「慰安婦問題」神奈川新聞と朝鮮日報記事 8/6

皆様

 こんばんは。増田です。

 8月3日付神奈川新聞の記事は、国連自由権規約委員会による「慰安婦」問題での日本政府への厳しい勧告・・・人権の何たるかを知っていれば、当然の勧告だと思いますが・・・について、たいへん、的を射た(射抜いた!)記事だと思います。朝日新聞攻撃に血道を上げている産経新聞記者諸氏には、ぜひ、熟読玩味(笑)してほしい記事です。

 また、8月4日付朝鮮日報記事はアメリカの「慰安婦」少女像建立1周年について、「米国社会に旧日本軍の慰安婦に対する蛮行を知らしめ、普遍的な女性の人権の象徴となった。」こと、産経新聞記者諸氏が「正義の行動」と激賞しながら報道する「日本の極右勢力に」よる「妨害工作はかえって逆効果だった」ことを説得力をもって、報道しています。

 「日本の極右勢力に」よる「妨害工作はかえって逆効果だった」ことは、神奈川新聞記事にも出ていますが、はるばる、ジュネーブまで出かけて、日本政府の恥さらしな「慰安婦は性奴隷ではない=売春婦だ」という主張に拍手を送ったために、議長から「人権侵害の被害者を辱めるような拍手は適切でない」とたしなめられた日本人女性たち・・・なんとかという花には迷惑な(笑)名前を持つグループらしいです・・・いたようです。これぞ、国辱ものでは?

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140728/plc14072807580003-n1.htm

 ここでは件名記事の一部を抜粋しますので、ぜひ、URLをクリックして、全文をご覧ください!

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神奈川新聞

「時代の正体 歴史認識は今 慰安婦問題:国際社会の視線厳しく」

2014.08.03

http://www.kanaloco.jp/article/75672/cms_id/94640 

■矛盾

 河野談話を継承するとしながら、強制連行を否定する日本政府の態度に、委員会のナイジェル・ロドリー議長は「強制連行されたのではないと言いつつ、意思に反していたという認識が示されている。これは理解し難い」と痛烈に批判した。勧告では「締約国の矛盾する立場に懸念を表明する」とした上で、「被害者の意思に反して行われた行為は、いかなるものであれ締約国の直接的な法的責任を伴う人権侵害とみなすに十分である」と断じた。

 問題の核心は女性への人権侵害であること。慰安所は軍の要請で設置され、設置、管理、慰安婦の移送に軍が直接間接に関与している以上、強制連行がなくとも、軍と日本政府の責任は免れないことを強調したものだ。

 次に委員会が問題視したのが、一部政治家らによる事実と異なる「慰安婦はすべて売春婦だった」といった発言だ。「公人や締約国の曖昧な態度によって助長されたものを含め、元慰安婦の評判に対する攻撃によって、彼女たちが再度被害を受けることにも懸念を表明する」とした。

 国際社会が女性の人権保障と、女性への人権侵害の救済に懸命に取り組んでいる中で、慰安婦をめぐる日本政府の対応や一部政治家の発言などは、委員会に強い不信感を与えた。

■勧告 

 こうした視点から勧告では、6項目について「即時かつ効果的な立法的及び行政的な措置をとるべきだ」とした。

 各項目は(1)戦時中、「慰安婦」に対して日本軍が犯した性奴隷あるいはその他の人権侵害に対するすべての訴えは、効果的かつ独立、公正に捜査され、加害者は訴追され、そして有罪判決が下れば処罰すること(2)司法へのアクセスと被害者とその家族への完全な被害回復(3)入手可能なすべての証拠の公開(4)教科書への十分な記述を含む、この問題に関する学生と公衆の教育(5)公式な謝罪の表明と締約国の責任の公的な認知(6)被害者を侮辱、あるいは事件を否定するすべての試みへの非難−となっている。

 日本は規約締約国として勧告を順守する努力義務がある。日本政府と日本社会の対応が問われている。

「性奴隷」否定を一蹴

 慰安婦、慰安婦制度は国際社会で「sex slave」(性奴隷)、「sexual slavery」(性奴隷制、性的奴隷状態)との認識が広がっているが、今回の審査で日本政府は「性奴隷という表現は不適切」と主張した。外務省人権人道課は「国際的な公の場で正面から取り上げたのは初めて」という。

 結果は、勧告の慰安婦問題の項目名が「Sexual slavery practices against “comfort women”」(「慰安婦」に対する性奴隷慣行)となるなど、日本政府の主張は受け入れられず、委員会、国際社会のはっきりした認識が示される形になった。

