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ますだみやこニュースNo.41

2004.1.6

■増田さんとともに平和教育を進める会事務局■川崎市多摩区三田1の15の7の102■代表:大野昭之(044-922-3618)

●新しい年(04年)を迎えて

増田さんとともに平和教育を進める会・代表 大野昭之  


 昨年、増田都子さんは、土屋・田代・古賀の3都議と展転社を名誉毀損・プライバシーの侵害で東京地裁に提訴しました。彼ら3都議は、増田さん本人と都教委しか知らぬ個人情報(中には増田さんが「開示しろ」と要求しても都教委は知らせなかった個人情報も)を都教委から提供してもらい、教育委員会の手先となって「こんな偏向教師を許せるか」という、増田さんを誹謗中傷する本を出版したのです。

 今年は東京地裁において、証人尋問等、決戦を迎える年になります。特に土屋都議は、彼女の前の学区の北千住駅頭での街宣で、増田さんを「犯罪者」と攻撃、そのあまりのひどさに裁判所から違法行為と認定され、損害賠償35万円の支払いを命ぜられ、金は払ったものの謝罪すらしていません。それだけでなく国立市でも産経新聞と結託して「児童が校長に土下座要求」とデッチ上げ、大量処分を都教委に行わせ、国立の民主教育を崩壊させ、昨年は日野市の七生養護学校の性教育を猥褻なものとデマ宣伝を行い、校長降格を含む大量処分の口火を切りました。私たちは、これらファシスト都議の活動を許しておくわけにはゆきません。彼らは石原知事の下の横山ファッショ教育行政の手先・協力者として、民主教育への弾圧の先兵となっています。

特に横山教育長は、「日の丸・君が代」強制をテコとして、小泉首相の「普通の国」=戦える国を目指す自衛隊の海外派兵を、教育の面から支えるため東京の教育行政を、全国の反動化の先頭を切って行っています。去年の10・23の違憲・違法通達は生徒・教師の「思想・良心の自由」を否定し、教師を行政のロボットに作り変えようとするものです。去年12月3日の「君が代伴奏拒否」東京地裁判決(裁判長は、増田さん・田畑さんの提訴に、都教委主張を丸飲みして敗訴させた山口幸雄)の「公務員は、思想・良心の自由についても公共の福祉の見地から、職務の公共性に由来する内在的制約を受けるのが相当」だから「思想・良心の自由を制約するものであっても受認すべき」という論理は、それを正当化します。

この民主教育にとって重大な時期に「君が代」を拒否し、処分を受けようとしている女性教師に組合は平然と救援を拒否しています。今や既成組合に頼らず、一人一人の教師が自己の良心に従って闘わざるを得ない時に来ました。我々は、これからも連帯し団結して闘っていきましょう。
では、本年も、どうぞ、よろしく!
●最新のニュース 裁判(1月23日)傍聴参加のお願い

増田都子  


 こんにちは、増田です。以下、ご報告します。

<その1>

 2003年12月26日、民主党の東京の責任者である海江田万里氏のところ(衆議院議員会館第1)に、大野昭之代表と共に行って参りました。
その目的は? 三悪都議の筆頭で、最高裁判所によって「増田の人権侵害をした」と確定した男、土屋敬之に対して、私・増田への謝罪をさせることと同時に民主党としての倫理規則に違反した彼に対して調査し必要な措置を与えるよう要請することです。以前、お知らせしましたように2003年7月31日付で、土屋本人、都議会民主党幹事長、菅民主党代表宛に内容証明郵便で要請をしていました。しかし、大野代表が何度、都議会民主党幹事長に電話しても「自分には、その権限がない」とのことでしたので、民主党の東京の責任者である海江田氏のところに行ったわけです。

応対したのは小島信雄秘書でした。土屋による人権侵害は、民主党の基本理念である「私たちのめざすもの」の「第1に透明・公平・公正なルールにもとづく社会をめざします」「第2に『国民主権・基本的人権の尊重・平和主義』という憲法の基本精神をさらに具現化します」に明白に違反していること、よって民主党規約第6章「(倫理の遵守)第25条、党員は政治倫理に反する行為、党の名誉を傷つける行為、本規約および党の諸規程に違反する行為を行ってはならない」「党員が前項に違反した場合、・・・所属する県連の執行機関が、当該党員の行為について速やかに調査を行った結果にもとづいて、倫理規則に従い必要な措置を講じる」という規定を可及的速やかに実行していただくこと、このような「倫理の遵守」どころか正反対の人権侵害をしながら謝罪もできないような男は民主党の公認から外すこと等、要請しました。そして、現在の3悪都議弾劾第2弾の訴状を手渡しました。小島秘書のお答えは「分かりました」ということでしたが、「いつまでに報告、ということは約束できない」とか・・・海江田氏のところのメールアドレスは、banri@aya.comです。ぜひ、皆様の方からもメールで要請をしてください。

2年後の都議選では、土屋のような人権侵害男は絶対に落選させること!そのための一つの方法として、「民主党に公認させないこと」を追求していきたいと思います。ご協力、よろしく!

