12/17中野アソシエ近現代史講座「育鵬社教科書は『ファシズム』をどう描くか?」12/2 |
皆様 同時刻に我孫子市で派遣している広島平和学習参加の中学生の発表があり、こちらには「参加できないので『資料だけもらってきてほしい』と頼まれた」という参加者の方もいらっしゃったので、用意した資料20部は全部なくなりました。実は「参加者は10名くらいかな? 資料が余ったら、有効利用しよう(笑)」と考えていたんですけど・・・ さて、扶桑社『歴史偽造』教科書の後継教科書である育鵬社の「歴史」教科書を他社の教科書と比較しながら見ていきますので、今度は中野の方にどうぞ、ご参加を! 「資本主義諸国が恐慌に苦しむ中、スターリンの率いるソ連は(中略)計画経済を推し進めました(中略)その成果は着々とあがりました。ヨーロッパでも、政策決定に時間のかかる議会政治や、経済的な不安や貧富の差を生む資本主義よりも、強い国家権力で経済を統制するソ連のようなやり方のほうが効率的ではないかという考えが広まりました。 そして、この考えが個人の権利や自由を制限してでも、国家や民族の目標を優先しようとする全体主義の動きにつながりました。1922年、イタリアでは国民の不満を背景に、ムッソリーニ率いるファシスト党が政権をにぎり、やがて独裁をはじめ」(P204) いやはや、毎回毎回、唖然とさせられる記述です。「ソ連の計画経済の成果があがるのを見て、ヨーロッパでも・・・『ヨーロッパの誰が?』という主語が有りません・・・ソ連のようなやり方が効率的という考えが広がり、そして、この考えが全体主義の動きにつながり、1922年、イタリアではムッソリーニのファシスト党が政権を握り、独裁をはじめた」????? こういうのを「無っ茶苦茶」と言わずして、何を言いましょうか?(笑) 「ソ連の計画経済」の第一次五カ年計画は1928年ですよっ! まだ片鱗も見せていない「ソ連の計画経済の成果」を1922年に見たムッソリーニが、「ソ連のようなやり方のほうが効率的ではないか」という考えになり、全体主義のファシズム政治を始めた、って????? この教科書の執筆者は、地球を逆回転させ、時間をねじ曲げる術(笑)をお持ちのようです。こういう記述を文部科学省のオエライ検定官は「中学生の歴史教科書に適切」と合格させているのですからねぇ・・・ |