小池知事よ、都教委よ、 過去に目を閉ざすな!差別排外主義の後押しをするな!

皆さま

 こんばんは。増田です。重複・超長文、ご容赦を!

 本日、都庁前で、東京都学校ユニオンの恒例月末ビラまきを行いました。内容は以下です。


 小池百合子都知事の虐殺朝鮮人追悼文の拒否と、都教委の副読本からの虐殺削除は、東京新聞「本音のコラム」の斎藤美奈子さんの言うとおり「ひとつながり」です!


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(表面)

「関東大震災における朝鮮人虐殺」は日本史上「特別」だ!

小池知事よ、都教委よ、

過去に目を閉ざすな!差別排外主義の後押しをするな!

 

★小池知事の「朝鮮人虐殺」追悼文拒否理由は、虐殺犠牲者を「特別視しない」から!?(8.25記者会見)

 都教委副読本(裏面参照)の「虐殺」削除は「すべてが『虐殺』か、分からない」から!?

 

 小池知事は、記者会見でも頑として「朝鮮人虐殺があった」という歴史事実を認めませんでした。歴代都知事が去年まで送付していた追悼文の拒否は、極右の古賀俊昭都議の3月都議会での質問に答えるものでした。その質問は「追悼碑の(虐殺数)『6千人』の根拠は希薄。朝鮮人暴動は有った」などと、当時の日本政府さえ「暴動は無かった」と認めていることをを無視した暴言でした。

 

ヘイトスピーチ・排外主義がはびこる現在、知事や都教委による過去の負の遺産の隠蔽は、その惨劇を再現する危険を後押しするものです。これでは、あらゆる災害から都民…外国籍を含みます…を守るべき行政としての義務は果たせないのではないでしょうか。

 

以下、当時の当事者の証言―――数えきれないほど、あります――の一つを紹介します。

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◎「語る人  元本庄警察署 新井巡査」

(『埼玉県内における関東大震災朝鮮人虐殺事件資料』1963年)

 

(1923年9月4日)本庄署へ引き返してきた三台のトラックは、朝鮮人を満載していた。…惨劇の模様はとても口では云いあらわせない。日本人の残虐さを思い知らされたような気がした。何百人という群衆が暴れまわっているのを、一人や二人の巡査ではとうてい手出しも出来なかった。こういうのを見せられるならいっそ死にたいと考えたほどだ。

 

子供も沢山いたが、子供達は並べられ、親の見ている前で首をはねられ、その後、親達をはりつけにしていた。生きている朝鮮人の腕をのこぎりでひいている奴もいた。それも途中までやっちゃあ、今度は他の朝鮮人をやるという状態で、その残酷さは見るに耐えなかった。…私は長い間、朝鮮人の「アイゴウ、アイゴウ」という悲痛な叫びが耳からはなれなかった。死体は、翌日、県からの命令で朝鮮から調査に来るから至急にかたづけろと言ってきた。

 

…死体は十二台の荷馬車で運んだが、火葬場へ持っていってもしかたないので台町の山林に巾七尺三十六間の穴を掘り、下にまきをひきその上に死体を並べて、上から火をつけた。焼いたのは夜だったが、朝になってい行ってみると頭や、足、手首などがほとんど残ってしまっていた。残った頭などは五十位あったろうか。なにしろ「数がわからないようにしろ」というお上の命令なので、残ったのは又やりなおした。

 

裁判もいいかげんだった。殺人罪ではなくて、騒擾罪ということだった。刑を受けたのは何人もいたが、ほとんど執行猶予で、つとめたのは三、四人だったと思う。私も証人として呼ばれたが、検事は虐殺の様子などつとめてさけていたようで、最初から最後まで、事件に立合っていた私に何も聞かなかった。


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(裏面)

小池知事よ、都教委よ、 心あらば、関東大震災虐殺犠牲者を追悼せよ!

惨劇を繰り返さぬため、歴史事実を隠蔽せず、教えよ!

 

☆左に二つの新聞記事をご紹介します。(東京新聞と韓国聯合ニュース。棒線・点・太字強調は当組合)

 

関東大震災時の朝鮮人虐殺 遺族が真相解明訴え(韓国『連合ニューース』 2017年8月31日)

9月1日に関東大震災発生から93年を迎えるのを前に震災時の朝鮮人虐殺事件の被害者遺族が31日、歴史問題が解決されなければ韓日関係を修復することはできないとし、「虐殺に対する徹底した真相の調査と日本の謝罪が優先されなければならない」と訴えた。

 

 朝鮮人虐殺犠牲者の遺族の集まりで代表を務める済州在住のチョ・ヨンギュンさんの祖父、趙卯松(チョ・ミョソン、済州出身、当時32歳)さんの一家は当時、江東区の亀戸警察署に連行され、日本軍の騎兵中隊の銃剣で殺された。卯松さんと弟2人、卯松さんの妻と4歳の息子の5人が犠牲になった。

 

 チョさんは朝鮮人虐殺を「日本の官民軍により組織的に行われたジェノサイド(大量虐殺)」「人類史でも類を見ない大虐殺」としながら、93年たった今も事件の真相がきちんと明らかにされていないと指摘。真実を隠蔽(いんぺい←ルビに!)し謝罪をしない日本政府への悔しさをあらわにする。(後略)

 

 

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消される虐殺(『東京新聞』(2017年8月30日【本音のコラム】)     斎藤美奈子(文芸評論家)

  東京都教育委員会が発行する都立高校用の日本史副読本『江戸から東京へ』が問題になったのは2013年だった。
 この副読本は11年度から使われているが、13年度版から記述の一部が変更されたのだ。そのひとつが「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑」についてのコラムである。
 旧版は〈大震災の混乱のなかで数多くの朝鮮人が虐殺された〉。
 新版は〈碑には、大震災の混乱のなかで、「朝鮮人の尊い命が奪われました。」と記されている〉。
 虐殺の事実を都は隠蔽(いんぺい)しちゃったのである。変更の理由は「殺害方法がすべて虐殺と判断できない」。

 今年、小池百合子都知事が関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式への追悼文送付を断ったのと、副読本の一件はひとつながりと見るべきだろう。

 同様の隠蔽はしかし、過去にもあった。西崎雅夫氏の労作『関東大震災朝鮮人虐殺の記録 東京地区別1100の証言』〈現代書館・16年〉には、〈鮮人がひなんしたのを殺されたりした〉を〈知らない人が来たのをぶったりした〉に改ざんするなど、子どもの作文が徹底検閲された例が数多く示されている。

 私たちにできるのは、せめて2つの事実を次世代に伝えることだろう。
 第一に虐殺の歴史があったこと。第二に権力は加害の歴史を隠したがること。9月1日はそのための日。教材ならいくらでもある。