係る公文書に次の各号のいずれかに該当する情報(以下「非開示情報」という。)が記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該公文書を開示しなければならない。

二 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)で特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

 ハ 当該個人が公務員等である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分」

 つまり、「除外情報」に該当するのは、「当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分」にすぎず、「指導案」そのものは開示してもいいのですが、教諭の個人名は、正に同条項の禁止する「個人に関する情報で特定の個人を識別することができるもの」そのモノで、墨塗りすべきモノなのです。こんな「個人情報」を自由裁量で「提供」することは、都情報公開条例、都個人情報保護条例、地公法34条守秘義務に、モロ!? 違反です!もちろん、増田・個人情報提供について、藤森人事部職員課長が、この条項をタテに最初は伊沢都議への「提供」を拒んだように、モロ、二つの都条例&地公法34条に違反なんです!

 東京都教育長・横山洋吉は都条例も地公法も知らなかったんでしょうか!? 知っていて、なお、3悪都議には「自由裁量」で「個人情報」を提供したとすれば、悪質極まりなく、「法令遵守精神」欠落の見本でしょう。

 ・・・この七生養護学校教員の一件に関してだけでも、横山洋吉&直接「提供」者である副参事・指導主事の薄井・小林・半澤の3名&近藤精一指導部長は、処分されなくてはなりません!都教育庁が定めた「処分量定」に基づいて! それによれば、情報の漏洩は「停職または免職」です! なお、地公法34条違反で告発すれば「一年以下の懲役、または三万円以下の罰金」が課せられます!

◎ 97年、足立十六中で起こった保護者による教育内容への不当な干渉事件(中2地理「沖縄米軍基地」の授業を「反米偏向教育」と攻撃)から、98年に産経&土屋が、これを「足立十六中事件」に拡大しましたが、その攻撃の特徴は、都教委が土屋ら3悪都議に、ターゲットとなる教員である私の個人情報を大量に提供することによって都議会で攻撃させ、教育長なり人事部長なりが「処分」を約束して弾圧をしていく、という構図です。このやり口は、私の次に起こった国立への弾圧、七生養護学校事件へと連綿と続いています。国立の場合は、証拠物件が私の場合や七生養護学校ほどには明確なモノではありませんが、絶対にやっているはずですよ、何しろ東京都教育長によれば、「行政の自由裁量」権は法令などの定めなんぞには拘束されず、無制限に「自由」!? なんですから。

 けれども、法令遵守精神を持つ我々は、この精神の欠落した不適格教育長、不適格指導部長、その他の不適格公務員達に対して、法令に基づく厳格な処分&「非行再発防止研修」受講義務を与えるように要求していきましょう! この実現に、良いアドバイスがありましたら、教えてください!

●伊沢都議の議会発言に都議会民主党・自民党が削除要求!?
(伊沢都議の都教委追及、重要な後日談)

10月7日、伊沢けい子都議から、とても興味深い情報が2点、入りました!

(1)伊沢都議は9月29日に都議会で都教委を追及し、3都議の実名を挙げた上で、前記質疑にありますように、以下のように発言しました。

「土屋都議たちに全開示で提供された増田教諭の個人情報は、昨日、私が教育庁に要求しますと、やはり全開示の形で、公文書開示制度も経ないで出てくるのです。つまり、ここの百二十七人のうち、皆さんがそれを開示すれば、増田教諭の情報は今でも全開示で、何も墨塗りなしで出てくるというわけです。ということは、これは個人情報漏えいが日常的に教育庁によって行われている動かぬ証拠だと私は思います。

 そして、第三者の都民、そして本人にも開示されない個人情報が都議には出される。そして、今度はもらった側の問題です。こうして出された情報を利用して行われたのが、本などで個人情報を公開することによる三都議が行った人権侵害です。これは本当におかしいんじゃないでしょうか。(発言する者あり)」

 なんと、この最後の部分に対して、都議会民主党と都議会自民党が、議会運営委員会で「自主的に削除を」と伊沢都議に要求してきた!? んだそうです。「都議の実名を挙げて、「人権侵害』をした、とはけしからん」ですって・・・自分たちは、さんざん、私の実名を挙げて、誹謗中傷・人権侵害のやりたい放題だったくせにね・・・それに、彼らの行為が「人権侵害」だって事は、分別があれば中学生にだって分かることですし、まして、土屋たかゆきにいたっては、既に2003年5月30日、最高裁によって「街宣で増田に対する誹謗中傷をし、名誉毀損の人権侵害をした」と確定しているのです。伊沢都議には、「私が土屋都議は『人権侵害した』と裁判で確定していることを都議会で持ち出さなかったのは、せめてもの思いやりだったんですよ、と言ったらどうでしょうか?」と言っておきました。

