佐藤様 Re: 映画「ハンナ・アーレント」の書評の紹介 4/4 |
佐藤袿子様 こんばんは。増田です。 > 東京都教育委員会の様子を伺っていて、この映画の書評を思い出しました。 > 個人の考えというものが無くただ組織の決定に従っていると、こういうことに > なるんだなと、教えられました。 > 全く、同感です! 最近、元エリート裁判官だった瀬木比呂志氏の『絶望の裁判所』(講談社現代新書)を読みまして、裁判官も都教委並みで、権力者の「精神的奴隷」である…マスダ節で言えば「イヌ裁判官」(笑)ってことです…理由が、よ~~っく、理解できました。私の数々の裁判体験から、ウスウス(笑)は感じていたんですけど… この書物はオススメです! しかし、『絶望の裁判所』であることは分かっていても、ここ以外には人権侵害の救済を法的に求める場所はないのですからねェ… > 増田都子さんにお願いです。 > 先日は「サンフランシスコ条約と安保条約」の学習会に参加させていただきありがとうございました。 > こちらこそ、遠くからのご参加、ありがとうございました! > いまだに復習をしきれていなくて心苦しいですが、戦時中の罪で、GHQに拘束されていた警察官僚(?)が、 > いつごろどういう理由で、戦後の支配階級の中に復帰したのでしたか、そこのところを >申し訳ありませんが、再度教えていただけませんか? おねがいします。> それは、「公職追放」のことですね。(「戦時中の罪」といいうことなら、戦争犯罪のことでしょうが、それで、「GHQに拘束されていた警察官僚」というのは、いないのではないでしょうか?) 以下に説明しますので、ちょっと長くなりますが、ご勘弁を! *「公職追放」はWikiが手っ取り早いでしょう…Wikiにも真っ赤な嘘がシャーシャーと記述されている場合もありますので、要注意ですが、これは、まぁまぁ(笑)です。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E8%81%B7%E8%BF%BD%E6%94%BE まず、GHQはポツダム宣言第六項「日本国国民ヲ欺瞞シ之ヲシテ世界征服ノ挙ニ出ツルノ過誤ヲ犯サシメタル者ノ権力及勢力ハ永久ニ除去セラレサルヘカラス」を実行すること=日本の民主化・非軍事化のために、1946年1月4日付で「公務従事に適しない者の公職からの除去に関する件」を日本政府に指令します。 戦争犯罪人 陸海軍の職業軍人 超国家主義団体等の有力分子 大政翼賛会等の政治団体の有力指導者 海外の金融機関や開発組織の役員 満州・台湾・朝鮮等の占領地の行政長官 その他の軍国主義者・超国家主義者 ということで、戦前の特高警察関係の「警察官僚」も、「公職」から「追放」された訳なのですが、実際には『告発―戦後の特高官僚―反動潮流の源泉』(柳河瀬精 日本機関紙出版センター刊)によりますと、「戦後、約5000人が公職追放となり、特高課配属の下級警察官は職を失いますが、特高官僚は『休職』扱いで多くが復権、要職に」ということです。 *「いつごろか」について…「変革のアソシエ」学習会で使った年表資料を、まず、ご紹介します。 1950年 5月 3日 マッカーサー、共産党非合法化を示唆 6月 6日 同、 共産党中央委員全員24名の追放を指令 25日 朝鮮戦争勃発 26日 天皇、ダレスに口頭メッセージ(豊下楢彦『安保条約の成立』岩波新書) 「(※講和条約が取り決められる以前に)日本の国民を真に代表し、永続的で両国の利害にかなう講和問題の決着に向けて真の援助をもたらすことのできる、そのような日本人による何らかの諮問会議が設置されるべきであろう」 7月 7日 国連安保理、米軍25万人中心に英・豪など「国連軍」結成 8日 マッカーサー、( )隊の創設を指令 9月 1日 閣議「レッドパージ」方針を決定 10月13日 GHQ、第一次追放解除10900名 11月 8日 重光葵、追放解除 10日 旧軍人3297名、追放解除 1951年 1月 1日 マッカーサー年頭声明「講和と日本再武装の必要性」 6月20日 第2次追放解除2958人 8月 6日 正力松太郎、鳩山一郎など1390人、第3次追放解除。 