<その2>

前回11月21日の公判にも多数の傍聴支援をいただきありがとうございました。相変わらず3都議は、開廷直前に入ってきて、彼らの支援者に席を替わってもらい傍聴席にいすわるものですから、時間ぎりぎりまで仕事をしてきてくださる真面目な勤労者の私の方の傍聴支援の方は満席で法廷に入れない、という状況が続いています。彼らが「被告席」に座りさえすれば、あと3人、私の支援者の方が法廷に入れる計算なんですが・・・

ところで内容です!彼らが「増田の個人情報を正当に都教委から手に入れた」と、これは珍しく正直に主張してくれたものですから、以下のように「求釈明」しました。

「1,被告らが都教委に対して、本件書籍に使用した公文書の開示を求めた年月日
及びその請求書類を明らかにされたい。

2,上記各文書を開示した責任者を明らかにされたい。

原告は、上記の釈明を待って、被告準備書面3に対する反論を準備する予定で
ある」

 しかし、12月27日、現在「釈明」はありません。そこで、もちろん、「釈明できない」コトは全く自明の前提ですから、同時に和久田弁護士から裁判所宛に都教委への「調査嘱託申立書」を出していただきました。

「<証明すべき事実>

訴外東京都教育委員会人事部職員が、原告に関する個人情報を被告らに漏洩した事実及びこれが東京都個人情報保護に関する条例に違反する事実

<調査事項>

1,被告土屋敬之、同古賀俊昭、同田代ひろしのいずれかが、以下に掲げる原告に
関する個人情報の提出を嘱託先に求めた年月日及びその請求書類

@〜C(略)Dその他原告の個人情報に関する公文書一切

2, 被告らに開示された上記1の各文書写し

3, 開示を決定した担当者の氏名」

これについて、裁判所では三都議の「釈明」がなかったら「採用しましょう」!となりました。三悪都議をジックリと追いつめています!

次回の公判は1月23日(金)13:15〜627号法廷です。ご都合の付く方は、少し早めに!ご参集ください。

<その3>

 上記、都教委の地公法違反、都条例違反により受けた精神的苦痛に対して、11月14日、東京都教育委員会相手に国家賠償訴訟を起こしました!都教委の違法行為、犯罪的行為もジックリと追いつめていきます!これでまた、和久田修弁護士への訴訟依頼「最多クライアント、増田サン」を更新!?

なお、現在の都教委人事部長の臼井勇は、01年に私が人権侵害長期研修を目黒の都研修センタ−で強制されていたときの研修部長であり、部下の富山謙一研修課長(現在、府中四中校長)が私の錯誤につけ込んでイヤガラセ賃カツをしたことを指示しました。私はこれについてすぐ都人事委員会に訴え、都人事委員会は、これを「不当行為」と断定し、賃カツ分、を支払うように裁定したのです。都教委は、さすがに金は異例の早さで(と九段中の事務主査は言っていました)直ぐ支払ってきましたが、私の謝罪要求は全く無視しました。富山は内容証明郵便で出した謝罪要求も全く無視しました。こういう「不当行為」実行男が校長となって府中四中で教員を「人事考課」しており、この「不当行為」実行男に「不当行為」を指示した人物が都教委人事部長に出世し、都議会で土屋と掛け合い答弁をして七生養護学校をはじめとする大弾圧処分を実行したのです。現在の都教委にあっては、不法行為・不当行為・人権侵害、何でもござれ!?という人物たちが「公務員としての資質ある者」ということなのかもしれませんね。

<その4>

 とても嬉しいことにシカゴ大学のノーマ・フィールド先生から、メールで(もちろんシカゴから)「是非、賛同人に加えてください」と送られてきました。「天皇の逝く国で」(岩波書店)を読んで、この方なら、私の闘いの意義を理解してくださるに違いない!と確信していました。それで11月3日の憲法集会で彼女が講演なさったときに、資料と私のメール・アドレスを書いた手紙を渡しておいたのです。メールって本当に便利ですね!

