中国人に対する「差別と偏見」から自由になるには? 3/26

 こんにちは。増田です。

 前回の「『中国人』に対する差別と偏見から自由になるには?」について、何人かの方から、御意見をいただきました。作家の彦坂諦さんとのやり取り(>の部分が彦坂さん)を以下にご紹介します。「差別と偏見」を植え付け、洗脳する「社会的な力」が日々、日本社会に働いている以上、一度、身に染み付いた「差別と偏見」から自由になるのは、けっこう難しいものなのでしょうね・・・


ひこさん
 こんにちは。増田です。丁寧な論考、ありがとうございました。いちいち、「うんうん、そうですよねぇ・・・」と、うなずけるご指摘でした。

>このひとが憤激(?)したのは、このひとの友人が、ひいてはそれをまるごと肯定した自分が「立派な」差別者であると見られたとおもいこんだからでしょうね。つまり、このひとは、自分はけっしてひとを差別するような人間じゃないんだって「確信」しているのですね。

>それくらい、たまたまであろうがなんであろうが、自分が体験した(と、じつはおもいこんでいる)ことへの執着は強いし、そこから、論理的にはどんなに飛躍であろうと、導きだした結論(教訓)は根強くそのひとのうちに残ります。

>この種の「おもいこみ」が差別の源泉であることは事実ですが、そういった「おもいこみ」は「理屈ぬき」なので訂正させることがきわめてむつかしい。それに、人間ってやつは、たとえたんなるおもいこみにすぎなくても、なにかと「理屈」をつけて正当化したがる。

 実は、全く、まるで『予言』のような(笑)ひこさんのご指摘で・・・私が、るると『理屈』を開陳したのに対する、この名古屋の方の返信は以下でした。

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外国で、もし、一部の日本人がしたことに対して自分が日本人であることを理由に「近くに来ないで欲しい」と言われたら、私は当然だと思います。私は、そうされても差別だと思いませんし。
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 それで、私は、また、以下のように返信しました。
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 あの〜・・・○○さんが「差別だと思いません」からと言って、「差別」であるものが「差別」でなくなるわけではありません。

 私は、○○さんという方は、全く善意の方で、全く悪意のない方であることを理解しているつもりです。でも、○○さんは「差別とは何か?」という「意味を全く理解されていない」ようです。だから、「私は、差別だとは思いません」から、「差別ではありません」と言い(書き)ながら「差別をする」という、とんでもなく自己中心の主張ができるのです。

「差別」とは、「当該者の責任では無いことを理由に、不当な取り扱いをすること・不当に権利を侵害すること」を「意味」します。

「日本で一部の中国人がしたことに対して、他の中国人を、中国人であることを理由に『近くに来ないで欲しい』と言」うことは全く「当然」ではなく、いくら、○○さんが「私は、差別だと思いません」と言い張っても、それは「差別」以外の何物でもありません。

 なぜなら、「一部の中国人がしたことに対して、他の中国人」には、何の責任も無いからです。「国籍が同じなら、全く無関係な人に対しても責任を負わねばならない」と、○○さんは黙示ながらハッキリと書いていらっしゃいますが、それは無茶苦茶です。

 「一部の中国人がしたことに対して、他の中国人」には、何の責任も無いのに、責任を負わせることは不当です。「一部の中国人がしたことに対して」何の責任も無い中国人に『近くに来ないでほしい』ということは、「不当な取り扱い」以外の何物でも書く、それこそ、迷惑な『自由な通行・居住権』の権利侵害です。「差別」の見本にできるものではないでしょうか?

 私は、○○さんが書かれている主張を読みながら、戦前、アメリカにおいて、日本人排斥運動をした普通のアメリカ人民衆には、○○さんやご友人が「中国人」に対して思われたと同じような、「日本人」に対する感じ方が基礎にあったのではないか、と思いました。「日本人は、私たちアメリカ人と違い、迷惑かけても何も思わないような人たち」だから『近くに来ないでほしい』と・・・もちろん、これには、「南京大虐殺」に象徴されるような大日本帝国によるアジア(中国)侵略政策への反感が根本にあったのですが。

 さて、以下、具体的に書きます。○○さんは、日本の敗戦時、「満州」に捨ててこざるを得なかった日本人孤児を、この上なく「迷惑な」侵略者「日本人」の子どもであるにもかかわらず、育ててくれた中国人の存在をご存知ですよね? 『大地の子』は、涙なくして見られませんでした。

 でも、「一部の中国人がしたことに対して」、○○さんは、日本人孤児の勝男を育ててくれた中国人の陸徳志夫妻に対して『近くに来ないでほしい』と主張されるわけです。これは、「当然だと思います」か? 「差別とは思いません」か?