15日 米英両国による講和条約最終草案、発表 16日 旧軍人11185人、追放解除 25日 安保条約最終案文確定 27日 天皇・リッジウェイ第2回会見 天皇「もちろん、国が独立した以上、その( )を考えることは当然の責務であります。問題はいつの 時点でいかなる形で実行するかと言(ママ)うことになるかと思います」 28日 吉田「サンフランシスコへ出発をひかえて」内奏 9月 8日 対日平和条約、日米安保条約調印、特高関係3336人追放解除 18日 天皇・リッジウェイ第3回会見 天皇「有史以来未だ嘗て見たことのない公正寛大な条約が締結せられた・・・日米安全保障条約の成立も日本の防衛 上、( )すべきことである」 1952年 3月27日 天皇・リッジウェイ第4回会見 4月28日 講和条約発効 同日「公職に関する就職禁止、退職等に関する勅令等の廃止に関する法律」施行 ( =安倍晋三の祖父)ら、残った5500名の追放解除 *「どういう理由で」について…以上の「いつごろか」を年表で確認しましたら、この解が見えるのではないでしょう か? 冷戦の進行・朝鮮戦争の勃発の中でGHQ=アメリカは、日本をアメリカの戦争のための兵站基地にし、アメリカのための下働き用の軍事化をすることが国益となりました。したがって、それに反対し民主化・非軍事化=平和を望む日本人は邪魔になってパージ(「レッド・パージ」)します。 それは、昭和天皇をはじめとする日本の支配層には願ってもないことだったので、この「逆コース」を大歓迎したわけで、戦前・戦中の国家主義者・軍国主義者たちが、戦前・戦中の行為についてなんの反省もなく、日本国憲法の下で日本国家の中枢を乗っ取っとり、日本国憲法を抹殺するための政治を着々と進めてきたわけです。 安倍晋三のジイさんの岸信介なんか、その典型です。そして、「警察官僚」で言えば、今回の秘密保護法を推進した町村信孝さんのオヤジさんの町村金五なんかは、特高の元締め内務省警保局長として「横浜事件」をでっち上げ、拷問で多くの人を弾圧しながら、雑誌『改造』『中央公論』を廃刊に追い込んだヤツ(笑)です。 当然ながら、「公職追放」されてましたが、公職追放が廃止されて復活し、国会議員様にお成り遊ばし、その地盤を息子に継がせたわけです。 *おまけ(笑)…ネットで読める『しんぶん 赤旗』の記事を以下、紹介しますhttp://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-02/2013120202_02_1.html 暴走政権の戦犯・特高人脈秘密保護法案推進派 安倍政権、自民党が強行へ暴走している「秘密保護法案」。その推進の陣容を見てみると、日本の侵略戦争で戦犯容疑者となった政治家や特高(特別高等警察)官僚の息子や孫、娘婿が目立ちます。 安倍晋三首相の祖父は、太平洋戦争開戦時の東条英機内閣で商工大臣を務め、東京裁判でA級戦犯容疑者とされた岸信介氏。岸氏は戦後、首相として治安維持法の「予防拘禁」制度の復活(警察官職務執行法改悪)をくわだて、国民の批判を浴びて撤回に追い込まれた人物です。日本への核兵器持ち込みを認めた日米核密約の当事者である祖父を安倍首相は、秘密保護法の闇に隠そうとしています。 自民党インテリジェンス・秘密保全等検討プロジェクトチーム座長の町村信孝元官房長官の父親は、特高警察を指揮した内務省警保局長を務めた町村金五氏。特高警察は、治安維持法のもとで作家の小林多喜二を拷問の末に虐殺した弾圧機関です。 さらに、参院国家安全保障特別委員会委員長の中川雅治氏(自民)の義父は、鹿児島県特高課長を経て戦後、警視総監、参院議長となった原文兵衛氏。町村氏とも親戚関係にあります。中川氏は国会のルールを無視して理事会開会中に委員会の開会を強行するなど、強引な議事運営でひんしゅくを買っています。 こうした戦犯・特高人脈は、「秘密保護法案」の源流を象徴しています。 (繁) *えいっ!? 長々しついでに(笑)大サービス! もう一個、オマケ(笑)します。 アメリカ(兵)の盾として日本の自衛隊員を提供するために集団的自衛権を推進している高村正彦・自民党副総裁のオヤジさんの高村坂彦は内務省の警察官僚として鳥取・香川・新潟の特高課長をし、平和を求める人たちを弾圧・拷問していました。
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