都教委よ、「実教出版教科書(日本史B)の選定禁止」通知を取り消せ!

皆さま
 こんばんは。増田です。長文ご容赦を!
   東京都学校ユニオンの月末恒例都教委糾弾ビラまきは、今月は本日、本当の月末(笑)に都庁前で配布しました。  都教委は6月23日の定例会で来年度使用の高校日本史教科書について「(国旗・国歌に関して)一部の自治体で強制の動きがある」という記述が無いことを確認したので実教出版『高校日本史A 新訂版』は学校における選定に当たって他の教科書と同じ扱いとする。実教『日本史B』は改訂されていないので、見解に基づき、校長の責任と権限のもと、適正に教科書選定を行うことを内容とする通知を発出する。」と決定しました。  国旗・国歌強制の「一部の自治体」の最先端を暴走している自覚のある都教委は、とにかく、教科書に「強制」という文字があると拒否反応を示すのでしょうね…  実教出版は日本史Aについては都教委が定例会で認めたように『国旗・国歌強制』という文言を削除しましたが、本文に「また教育現場に日の丸掲揚、君が代斉唱を義務づけることに対する反対運動もおきた。」と明記しています。都教委は、とにかく「『国旗・国歌』強制の自治体がある」という、都教委の気に入らない文言が削除され無くなったので嬉しくなっちゃったようで、教師に「この教科書も選んでいいよ」と、のたまうわけです。「でも、日本史B には、相変わらずその文言があるから、選んじゃダメだよ」と…  教科書を選ぶのは、生徒たちを教える教師です。どの教科書を使うかは教育活動・内容の一環です。教育委員たちの好み…実際は行政事務局の好み…で、文科省検定に合格している教科書に対してさえも、教師に対して「この教科書は選んじゃダメね」「この教科書は選んでもいいよ」なんぞと教育活動・内容に干渉するなんて「文明国」のすることでしょうか? **************************** <都教委よ、違法な処分を反省せよ!        「実教出版教科書(日本史B)の選定禁止」通知を取り消せ!>   ☆ 最高裁、「国旗・国歌」起立・職務命令違反での加重処分は違法と断罪!!  時事ドットコムニュースは以下のように報じました。   卒業式での君が代斉唱時に起立しなかったことを理由に停職処分を受けた東京都の公立学校の元教員2人が、都に処分取り消しなどを求めた訴訟で、2人の処分を取り消し、都に計20万円を支払うよう命じた二審東京高裁判決が確定した。最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)が、5月31日付で都側の上告を退ける決定をした。(2016/06/01-17:45) http://www.jiji.com/jc/article?k=2016060100709&g=soc この確定判決の中心は、以下です。 「都教委は…職務命令違反として、1回目は戒告、2回目は給与1月10分の1を減ずる減給、…6回目は停職6月の各処分を行っており、このような機械的な運用は、もともと機械的に一律に加重処分して処分を行うことには慎重な検討を要請していた本件国会審議答弁における各答弁内容や本件処分量定を定めた趣旨に反するものといわざるを得ない。」   「教員にとっては、自らの思想や信条を捨てるか、それとも教職員としての身分を捨てるかの二者択一の選択を迫られることになり…日本国憲法が保障している個人としての思想 及び良心の自由に対する実質的な侵害につながるものであり、相当ではないというべき。」 ☆ 司法は、実教出版の高校歴史教科書(日本史B)の「一部自治体での『日の丸・君が代』の強制の動き」を事実と認定した!  都教委は、この記述が「都教委の考え方と異なるから、教科書として適切ではない」として、高校の先生たちにこの教科書の選定を禁止してきました。   「実教出版教科書問題に関し、違法不当な東京都教育委員会を訴える会」(共同代表: 佐藤昭夫早稲田大学名誉教授、高嶋伸欣琉球大学名誉教授)による裁判で、都教委は「職務命令は合憲」と最高裁で確定していること(「戒告」までは合憲とした)、国会で「教員には職務命令を出すことがある」と政府が答弁したことを、正当性の理由にあげました。しかし、上記の判決確定で、この都教委の二つの言い分は否定されたわけです。   もともと、違反すれば処分される職務命令は「強制」のためのものですが、「思想 及び良心の自由に対する実質的な侵害につながるもの」は「強制」という以外にありません。   ◎教育委員たち(中井敬三教育長・木村孟・宮崎緑・山口香・遠藤勝裕・大杉覚)よ、  違法な処分、通知に対する反省はないのか?  教科書で国旗・国歌「強制」の事実を、生徒に知られたら困るのか?