日本全国、「森友学園」化? ―――「道徳」特別教科化、教育勅語も銃剣道もO.K!?

皆さま
 こんばんは。増田です。
救援連絡センター『救援 第577号』(2017年5月10日発行)に件名原稿を載せていただきました。

 大日本帝国の敗戦後、310万人もの同胞の無残な死と何千万ものアジアの人々の無残な死と引き換えに、やっと日本人民が手に入れた…ハズ…の「民主主義憲法・精神」。「それから脱却」と公言する人物どもを最高権力者の座につけてしまったことを、これらの人物の名前を書いて票を投じた人々は認識しているのでしょうか…

 でも、諦めてはいられません。以下、少し長いですが…実はざっくり書いていったら3千字になってしまい、与えられた字数は1500字だったので、バッサ、バッサと削らければならず、どうも骨と皮(笑)になった気はしますが…目を通していただけら嬉しいです。

******************************
<日本全国、「森友学園」化? ―――「道徳」特別教科化、教育勅語も銃剣道もO.K!?>
                                         増田都子
 安倍晋三は2012年2月26日、日本教育再生機構(日本の侵略戦争を「アジア解放の戦争」と歴史偽造し、日本国憲法を敵視する育鵬社教科書を編集)が大阪で開催した民間教育タウンミーティングで以下のように発言した。
 
「占領時代に様々な仕組みが作られた。憲法もそうだし(1947年制定の)教育基本法もそうだ。そうした制度の中で培われた(民主主義)精神も含めて私は戦後体制・戦後レジームと呼ぶ。これから脱却しなければ日本は真の独立を手に入れたとは言えない。」

「日本の子どもたちが学校において日本という国を貶められ、日本人であることに誇りが持てなかったら、自分自身に自信が持てない。これを変えていかなければならない。」「まずは、基本法を変えよう、と…(1947年の教育基本法は)日本の香りが全くしてこない基本法だった。まるで『地球市民』をつくるような基本法だった。これを変えて、教育の目標の1丁目1番地に『道徳心を培う』ことを書き、伝統と文化の尊重と郷土愛、愛国心もこの教育基本法に書き込んだ。」

「『伝統や文化』という観点から、今年の4月から中学校で武道が必修になる。(第一次)安倍政権で決めたことだ。そうなれば、今の13歳の子どもたち以下は、全員が日本人は武道を身につけることができる。大きく、子どもたちを変えていくことになる、と期待している。」
 
 本年2月、森友学園問題(「安倍晋三記念小学校」作り⁉)が発覚した。運動会の選手宣誓で幼稚園児に「安倍首相ガンバレ、安倍首相ガンバレ、安保法制、国会通過よかったです」といわせ、毎日「君が代」を歌わせ、教育勅語を暗唱させる教育を安倍首相夫人は称賛し、首相自身も一時は「非常に熱心」と高評価していた。だから、財務官僚や大阪府の官僚たちが上記安倍の教育目標を実現するモデル校作りと忖度して破格値引きなどの協力をしていたのだ。
 
 これはマスメディアの報じるところとなり、国会で野党が厳しく追及したことで頓挫したが、政府は3月31日、教育勅語を「憲法や教育基本法に反しない形で教材として用いることは否定されない」と閣議決定し、4月7日、義家文科副大臣は「朝礼で(生徒たちが)朗読しても問題ない」と衆院内閣委員会で答弁した。教育勅語は1948年6月19日「根本的理念が主権在君並びに神話的国体観に基いている事実は、明かに基本的人権を損い」として衆院で排除が決議され、同日、参院でも失効が決議されている。
 
 安倍の改悪教育基本法はともかく、憲法は「主権在民・基本的人権の尊重・平和主義」を根本理念とし、まだ一文字も改悪されていない。この日本国憲法違反として排除・失効を国会が決議しているものを安倍日本会議政府は全国の学校で使ってよい教材とした。その上で、教育勅語の中核理念「有事には天皇国家のために命をささげる、大日本帝国の臣民つくり教育」実現のための筆頭教科であった修身=道徳を「特別の教科・道徳」として教科化し、成績をつけるように学習指導要領を改悪した。
 
 さらには、明治以来敗戦まで白兵戦での殺人技術であった銃剣術(1940年、アジア太平洋戦争1年前に「銃剣道」)を、学習指導要領は中学体育の「武道」の中に明記した。166cmの木銃(旧軍の「三八式歩兵銃」に銃剣を装着した全長)で相手の喉と左胸への「刺突」訓練をする「武道」を安倍首相は「大きく、子どもたちを変えていくことになる、と期待している。」⁉…「戦争する国」を支える臣民つくりを目標とする教育!?
 
 今、日本全国の学校が「森友学園」化するかもしれない恐ろしい事態になっている。しかし、諦めたら終わりだ。もしも、ただ一人の木村真豊中市議が財務省に情報公開請求をしなければ、今頃は安倍首相夫人を名誉校長とする日本会議推奨の「愛国」小学校が華やかに開校していただろう。

 どこでも、一人でも、違憲・違法・不当不正なことに対しては「これは間違っている」と声を上げていこう!