渡部様 東京地裁判決と都知事の尖閣諸島購入問題 5/2 |
渡部様 こんにちは。扶桑社教科書&右翼都議による『歴史偽造』批判を生徒に教えたために、都教委の不当分限免職処分を受け、都教委と闘っている増田都子と申します。 1月の最高裁判決後初めての下級審判決で以上のような判決が出たことは、都教委に対して大きな打撃となったと思われます。 少し浮かれ過ぎではないでしょうか? 最高裁1・16判決が判例となったのですから、近藤順一さんの減給以上の処分が地裁で取り消されるのは、通常の判断力があれば、誰の目にも明らかなことでした。最高裁の判断に合わせるために近藤さんの裁判の裁判長は8カ月近くも判決を書くことを引き延ばして待っていたんですもの・・・1・16判決判例通りに当てはめて判決文が書かれることは火を見るより明らかでした。 あなたが「都教委に対して大きな打撃となったと思われます。」のは自由だとしても、客観的には全く、それは、あなたの願望以上のものではなく、都教委にとっても十二分に予想されたことについて、私は「都教委に対して大きな打撃となった」などとは全く「思われま」せん。 「再発防止研修」を強化し免職の道を探ろうとしている訳ですが、「戒告」どまりの処分で「免職」をさせるなどということはたとえ「再発防止研修」を強化しても、 あなたは、私・増田の「免職」処分について、全く御存じなかったようですね? 私は05年8月末に「戒告」処分を受け、9月1日〜現場外しの「懲罰長期研修」を強制され、「反省」を強要されました。私は「反省すべきは、『歴史偽造』の扶桑社教科書を生徒に強制している都教委であって、私ではない」と当然の主張を行い、06年3月31日、分限免職処分を受けました。 あなたが「『戒告』どまりの処分で『免職』をさせるなどということはますます困難になると思われる」のは御自由ですが、現実には、とうの昔に「『戒告』どまりの処分で『免職』をさせるなどということは』容易に行われていました。あなたは、この事実を御存じなかったようですけど・・・ なぜならそれは「思想・良心の自由」の直接的な否定となることは明らかだからです。また、そのようなことをすれば、 あなたの上記したような、事実に反する、或いは事実から目を背けていらっしゃるのかしら?・・・希望的観測が出るのは、「分限免職」処分の意味が理解できていないからではないでしょうか? 1・16最高裁判決は「『日の君、不起立』の減給以上の処分は無効」と言っているだけ・・・ですよ。「研修させても反省がない、公務員適性がない」と、都教委・・・大阪もありますから「処分権者」としましょう・・・処分権者に判断されれば「分限免職」にすることは容易なことです。 そして、この場合の裁判においては、「1・16判決は射程外」です・・・「法体系そのもの」にも「或いは最高裁判決そのもの、にも反する行為」という判断を司法がすることは無い、と私は断定してもいいです。なぜなら、これは、事案の性格が全く異なるからです。1・16判決は『適格性』を問題とする「分限免職」についての判断ではないんですもの。 この後東京ではまだまだ下級審が残っていますから次々に同じような判決が出てくれば、事態は少しずつ動いてくる可能性があります。 渡部さんが、どのように「事態は少しずつ動いてくる可能性」を「思われ」ていらっしゃるか、よく分かりませんけど、「この後東京ではまだまだ下級審が残っていますから」、当然のことに「10・23『日の君、立てよ歌えよ』強制通達は合憲・合法、したがって、戒告処分は合憲・合法。しかし、減給以上は単にジッと座っていただけの『不作為行為』に対しては社会通念に反し重過ぎるから取り消し。ただし、根津さんのように『秩序破壊的行為』たる作為を公然と行ってきた者には停職も当然」という「次々に同じような判決が出てく」ることでしょう。 しかし、そんなもので、「事態は少しずつ」・・・たぶん、ここには「いい方向に」という文言が欠落したのだろうと思いますけど・・・「動いてくる可能性があります」などと、希望的観測でものを言う(書く)のは止めた方が良いでしょう。 私は「最高裁1・16判決」について、まるで勝訴判決でもしたかのようにハシャいだ人たちに「そんなに喜んでいいのかしら?」とは思っていますけど、もちろん、処分権者にとっては「少々の打撃ではあった」とは思っています。 しかし、この判決について、過大評価はするべきではないと思われます。 |