原 告 増 田 都 子
東京地方裁判所民事第36部合議係 御 中 2007年4月27日
第1 被告東京都に対する求釈明 2 被告東京都は、アジア太平洋戦争を「侵略戦争」とする見解と「自存自衛の戦争、アジア解放の戦争」とする「見解」を、中学校社会科教育の授業の中で、同等に扱うべきだと主張するのか、明らかにされたい。 3 そもそも、原告が授業において使用した資料「ノ・ムヒョン大統領への手紙」のどの部分が、「誹謗」に当たるのか、「不適切」なのか、部分・箇所を特定して明らかにされたい。 4 実名を出すことが当然の公人である都議・古賀俊昭の、いかなる場合に公にされても当然の公的場である都議会文教委員会における発言として、いかなる場合に公にされても当然の公的記録である都議会文教委員会議事録に掲載されているものを、出典を明確にし、実名を挙げて教材に載せることが、なぜ、「公教育の場ということからすれば『不適切』なものであることは明らか」であるのか、示されたい。 5 被告東京都が、都議・古賀の「(日本の戦争は)侵略戦争というのは、全く当たらない」という発言内容が歴史事実に適合していると主張するなら、その根拠を示されたい。 6 扶桑社歴史教科書に関して、出版社として世間に公知されており、その歴史教科書が「侵略の正当化」教科書として、国内外から批判され続けていることが公知されており、それを広く国内外に報道され続けていることが公知である出版社名を明確にして教材に載せることが、なぜ、「公教育の場ということからすれば『不適切』なものであることは明らか」であるのか、示されたい。 A 本件各研修の実を上げ事実を記録するために「録音行為を行う」ことが、なぜ「公務員としての自覚や責任感に欠けるものと判断せざるを得ない」のか、根拠を示されたい。 B 「保護者の一人に『平泉澄』の信奉者がいて」と事実を摘示したことは、真実に反するのか、真実に反するとするならば、根拠を明らかにされたい。 A 2006年3月中旬の港区立御成門中への異動内示は、誰の決定と責任で為されたものか、示されたい。 B 同年3月28日付千代田区教委の内申には「研修継続などの適切な処置」と記載されており、いかなる「処分」内申もしてはいない。原告の「分限免職」について、同年3月29日に決定され、教育委員会に付議された「付議議案」は、いつ、誰が発案したものであるか、明らかにされたい。 10 上司の校長にも、原告にも知らされていない段階である2005(平成17)年8月31日の産経新聞朝刊に、原告の「長期研修」という個人情報が記載されているが、これらの情報は、被告らのいずれかの職員による漏洩としか考えられないところ、いつ、どこで、誰が、産経新聞記者に原告の個人情報を漏洩したのか明らかにされたい。 11 2005年11月7日の集会での配布文書(校長の事故報告書、東京都学校ユニオン発行のビラ)を、被告東京都は、いつ、どこで、誰から、どのようにして入手したのか、明らかにされたい。 第2 被告千代田区に対する求釈明 2 被告千代田区は、アジア太平洋戦争を「侵略戦争」とする見解と「自存自衛の戦争、アジア解放の戦争」とする「見解」を、中学校社会科教育の授業の中で、同等の比重を持って扱うべきだと主張するのか、明らかにされたい。 3 2005年9月1日の時点で「計画され、予定されていた」はずである課題20〜22が既に存在していたとするならば、その「課題20〜22」を示されたい。 4 なぜ、被告を「批判」したら「研修の成果が上がらなかったと判断」されるのか、原告が被告を「批判」した課題としてあげられている全ての箇所について、原告の「批判」が間違っている理由をすべて示されたい。 5 原告も公務員・労働者として、当然に「有給休暇」を取得する権利を有していると考えられるが、原告の「有給休暇」取得により、「予定していた課題ができなかった。」旨の主張は、原告の有給休暇取得を非難する趣旨か、明らかにされたい。 6 19の課題が「中学学習指導要領(社会科)についての理解」「適切な資料を授業で用いることについて」「自主的な反省」と、どのようにかかわって作成されたものであるか、一つ一つの課題について示されたい。 7 本件各研修期間中に原告に課せられた「課題」は、そもそも、誰が、如何なる正当な研修目的を持って、如何なる趣旨で作成されたのか、明らかにされたい。また、かかる「課題」によって、原告の教育公務員としての資質が如何にして向上するとする趣旨なのか、「到達すべき研修成果」を具体的に明らかにされたい。 8 本件各研修中の「課題16 特定の個人名、団体名を記述したり、それらについて教師の私見を加えた資料を授業で活用することについて、どのように考えているかを記述しなさい。」とあるが、原告が、「公知の事実」であるところの都議である公人や、公刊物の出版社名を授業教材において名指しすることに問題があったとする趣旨か。であるならば、如何なる問題があるのか、その点を明らかにされたい。 9 本件研修中の「課題17 生徒の書いた意見や作品について、授業で活用する際に、どのような配慮をしていくことが必要かを記述しなさい。」とあるが、生徒の書いた意見や作品を授業の中で活用することに何か問題があるとする趣旨なのか、明らかにされたい。 10 本件研修中の「課題19 教育活動の中で著作権や個人情報の保護について、生徒にどのように指導していくかを記述しなさい。」とあるが、原告の教育活動における著作権保護や個人情報保護に関する指導方法に何らかの問題があったとする趣旨ならば、何が問題であったのか明らかにされたい。 11 また、そもそも、被告らは、原告の個人情報を第三者である都議に漏洩しその漏洩行為は、東京高等裁判所判決おいて「違法」と断じられているが、被告らは、個人情報保護につき、十分な配慮を行ってきたと言えるのか、明らかにされたい。 12 上司の校長にも、原告にも知らされていない段階である8月31日の産経新聞朝刊に、原告の「長期研修」という個人情報が記載されているが、これらの情報は、被告らのいずれかの職員による漏洩としか考えられないところ、いつ、どこで、誰が、産経新聞記者に原告の個人情報を漏洩したのか明らかにされたい。 13 「生徒の意見等の記載された「課題3」「課題4」の回答が、研究所ソフトウェア室に・・・そのまま残されていること発見した」と、「個人情報保護」に関して問題視しているが、『生徒の意見等の記載された「課題3」「課題4」の回答』のどこに「個人情報」があるか、示されたい。 14 被告らは、この産経新聞社による教員と生徒の著作物に対する著作権法違反の事実を知って、@産経新聞社に対して、どのように対応したのか、示されたい。A被告は、不特定多数に示す資料を作成する場合、「必ず出典を明記する必要がある」ことを「著作権法上の常識」として認識しているか、明らかにされたい。 15 被告準備書面P14の「・・・感想を述べ、助言、指導を行った」の会話の根拠となるものを示されたい。 16 原告は、本件各研修命令処分期間中に、ゴミ捨てや手洗い等の離席についてすら、指導責任者への「行く先の報告」を義務づけられたが、これは、如何なる法的根拠に基づく措置であったのか。また、一般の教育公務員に対して、ゴミ捨てや手洗いにつき、校長や学校責任者への「報告義務付け措置」を講じている例があれば、明らかされたい。
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