 実は、○○さんと御友人の「中国人に対する差別と偏見」について考えているときに、もう20年ぐらい前のことですが・・・私の子どもが小学生の時ですから・・・家族で、オーストラリア観光旅行に行った時の出来事を思い出しました。

 夜、海から上がって営巣地に戻るフェアリーペンギンを見るツアーに参加した時のことです。事前にツアーガイドから「写真撮影はしないでください。フラッシュでペンギンの眼が痛みますから」と注意を受けました。フェアリーペンギンは、その名の通り、とても愛らしく、写真撮影できないことを残念に思いましたが、いくつかフラッシュが焚かれました。

 その時、「あれは、中国人よっ」と日本人女性の鋭い声が上がり・・・確か、台湾からの観光客と一緒でした・・・私は「日本人かもしれないじゃないの?」と内心、思いましたが、口には出しませんでした。でも、強い違和感が残り、私の脳細胞に強く刻みつけられましたので、昨日のことのように記憶は鮮明です。

 どうして「悪いのは中国人だ!」と、直ぐ考えるのでしょうか? このオーストラリアの出来事だって、可能性は半々です。最近は尖閣問題で「悪いのは中国人だ」というイメージが日本人の頭脳に沁み込まされ、多くの日本人にはその洗脳の結果が出ているのだろうと思いますが、20年前くらいは「尖閣問題」は今ほどではありませんでした。

 歴史的に見れば、日本人の中国人蔑視が出てきたのは日清戦争後のことですが、1945年8月の敗戦によっても、それが払しょくされずに残って、折に触れて噴き上がる、ということなのでしょうか? 私は、もちろん、民主化を求める人たちに対する中国政府の人権侵害は間違っていると思いますし、迷惑な中国人も存在することを知っています。でも、同じように迷惑な日本人も迷惑なアメリカ人も存在することを知っていますから、だからと言って「中国人は近くに来ないでほしい」という「差別」はやめるべきだと思います。

 日本政府(東京都・大阪府等の地方政府=自治体含め)の人権侵害だって、ひどいものなんですからねぇ・・・現に私など、その被害者の一人ですから・・・「日本人はいつでも立派だけれど、中国人はいつでも悪い」なんてことは、絶対に言えないことです。
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  以上、一生懸命、説得的に努めたつもり(笑い)なんですけど・・・う〜ん・・・以下のひこさんの御指摘は的中し、やっぱり『まずだめ』ですかしら?
 まだ、返信は来ていません。

>そうじゃないばあい、あなたのその「考えかた」は差別だ、あるいは、差別に「通じる」と言ってみたところで、まずだめでしょうね。なぜって、さいしょに言ったように、これは「考え」じゃないからです。たんなる「おもいこみ」それもきわめて感覚的なものなのですから、ことばでの「批判」など受けつけない。

>こういった感情は、しらずしらずに、ひとびとのなかに浸透しています。そうさせる社会的な力がちゃんとはたらいてもいるからです。げんに、このひとは、友人の言ったことを無条件に信用しています。ホテルの経営者の言い分にたいしてもうたがいはもっていません。このひと自身のうちに、すでに、そういった言説をすんなり受けいれる素地ができているからです。

 確かにそうですね・・・以下、産経WEBに、おもしろい!? ・・・実際は「中国脅威論」のオドロオドロシイ内容・・・の記事をご紹介します。「中国=中国人は脅威」論は日々、マスメディアを通じて垂れ流されています。善意の日本人を洗脳する、大きな「社会的な力」・・・

産経WEB  http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110224/fnc11022414510016-n2.htm
「水、土地…中国、やまない“日本乗っ取り”」2011.2.24 14:50 (2/2ページ)

 無防備な日本にヒタヒタと迫る黒い影。「外資による森林買収は北海道29件、神戸市1件の計30件(昨年12月・林野庁)」との調査報告があったが、これは“日本買い”の氷山の一角にすぎない。
(中略 全文は上記URL参照)

 今後、水源&水利、土地を奪取した中国に乱開発され、環境汚染&高い水を購入という悪(あ)しき時代が来るかも…(涙)。また、リゾートホテルや温泉旅館に宿泊を申し込んでも、日本人であるが故に「満室」と断られる事態もありえる。事実、中国系ホテルは“中国人(&華人)団体様御用達”で、日本人の宿泊客など、はなから考えていない。もっとも、せきがゲホゲホ吹っかけられた中華バイキングを、ガヤガヤうるさい食堂で食べるのは、こっちも御免だけれど。

 こわもてのロシアは、中国や韓国企業に対して北方領土への投資の誘致にも乗り出している。大国の欲望&実効支配の恐ろしさすらイメージできない、無為無策でヨレヨレな菅内閣には引導を渡したい。(ノンフィクション作家・河添恵子)