育鵬社教科書問題をフジHD株主総会で追及 6/25

皆様

こんばんは。増田です。これはBCCでお送りしています。重複・長文、ご容赦を!

 本日はフジ・メディア・ホールディングスの株主総会でした。フジHDは、問題の教科書を発行している育鵬社の親会社である扶桑社の親会社です。ややこしいのですが、子会社の扶桑社教科書が、あまりに評判が悪かったので、教科書だけの発行会社を日枝会長の肝いりで作ったのだと思います。要するに責任を問われないように「孫会社」にしたのではないでしょうか。

 それで、扶桑社は、もちろんのこと、育鵬社についても経営内容は非公開ですから、フジHDがこれらの会社の責任を負っています。そこで、10年ぐらい前でしたが、なけなしのお金をはたきまして(笑)、一株株主となり…今は、なんとか分割(笑)とやらで100株株主…1年に1回、株主総会に出て、扶桑社教科書・育鵬社教科書問題で日枝久会長を追及しています。

 ところが、以下のような質問状…本当はもっと多いですけど…を前もって、出していたのに、他の質問については「こういう質問がありました」と大きなテレビ画面に字幕を出して説明し、一応の回答をしたにもかかわらず、私の質問状には一切、触れませんでした。よほど、日枝会長や経営陣には痛いものなのでしょう。

 そこで、会場質問で手を挙げ、以下の内容だけは追及しました。拙著『昭和天皇は戦争を選んだ! ――裸の王様を賛美する育鵬社教科書を子どもたちに与えていいのか』を、振りかざしながら…少しは宣伝になったかな(笑)…

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「株式会社フジ・メディア・ホールディングス第74回定時株主総会に対する質問」 

 私が、前もって提出した質問状に一切、答えないのはなぜですか? 数年前は私の質問状も、テレビ画面に出して説明していました。日枝会長、質問には、ちゃんと答えてください。

○ 育鵬社設立をめぐる疑惑、及び扶桑社・育鵬社の教科書内容について 

 藤岡信勝さんは、月刊誌(『自由』)の中で育鵬社設立について書いています。

『屋山氏が安倍総理に電話して、『扶桑社が教科書をやめるということになった。これは大変困る。何とかしてくれないか』と頼んだ。安倍総理から、『誰に言えばいいのか、誰がポイントなのか』と聞かれたので、『それはフジサンケイグループ会長の日枝さんだ』と答えた。それで、安倍総理が、日枝さんに働きかけた。屋山氏が安倍総理に電話して一夜明けた翌日には返事が来て、日枝さんが三億円出すことになった。扶桑社の子会社として育鵬社というのをつくって。』

 これについては第67回以降、常に「事実無根」と回答しながら、「多忙なので、いちいち、法的措置を講じていられない」と答弁しています。しかし、これは、日枝会長の名誉に関わる問題であり、なにもしないということは、ふつう、世間では日枝会長自身が、これを事実と認めていると受け取ります。

@「日枝さんが三億円出すことになった。」と明記されている。日枝会長は、ポケットマネーでポンと「三億円」もの金を出されたのですか? どういうお金なんですか?

A 安倍首相も「村山談話などを踏襲する」といわざるをえない状況です。

 本年6月7日付読売新聞朝刊一・二面に、北岡伸一・国際大学長による「戦後70年談話」についてが載りました。「侵略には定義がないから、日本は侵略したとは言えないという人がいる。これは全くの誤りで、侵略には辞書的な定義はある。他国に軍隊を送り込み、人を殺傷し、財産を奪い、その他、主権を制限することである。政治学でも歴史学でもほぼ同様である。国際法においてもあいまいな部分はあるが、おおよその定義はある。そして日本は明らかにこれに該当する行為を行っている。」「(19)30年代の日本は軍事的発展主義に転じ、戦争違法化の流れに逆行した。植民地統治も過酷化した。」

 日枝会長と同じく安倍首相の「お友達」の北岡先生も、こう主張しています。これが、国内外の常識的歴史認識であるからです。また、この北岡先生の主張を一・二面に掲載したことは、読売新聞社の認識といってもいいでしょう。現在は、育鵬社歴史教科書の執筆者や、当社経営陣の「考え方」は、国際社会において通用しないことを、もう、いい加減に認識したらどうですか。

 当社は、安倍首相同様、アメリカをはじめとする国際社会の批判を受け入れて、日本の「植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました」という歴史認識を受け入れるか、明らかにしてください。

B  扶桑社歴史教科書時代もそうですが、この育鵬社歴史教科書も数々の事実誤

認を事実とする、真っ赤なウソの記載があります。一例だけ挙げます。

 私が書いた、この『昭和天皇は戦争を選んだ!――裸の王様を賛美する育鵬社

教科書を子どもたちに与えていいのか』において明らかにしたことです。

 育鵬社歴史教科書は「東条内閣は…(対英米)開戦を決断しました。」などと記載しています。これは扶桑社教科書時代から続いています。でも、臣下が対外戦争の開戦を決断することなどは明治憲法下では出来ることではありません。これは少しでも明治憲法の知識及び歴史常識があれば自明です。日枝会長は明治憲法をご存じないのですか? 輔弼者は補佐であって、決定権はありません。開戦も戦争を終わら

せるのも天皇が決定するんです。

・当社経営陣は「別法人であり、孫会社のことは、その会社に任せてある」と答弁されますが、この教科書を読んだことがあるんですか?

・去年、和賀井社長は「文科省の検定に通っている」ことを理由に「問題ない」と回答されましたが、文科省の検定の杜撰さには定評があることをご存じないのですか?

 扶桑社歴史教科書は、明治維新の「維新」について、王政復古令に「維れ新たなり」という文言があるところからきている、などと記載していましたが、真っ赤なウソです。王政復古令には、そんな文言は全くありません。ちょっと、王政復古令を読めば、

明らかなことです。

 ところが、呆れたことに文科省は、これを何年にもわたり、見逃して、こんな真っ赤なウソを事実として教科書に記載することを認めていたのでした。何度も指摘されて、やっと扶桑社はその誤りを認めざる得なくなり、新しい版からはこっそりと、この記載を削除しました。しかし、こんなウソを書いた教科書を使った生徒たちには、一切、訂正をしませんでした。まじめに学習して、この扶桑社教科書のウソ記述を事実として身につけた生徒たちは、将来、恥をかくことになるでしょう。

 「教科書に書いてあったから、本当だ」と、信じ込んでいるでしょうから。

 教科書に、このような真っ赤なウソを事実として記載していることに対して、文科省が検定を通したことは大問題ですが、そもそも、育鵬社は日枝会長自身が関わって設立された会社です。こんな真っ赤なウソを記載している教科書の発行を続けていることに対して、日枝会長自身、どのように責任を取られるか、明らかにしてください。

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 答えたのは日枝会長ではなく、太田社長でした。彼はフジTV視聴率の激低下(笑)で詰め腹を切らされてフジTV社長を首になり、ま、それでも、6月から産経新聞の会長になる模様ですが…非常に簡単なお答えでした。つまり、全く、無責任そのもの…

1、育鵬社と日枝会長は、全く関係がありません。

2、ご高説をうかがっていますと『ウソ』とかなんとか、何度も言われたようですが、業績を上げていますから(問題ではありません)。

3、孫会社の経営は、そこに任せていますから(問題はありません)。

 こんな無責任な人たちが、国の歴史を偽造して「事実」として教える教科書を作り、子どもたちに押し付け続けるのです。

 それにしても、日枝会長のボーナスが2千万円!? には、目が点でした…年間報酬は17千万円とか…