皆さま
　こんにちは。増田です。

以下、「差別と偏見」から自由になることがいかに難しいか、名古屋の「善意」の方との往復メールのほんの一部をご紹介します。MLで私の河村市長妄言への抗議文を読まれて、個人メールで「河村市長発言の時の新聞記事を紹介してほしい」と言われ、毎日新聞記事を紹介しましたら、末尾に

「毎日新聞2012年2月20日　河村・名古屋市長：「南京事件というのはなかった」と発言
　南京事件を巡り河村市長は０９年９月の市議会一般質問でも「一般的な戦闘行為はあったが、誤解されて伝わっているのではないか」と述べたことがある。
　また、名古屋市北区名城の国家公務員宿舎跡地の中国総領事館への売却問題でも、南京市の一行に対し「できれば遠慮していただきたい」と述べ、売却に否定的な見解を示した。」

とあった部分に対して、

＜名古屋の人から＞
「新聞に出ていた名城公園近くの公務員宿舎跡は、私が高校生まで住んでいたところです。今も近くに住んでいる友人は、地元の人が反対している、と言っています。

　差別ではなく、名古屋における中国人の振るまいがひどく、マナーも常識も日本人の感覚からするとないから、近くに来ないでほしい、という理由からだそうです。

　これに関しては、ホテルを経営している人からも、中国人だけは泊まるとすぐわかる、周りに迷惑を掛けてもなんとも思っていないみたいだし、とおっしゃっていましたので、中国側にも問題があると思います。」

＜私の返信＞
　あの〜〜・・・「名古屋における中国人の振るまいがひどく、マナーも常識も日本人の感覚からするとないから、近くに来ないでほしい」ということこそ、立派な「差別」ではないかと、私は思いますけど・・・「今も近くに住んでいる友人」の方は、「名古屋における」全ての「中国人の振るまいがひどく、マナーも常識も日本人の感覚からするとない」ということを実際に観察されたのでしょうか?

　日本人だって「マナーも常識も」「ない」って人、いっぱいいますよね?　現に、私は河村たかしさんもその一人だと思いますが、そういう日本人が外国に行って、そういうふるまいをして、その振る舞いを見たその国の人が「ウチの国の○○市おける日本人人の振るまいがひどく、マナーも常識もウチの国の人の感覚からするとないから、近くに来ないでほしい」と言ったとしても「差別ではない」と、伊賀さんは主張なさいますか?

　それに、その「ホテルを経営している人」の観察だけで「中国側にも問題がある」と断定していいでしょうか?　その「ホテルを経営している人」の観察は絶対に正しくて、全ての中国人に当てはまることでしょうか?　全ての中国人、あるいは、名古屋地域にいる全ての中国人は「周りに迷惑を掛けてもなんとも思っていないみたいだ」と、伊賀さんは主張なさいますか?

　私は、日本人も含め、どこの国の人にも「問題がある」ことは認めますけれども、「問題があるのはは中国人だけだ」というような主張は「差別」そのものだと思いますよ。現に、もしも、その総領事館が、イギリスとか、アメリカとかフランスとかだったりした場合は、「今も近くに住んでいる友人」の方も「近くに来ないでほしい」とはおっしゃらないのではないかと確信します。

　「アメリカ人の子どもたちが、横浜でしたか（横須賀でしたか、忘れましたが）首都圏のある町で道路にロープを張り、自転車で通りかかった日本人の女性を転倒させけがをさせた」というニュースもありましたが、欧米人の場合は、一部のものが「マナーも常識も日本人の感覚からするとない、周りに迷惑を掛けてもなんとも思っていないみたいだ」というような言動をしても、だから、その国の人たちは「近くに来ないでほしい」とは、「今も近くに住んでいる友人」の方は絶対に思わないでしょう？

　私が、「今も近くに住んでいる友人」の方の言を、立派な「差別」ではないか、と思う理由がお分かりいただけたでしょうか?

＜名古屋の人から返信＞
「私が日本にいる中国人だったなら、まず、同胞に行動を改めるよう呼びかけると思います。好き放題やって、異文化なんだから理解しろとか、迷惑をかけられた人から「近くに来ないでほしい」と言われて自分たちの行動を改めずに「差別だ」と声高に言うのはおかしいと思います。もし、行動を改めたうえで、まだ「近くに来ないで欲しい」と言われたら、立派な差別だと思いますが。

　増田先生は、中国人なら、どれだけ迷惑なことをしても、日本人は許すべきで、暖かく迎えなくてはいけないとお考えですか？もし、私の友人が全ての東南アジア人が嫌で、欧米人がいいというなら差別だと思いますが、そんなことも言っていません。曲解ではないでしょうか？」

　私は、この人のメールを読みながら、戦前、アメリカにおいて、日本人排斥運動をした普通のアメリカ人民衆には、同じような日本人に対する感じ方が基礎にあったのではないか、と思いました。もちろん、これは、大日本帝国によるアジア（中国）侵略政策への反感が根本にあったことは理解していますが。