今まで、図書館に購入リクエストなどをしてくださったからは面白い!? メールが入っています。
「図書館の蔵書リストに載せてやろうと思ってリクエストしていたのですが、地元の川崎市はどうしても市立図書館で買いたくないらしい。借り出してきた本は横須賀市立図書館から借りてきたものでした。光栄ですね、川崎としては危険図書の扱いらしい。」
「茨木市立中央図書館に増田さんの本を一冊を寄贈したいと託したのに『寄贈は受け入れないから引き取りに来い』と連絡があり、引き取りにいきました。維新市長をおもんばかったのかもしれません。」
足立区立図書館に購入リクエストした人も、目黒図書館から取り寄せたものを「貸し出すから来い」と連絡が入ったそうです。
これで、川崎市立図書館、足立区立図書館、茨木市立中央図書館は『昭和天皇は戦争を選んだ!』を危険図書(笑)扱いしている、という光栄に浴している(笑)ことが明らかになりました。「難なく、購入してくれた」という図書館も、もちろん、たくさんあるようですが…
皆様、お時間にゆとりがありましたら、ぜひ、お近くの図書館に購入リクエストを出してみていただけませんか? そこの図書館の管理者の知的レベル(笑)が明らかになるでしょう!
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Book Review
『昭和天皇は戦争を選んだ! 裸の王様を賛美する育鵬社教科書を子どもたちに与えていいのか』増田都子著
<昭和天皇の真姿を暴く>
昭和天皇にこんな歌がある。
思はざる病となりぬ沖縄をたづねて果さむつとめありきを
これを、たとえば山口瞳はこう解釈した。「・・・『たづねて果さむつとめありきを』のつとめは責任ということである(山口『還暦老人 憂愁日記』)。
小説家は勘違いしてしまったのではないか。昭和天皇が自分の戦争責任を自覚していたかのように。現実の昭和天皇には戦争についての反省はいっさい無かった。公文書あるいは側近や親族のメモに残された彼の言動がそれを証明する。本書が挙げるそれら一級史料は、昭和天皇にとって動きのとれない決め手である。
ではあの歌は? 47都道府県のうち沖縄だけには足を踏み入れられなかったのが残念だと言ったに過ぎぬ。しかし山口がしたような勘違いはこんにち広く流布しているだろう。まず戦後すぐ、占領軍マッカーサー司令部が人民革命の防波堤とすべく天皇を利用するため、天皇から戦争責任を解除して一切を東条英機ら臣下におしつけた。そうして戦後70年間、天皇=平和主義者という虚偽宣伝が繰り返されてきた。
これに抗して昭和天皇の真姿を明らかにするのは命の危険を伴った。ついに今日「国民とともに歩んだ昭和天皇」なるウソ八百のコラムを載せた中学生歴史教科書が登場するにいたる。育鵬社版のそれである。
だが現実の昭和天皇は対中でも対米でも開戦に積極的だったし、敗色が濃くなって和平をさぐる動きが出ればそれを拒んだ。そのくせ戦後は戦争責任を頬被りして臣下に押レ付け(マッカーサーとの見事な協働! )、自らの保身のため沖縄をアメリカに差し出すことをマッカ-サ-に持ちかけさえした。かなりのところ絶対君主としてふるまった戦前戦中を 立憲君主だから政治に関与しなかったとごまかす一方で、戦後も新憲法に規定された象徴としての範を超えて政治に口出していたのである。
本書の著者は中学の社会科教師だったが、育鵬社版の前身たる扶桑社版歴史教科書の歴史偽造を教室で暴いて石原都政下の都教委によって2006年、不当にも分限免職処分を受けた。天皇崇拝によって子どもたちの目まで曇らさせないために、なお意気軒昂に勇気ある闘いを続げている。【土田宏樹】(社会批評社刊・2200円+税)
Amazonへのリンク: https://www.amazon.co.jp/昭和天皇は戦争を選んだ!-増田都子/dp/4907127146
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