 日本政府の主張は「慰安婦制度があった当時の国際法上、奴隷制度の定義としては奴隷条約(1926年)の定義が一般に受け入れられていた。しかし、慰安婦が第1条の『その者に対して所有権に伴ういずれか又はすべての権限が行使されている者の地位又は身分』にあったことは確認されていない。慰安婦制度を当時の国際法上の概念としての奴隷制度と称することは不適当」というものだった。しかし、「委員との論争にはならず、法的な議論にも至らなかった」(同課)という。

 日本政府の主張について人権問題に詳しい元アムネスティ日本事務局長で東京経済大講師(国際人権論)の寺中誠さんは「政府の主張は形式論。一蹴されたのは当然」と話す。

 「98年に出された国連のマクドゥーガル報告が、奴隷条約やジュネーブ諸条約に立脚し、他人に支配されて性的行為を強要される状態が、国際法上の『奴隷制』であり禁止されていることを論証した。これが性奴隷制。奴隷条約自体も戦後、債務奴隷を含む形で理論的にも展開された」と指摘する。

 現代において性奴隷制、性的奴隷状態の概念は、女性の人権を救済するために幅広い内容を含むものに発展している。実定国際法では98年の「国際刑事裁判所に関するローマ規程」(日本は2007年批准)が人道に対する犯罪として「性的奴隷状態」を初めて明文化。旧ユーゴ、ルワンダ、コンゴでの事件に関する国際裁判などを通じて、レイプセンターや慰安所への女性監禁はもちろん、強制的な性的活動を強いる強制結婚なども性的奴隷状態だとの判断が示されている。

 今回の審査では、日本政府の主張の際に一部日本人が支持を表明するため拍手をしたという。ロドリー議長は総括発言でこの行為について「人権侵害の被害者を辱めるような拍手は適切でない」と非難した。審査を通じて、日本の人権状況の問題があらためて浮き彫りになっている。

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【朝鮮日報 2014.08.04

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/08/04/2014080401247.html?ent_rank_news 

【コラム】米「少女像」1周年、韓国系住民が得たもの

 グレンデール市は少女像の除幕式と共に730日を「慰安婦の日」に制定した。この日は2007年、米下院議員で日系3世のマイク・ホンダ議員=民主党=の主導で「慰安婦決議案」が可決された日でもある。

 この1年間で少女像は米国社会に旧日本軍の慰安婦に対する蛮行を知らしめ、普遍的な女性の人権の象徴となった。グレンデール市を選挙区とするアダム・シフ議員=民主党=はもちろん、ホンダ議員や下院外交委員長のエド・ロイス議員=共和党=など慰安婦問題に関心を持つ大物政治家たちが「聖地」を巡礼するかのようにこの少女像を訪れ献花している。

 当然、日本の極右勢力にはこの少女像が「目の上のたんこぶ」だった。こうした勢力は少女像を撤去するためさまざまな手段を取った。日本の右翼政治団体「慰安婦像設置に抗議する全国地方議員の会(英語名:捏造〈ねつぞう〉された歴史に反対する日本政治家連合)」所属の地方議員11人が少女像撤去を要求するデモを行い、グレンデール市長との面会を要求して断られた。また、「歴史の真実を追求するグローバル連合」という日系団体はグレンデール市を相手取り、少女像の撤去を求める訴訟を起こした。

 しかし、日本側の妨害工作はかえって逆効果だった。慰安婦についてよく知らなかった一般の米国人たちも「いったい日本はなぜこのような騒動を起こしているのか」と慰安婦問題に関心を持つようになり、歴史上の真実を知った後はおのずと日本の蛮行を糾弾し始めたのだ。ニューヨーク・タイムズやNBC放送といった米国の主なメディアも「少女像は第二次世界大戦時、帝国主義の日本が韓国や中国などアジアの女性を性奴隷としてじゅうりんした歴史を示している」という特集を報じた。

 日本の度重なる「まずい手」のおかげで、米国の韓国系コミュニティーは中国などほかの移民社会の支持という「思いがけない実入り」もあった。中国系市民連合やアルメニア全国委員会などの移民者団体が「少女像撤去訴訟はドイツがナチスの歴史をかばい、米国内のホロコースト博物館の撤去を要求するようなものだ」という声明を発表、少女像の保存に賛同したのだ。この声明には、日系アメリカ人市民連合や日系共同会など良心的な日系人団体も参加している。