<その5>

 前担当者が病に倒れてから閉鎖せざるを得なかった『学校ユニオン&増田さんとともに平和教育を進める会』のHPが、やっと新しい担当者を得ることができて、再開の運びとなりました!(www.h7.dion.ne.jp/~masudam)

●「3都議裁判闘争勝利、教育基本法改悪反対、11.29集会」集会に参加して

土屋都議らの介入を許すな!
大いに盛り上がった11.29集会

 11月29日、東京池袋の豊島勤労福祉会館で、「3都議裁判闘争勝利、教育基本法改悪反対、11.29集会」が開催されました。この集会は、土屋都議らの悪辣な介入に抗して闘われてきた増田さんの闘い、それを支える「進める会」、「東京都学校ユニオン」の運動の前進、広がりを示すにふさわしい集会でした。

私たちは、この集会に先立って、さまざまな集会に、3都議の悪行を糾弾するビラを配布しましたが、このビラには、困難な状況のもとで闘う、全国の教育現場の活動家や良心的な知識人、労働組合、地域の活動家たちが、裁判闘争の賛同者として、ずらりと名前を連ねています。こんなことは、3、4年前には、とても考えられないことでした。この集会のメインスピーカーとして、小森陽一さんを迎えることができたのも、私たちの運動のこうした広がり、前進を反映するものといえましょう。

参加者は、30数名と、決して多いとはいえませんが、当日は教育基本法反対を掲げる集会がほかにいくつかあったことを考えると、ますまずの結集といえるのではないでしょうか。しかし、一番よかったことは、この集会の内容です。集会は、本当に活気にあふれた、充実したものになりました。

大野さんや増田さんは、実際の生々しい闘いの経験を通して、土屋都議らやそして彼らと結び、彼らを利用している都教委の犯罪行為、またそれと闘おうとしないばかりか、闘う者に後ろから銃弾を浴びせるような日教組、全教などの組合指導部のふがいない姿を、鋭く告発しました。また、小森さんも、私たちが普通想像する大学の先生のイメージとはいささか異なった、精気あふれる講演(力強いアジテーション)で、「戦争のできる国家」のために子供たちを「洗脳」しようとする教育基本法改悪の意図を告発、その中で増田さんの闘いの意義も浮き彫りにしました。講演の後小森さんへの参加者の質問や賛同意見が続いて、集会の時間が足りなくなるほどでした。

(小森さんの講演と大野さん、増田さんの報告は、テープに録音し、土野さんに起こしていただいています)。

また、再雇用差別と闘う田畑さん、国労闘争団の内田さん、西部全労協の金沢さん、茨城ユニオンの花井さん、千葉学校合同の吉田さんなどからの熱烈な連帯の挨拶も寄せられ、大いに盛り上がりました。集会の後の懇親会も、小森さんを囲んで、話がはずみました。(s)

●10月23日の都教委「通達」は憲法違反!

富山 江美子  

 東京都教育委員会は、昨年10月23日「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱に関する実施指針」の決定を強行し、「通達」を校長への「職務命令」として都立学校に下ろした。また、区市町村教育委員会へは、写しを添えて「通知」された。

● 実施指針は次の通りである

1 国旗の掲揚について

 入学式、卒業式等における国旗の取り扱いは、つぎのとおりとする。

(1)国旗は、式典会場の舞台壇上正面に掲揚する。
(2)国旗とともに都旗を併せて掲揚する。この場合、国旗にあっては舞台壇上正面に向かって左、時にあっては右に掲揚する。
(3)屋外における国旗の掲揚については、掲揚塔、校門、玄関等、国旗の掲揚が児童・生徒、保護者その他来校者が十分認知できる場所に掲揚する。
(4)国旗を掲揚する時間は、式典当日の児童・生徒の始業時刻から終業時刻とする。

2 国歌の斉唱について

 入学式、卒業式等における国歌の取り扱いは、次のとおりとする。

(1)式次第には、「国歌斉唱」と記載する。
(2)国歌斉唱に当たっては、式典の司会者が、「国歌斉唱」と発声し、起立を促す。
(3)式典会場において、教職員は、会場の指定された席で国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する。
(4)国歌斉唱は、ピアノ伴奏等により行う。

3 会場設営等について

 入学式、卒業式等における会場設営等は、次のとおりとする。

(1)卒業式を体育館で実施する場合には、舞台壇上に演台を置き、卒業証書を授与する。
(2)卒業式をその他の会場で行う場合には、会場の正面に演台を置き、卒業証書を授与する。
(3)入学式、卒業式等における式典会場は、児童・生徒が正面を向いて着席するように設営する。
(4) 入学式、卒業式等における教職員の服装は、厳粛かつ清新な雰囲気の中で行われる式典にふさわしいものとする。

 都教委は、「都立学校等卒業式・入学式対策本部」なるものを7月に設置し、何を検討してきたのか?「通達」の前文に、「都立学校等における入学式及び卒業式が、学習指導要領に基づき、適正に実施されるために」とある。