 でも、ホント、都議会自民党&都議会民主党って「(個人)情報をチェックする立場にある都議会議員」という教育長・横山洋吉の、どうしようもない答弁は、問題じゃないんですね!? 彼らの知的・精神的レベルの問題でしょうか?都議会議員が、どういう立場から知らない都議会議員達・・・。

(2)伊沢都議のところに、元民主党にいた都議さんが「増田さんの裁判を知りたい」と来られたそうなのです。この方とは、協力し合えそうです!

 というわけで、9月29日の伊沢都議の都教委追及は、少しずつ波紋を広げ、とっても、とっても、おもしろい展開になってきていますよ!

●「日の丸・君が代」被処分者の方々への辛口!? 連帯表明
 現在、九段中・社会科教員の増田都子です。先ずは、皆さんの闘いに敬意を表します。

 私の闘いについては、裏面の新日本文学7・8月号に載ったものを見て欲しいのですが、私は、97年に一母親が地理・沖縄米軍基地の授業を『反米偏向』として教育内容に干渉してきたことに端を発して以来、ここまで7年間、東京都の教育反動と断乎、闘ってきました。生徒たちが97年卒業式の「国歌斉唱」で一斉に着席してしまった私の平和教育・民主教育が、現在に至る都教委及び右翼反動都議らの教育破壊攻撃の第一ターゲットだったからです。私は四面楚歌ならぬ八面楚歌・・・@一部右翼的保護者、A保身しか考えず、平然と真っ赤な嘘を吐き、書く校長・教頭、B都(区)教委、C土屋たかゆきら右翼都議、D産経新聞、E行政の犬になり下がった官僚裁判官、F所属組合員を売って恥じない都教組(全教)、G子どもが泣いたという浪花節にコロリと引っかかり、教育内容・方法に対して不当な干渉をしかけてきた一母親への屈服を迫った「人権派」弁護士・・・の中で、断乎として闘ってきました(詳細は拙著『教育を破壊するのは誰だ!』社会評論社に)。

 そこで、今回の250名にのぼる被処分者らに、敢えて言いたいのです。私が、孤立無援の中で文字通り集中砲火を一身に浴びながら孤軍奮闘していた時、あなた方は、いったい何をしていたか? と・・・『増田さんだから、かけられた攻撃』と、あなた方は考えていなかったか?と。産経新聞が、デマ情報を大々的に流した以外は、都教組(全教)の意図的隠蔽もあり、「全く知らなかった」という人もありましょうが、しかし、あなた方の何人かの方は『足立十六中事件』と私・増田の闘いを知っていらっしゃったはずです、始めからでなくとも。実は、かく言う私も、この事件に巻き込まれ、ひどい被害・弾圧を受けて初めて、国労闘争団の人達と知り合い、その闘いの意義を知った、ということも事実です・・・なかなか、人間、自分の身に火の粉が降りかからなければ、想像力が働かないものです。

 最近は『茶色の朝』が流行していますが、既に古典となった有名な「マルチン・ニーメラー牧師の告白」を使えば、「ナチスが共産主義者を弾圧した時 私は不安に駆られたが、自分は共産主義者ではなかったので 何の行動も起こさなかった。

(都教委&右翼都議が増田さんを弾圧した時、私は何の不安に駆られもせず、『自分は、増田さんとは違う』と思っていたので、何の行動もおこさなかった!? )

 その次、ナチスは・・・
(その次、都教委&右翼都議は、国立を・・・)
 それからナチスは・・・
(それから都教委&右翼都議は、『日の丸・君が代』総攻撃を・・・)」
という段階に、今、なってきているのではないでしょうか。

「ある日ついにナチスは教会を弾圧してきた そして私は牧師だった。だから行動に立ち上がったが、その時はすべてが あまりに遅過ぎた。」

 ということには絶対にならないようにしましょう! と言いたいのです。ともあれ、今後とも、連帯して都教委及び右翼反動都議らの教育破壊攻撃と、断乎、闘いましょう!

都教委情報漏洩弾劾裁判期日 

2004年12月1日(水)午後3時〜 東京地裁527号法廷

お時間のある方はぜひ傍聴ください。


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