11/14中野アソシエ「育鵬社教科書は『東京裁判』をどのように歴史偽造するか」のご案内 11/09

皆様
 こんばんは。犯罪都教委&1悪都議(2悪はすでに消滅)と断固、闘う増田です! これはBCCでお知らせしています。重複、長文、ご容赦を。

 毎月第2木曜日、「育鵬社『歴史偽造』中学歴史教科書を読みながら、真実は何か?」を考える近現代史講座です。11月は以下の内容で行います。

*日時:11月14日(木)19:00~21:00 

*場所:東京中野・協同センターアソシエ 
 東京都中野区中野2−23−1 ニューグリ−ンビル301号       
 中野駅南改札口 新宿に向かって線路沿い徒歩2分 電話  03−5342−1395 

*参加費:1000円

*テーマ「占領下の日本と東京裁判」

*内容
 「歴史偽造」主義の「扶桑社の教科書事業を継承」(育鵬社HP)した育鵬社歴史教科書ですから、当然ながら、ほとんど全部に「らしさ」が満載ですが、特に、今回の「東京裁判」について、一頁をまるまる使った力の入れ用はすごい(笑)です。

 一例をあげますと、「裁判は、戦争指導にたずさわった政治家や軍人を、侵略戦争を行った『平和に対する罪』で裁こうとするものでした。」(P232)って!? 

「東京裁判」は、戦争犯罪人たちを確かに「平和に対する罪」で「裁こうとするものでした」が、「通例の戦争犯罪・人道に対する罪」でも「裁こうとするものでした」という、イロハのイの歴史事実が、無かったことになっています。

 松井石根は、「平和に対する罪」は無罪でした。彼は南京大虐殺を知っていながら、司令官として止めなかった不作為の罪で「通例の戦争犯罪」違反を問われ死刑とされたのでした。こんな基本的事実を、この教科書の製作者が知らないはずはないと思いますが…

 もう一例をあげますと、「5カ国の裁判官は少数意見を提出しました。」と記述しながら、岸信介ら日本右翼と親交を結び、靖国神社に大きな写真入り顕彰碑のあるパール判事が「全被告を無罪とする意見を述べています。」ということのみ紹介します。

 どうして、ウエッブ裁判長の「戦争開始には天皇の権威が必要であり、もし、天皇が戦争を欲しなかったのであれば、天皇は当然その権威を留保すべきであった。天皇が裁判から免除されたことは疑いもなくすべての連合国の最善の利益に基づいて決定されたものである。」という意見は紹介しないのでしょうね? 

 また、パール判事を持ち出すなら「本件において提出された証拠に対し言い得るすべてのことを念頭において、宣伝と誇張をできる限り斟酌しても、なお残虐行為は日本軍がその占領したある地域の一般民衆、はたまた、戦時俘虜に対し犯したものであるという証拠は圧倒的である。」(「パール判決書(下)」 東京裁判研究会 講談社学術文庫 P566)は、なぜ、紹介しないのでしょう?

 文科省学習指導要領「第2章 各教科 第2節 社会」の「第1 目標」の書き出しは
「広い視野に立って,社会に対する関心を高め,諸資料に基づいて多面的・多角的に考察し」ですよ!? 

 もし、文科省検定官が、まじめに「検定」すれば、狭い「視野に立って」、「あまりに一面的、一角的!?」過ぎる、と検定意見を出さなくては嘘だと思うんですけど…それとも、検定官は育鵬社教科書の検定の時は両目を閉じていた?(笑)

 この教科書は「一方では、世界平和に向けて国際法の新しい発展を示した裁判として、積極的に肯定する意見もあり」と、いかにも両論併記のようにしながら、「肯定する意見」についての内容は皆無です。中学生には「東京裁判の不当性」のみが印象に残るように構成されています。

 さて、真実や、いかに?

 今回も、普通はあまり目のする機会のない原史料を種々取り揃え、「広い視野に立って,社会に対する関心を高め,諸資料に基づいて多面的・多角的に考察」できる(笑)ようにしています。

 御都合のつく方は、ぜひ、御参加ください!