99年に「国旗・国歌法」が制定された時の政府見解は「法制化にともない、学校教育における国旗・国歌の指導に関する取り扱いを変えるものではない」「子どもたちの良心の自由を制約するものではない」であった。しかし、都教委第7回定例会では、横山教育長が「国旗・国歌は強制しないという政府答弁から混乱が始まっている」といい、米長は、「政府答弁がまちがっている」などと、憲法の存在を全く無視した発言をしている。また、教育基本法第10条にある、不当な介入以外の何物でもない。

 公務員である東京都の教職員は、憲法尊重擁護義務がある。児童・生徒や保護者に対して起立させたり「国歌斉唱」を「うながし」たりしていいのだろうか?!校長は、事前に不起立、歌うか歌わないかは、「内心の自由」により保障されている旨を児童・生徒や保護者に説明しなくてはならないのだ。さらに、公務員である東京都の教職員も一人の独立した人格として、職務命令の遂行が国民に対する関係において憲法遵守義務違反となる場合、国民の基本的人権を侵害するような命令には従えないし、それは権利であり、義務である。

 会場設営にまでこと細かく制限をする都教委は、卒業式の主役が子ども達であることをもはや忘れている。国を命がけで守る「愛国心」を持った、自分の頭で考え判断する事をしない子ども作りをしようとしている。そのために、教職員に処分をちらつかせた暴挙に出たのだ。

 日野市で99年4月、入学式で「君が代」ピアノ伴奏を強制され、拒否し戒告処分を受けたFさんが起こした処分取り消し訴訟の判決で、昨年12月3日東京地裁山口幸雄裁判長は、校長の「職務命令」を適法と認め、Fさんの請求を棄却した。「伴奏自体は教諭の精神的活動までも否定するものではない」との山口裁判長の判断。教育の何たるかを知らない、人格を売り渡したとしか思えない民主国家の裁判官とは思えない判決だ。

 イラクに、自衛隊の先遣隊が派遣された。小泉首相は、早々と靖国参拝をした。英霊を迎えようとする装置は、着々と準備されている。教え子を再び戦場に送ってはいけない。殺させてはいけないし、殺してもいけない。もうすぐ3月。何をなすべきか?たゆまず連帯の輪を広げよう!!
●「三都議&展転社弾劾裁判」勝利のための集会に参加して
 三都議を相手に裁判闘争を続けている増田先生、その裁判の勝利を期しての集会。しかし、あいにくの雨、出足を心配しました。ほとんど宣伝らしきものはせずと思いましたが意外や意外、小さな部屋でしたがほぼ満席。今の状況を憂いている人達が雨にもかかわらず参加したのか、はたまた小森陽一先生のお話を聞きたいが為か(増田先生ごめんなさい)。

小さな集会でしたけれど中身は濃く、「増田さんとともに平和教育を進める会事務局」代表大野昭之さん、の教育委員会や校長にたいする迫力ある批判、校長は法律違反の処分を行っているとの話には、何故?と疑問をもつと同時にその処分が怖く、きゅうきゅうとしている教諭の姿を想像し、情けなくなるのは教育界を知らない私故にだろうか、第二、第三の増田さんの登場が期待される。

小森陽一先生は大野昭之さん以上の迫力を持って教育基本法改悪の目的を話される。改悪後の教育現場が恐ろしい! 戦後の民主教育によって一見民主主義の社会が実現したが、その教育が逆手に取られ、憲法改悪を成し遂げるために「日の丸、君が代」の法制化に始まり「教育基本法」改悪を仕上げにする政府の深謀遠慮を思うと、敵は用意周到、あまりにも私たちは無防備、反対運動にしても準備不足と反省する。一人でも多くの人に小森先生の話を聞く機会を作っていきたいと極めて、消極的な発想しか浮かばないのが悲しい。

最近、日の丸君が代がごく自然に国民に受けいれられてきているのではないかと不安になる。君が代伴奏を拒否し、処分された教師の裁判が敗訴、また最近スポーツ番組でよく見かけるが、始まる前に日の丸を掲げ君が代を歌う光景。こういった一連の動きの根底に天皇制が横たわっている気がする。小森先生の話で戦後の民主主義の出発点が間違っていたと、天皇の戦争責任を不問に付した事。今また戦前回帰の傾向が強まりつつある第二の戦前を迎えないために、教育基本法改悪と憲法9条改悪反対運動を真剣に取組もう。大野昭之さんの話で、1933年の映画で「今ひとたびの」のセリフに「あの時もっと闘っていれば」と言う一節があるそうです。1933年と言えば京大事件、日本が国際連盟を脱退、小林多喜二が虐殺され、戦争に突き進もうとしていた時です。歴史を繰り返させてはならないと肝に銘じて・・・。
平和憲法を生かす新宿の会  和田まさえ 
次回の公判は1月23日(金)13:15〜

627号法廷です。ご都合の付く方は、少し早めに!ご参集ください。