対都教委「不当免職」取り消し裁判、傍聴にご参加を! 08/5/15

 以前もお知らせしましたが、期日が近づきましたので、再度、お知らせします。ぜひ、以下の「不当免職」取り消し裁判、傍聴参加をお願いします!

●5月19日(月)11:00〜
対都教委『分限免職』取り消し裁判、口頭弁論
東京地裁631号法廷

 以下は、今回提出の準備書面の一部です。
●被告都教委は、「すでに述べたとおり、特定の歴史認識のみが絶対に正しく、それと異なる歴史認識は間違いであると生徒に押し付けてはならない」のであり、原告の主張は失当である、とする。

 しかしながら、原告が批判した古賀都議の議会発言や扶桑社の歴史教科書の内容は、客観的にも間違いであり、また政府の公式見解にも反するものであって、かかる「歴史認識」の誤りを正すことは、むしろ社会科の教師としての責務であるとも言えるのである。

 すなわち、第二次大戦における日本の戦争行為は侵略戦争であったとする「歴史認識」は、日 本国憲法の理念の前提であり、内外の歴史学の常識であるばかりでなく、日本国首相および国会が内外に表明し認めているものであって、かかる「歴史認識」を生徒に教えることは何の問題もないことは異論がないところであると思われる。これに対して、上記のような「歴史認識」を否定して、第二次大戦における日本の侵略行為を「自存自衛の戦争」「アジア解放の戦争」とする「特定の歴史認識」は、右翼に偏向した独善的なイデオロギーの所産ともいうべきものであり、日本国憲法の根本理念である平和主義を否定しかねないものであって、日本国憲法の趣旨からすれば「間違いである」と言わざるを得ない(原告は、このことをわずか数行の表現で「歴史偽造主義」と指摘したに過ぎず、これを『誹謗』などと捉えること自体、被告都教委自身が右翼の独善的イデオロギーに与しているものと評価されても仕方ないところである。)。

 正しい「歴史認識」を教えることは、1998年に改定された中学校学習指導要領の社会科の「国際社会に生きる民主的、平和的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う」ことに資するものであることは明らかであり、誤った『特定の歴史認識』をおかしいと教えることは、日本国憲法下の社会科教員の責務であって、何ら非難される謂れはない。

 なお、日本の侵略戦争を否定し、『自存自衛の戦争である』『アジア解放の戦争であった』とする『特定の歴史認識』が誤っていることについては、ほかならぬこの教科書の発行会社である扶桑社自身が、2007年5月、『各地の教育委員会の評価は低く、内容が右寄り過ぎて』いた、と認め、既にこの教科書をもう発行しない、絶版にすると決定したことを社会的に公表していることからも、明らかである。にもかかわらず、被告・都教委は『各地の教育委員会』とは異なり、この扶桑社歴史教科書をさらに2007年7月26日に2008年度開校の都立中高一貫校に採択しているのである。

 これは被告・都教委が『各地の教育委員会』とは異なり、どこまでも日本の侵略戦争を否定し『自存自衛の戦争である』とする『右より過ぎ』の独善的イデオロギーに立つ『特定の歴史認識』を『絶対に正し』いと『生徒に押し付け』ようとしていることを証明するものであることを指摘しておきたい。

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