「都議会文教委員会」傍聴者の感想・意見 10/2/23

 2月19日の都議会文教委員会「扶桑社教科書、再審議請求」請願審議を傍聴されたお二人の方の感想・意見をお知らせします。


●私も傍聴に行ってきました。
文教委員会の傍聴はこれで3度目。

 請願趣旨は「教科書採択の真相究明のため再審議を求める」です。しかし採択では増田さんの報告の通り、ネットの星さん、共産の畔上さんのみでした。民主の岡田さん、馬場さん追求はあったものの採択の場面では不起立でした。なあ〜んだ!!

 採択は民主が切り捨てたと、と思いながら、私は岩波ホールに向かいました。再審議しても、石原軍団の教育委員のもとでは「どうせ駄目」という民主の「読み」があるとすれば、中高一貫校に生徒たちに「まともな」歴史教科書で学んでもらう、という大人の義務を切り捨てたことになるのではないか、と。

 ここで文教委員会の構成を都議会HPからみてみますと定数14人 現員14人 ということです。
会派別では
議長   大西さとる(民)
民主 (5人) 岡田眞理子 馬場裕子 島田幸成 滝沢景一 大津浩子
自民 (4人) 村上英子 遠藤衛 古賀俊昭 服部ゆくお
公明 (2人) 谷村孝彦 遠藤守
共産 (1人) 畔上三和子
ネット(1人) 星ひろ子  

 つまり、自公6人に対し、民主5人です。ネット共産の2票があるので民主が「まともな与党」になろうという意思があれば、請願は採択できたのに!!  と悔しい思いをしながら帰途につきました。

 増田さん、傍聴のお知らせありがとう。あなたは今日の野次は、とおっしゃっていましたが、過去2回の私の文教委員会傍聴はこんなに「静か」ではありませんでした。

 公明・谷村不規則発言の隣で、共産・畔上さんの「めげない」姿勢は正に敬服。わたしのできた、彼女への無言の応援は、大きくうなずくことだけでした。



●お疲れ様でした。昨日の朝日新聞夕刊に、「扶桑社教科書,都教委の資料に誤り」との記事が載りました。これだけでも、今回の請願の意義があったということでしょう。

 議会でも、休み時間に、古賀の隣りに座った議員が、都教委の役人に、「ミスがあったのはまずかったな」と、言っていました。採決では、たった2名の賛成に終わったとはいえ、扶桑社、都教委、土屋、古賀らの勢力に、鋭いジャブを浴びせることができたことだけは、確かでしょう。

 共産党の畔上議員は、期待以上の活躍でしたね。現場の教員や保護者との接する機会が多い末端の議員は、まだいくらかは健全さを保っているということでしょうか。

 それにしても、ひどい議会ですね。まず傍聴席の少なさ。正規には20名、追加して40名です、筆記用の机もありません。真ん中の広いスペースを、都教委などの役人たちが占領しているのと、対照的です。これは、この議会が、どんなに「民意」を軽視しているかを、まざまざと示すものでしょう(これは、国会でも似たりよったりですが)。

 さらに、議員諸君のレベルの低さです。「97年には、将来は教科書採択は各学校の判断にゆだねるべきとの閣議決定がなされています」との畔上議員の発言に、「日教組の代表が入っているからだ」とのヤジを飛ばした古賀とその仲間は、その典型です。彼らは、当時は、自民党政権の時代であったことさえ理解できないのです。

 我々の失笑、嘲笑、ヤジに、怒り狂って、「傍聴人を追い出せ」などと叫んでいましたが、彼らの姿こそ、まさに品性下劣、議員失格というほかりません。都教委のたいこもちというほかないヨイショ「質問」ばかりする彼らには、「扶桑社からいくら貰ったのだ」とヤジが飛んでも、何の不思議もありません。

 それだけではありません。この委員会には、この教科書問題だけでなく、立川聾学校など特別学校の寄宿舎の廃止について、やめてほしいとの保護者からの切実な請願も出されていましたが、これらも、教科書問題と同じく、賛成の起立は、わずか2名にとどまりました。「命を守る」民主党の議員諸君は、まさに政治姿勢と誠実さとを疑われても、仕方ありません。

 それでも、いくらかの救いは、外国人に対する日本語教育の改善について、国に要請すべきとの請願が、全会一致で採択されたことです。排外主義でこりかたまった石原東京都政が、在日外国人の地位をわずかでも改善するために動くなら、喜ばしいことです。しかし、本当は、在日の外国人に対しては、公立の学校で、それぞれ母国語での教育も保障すべきであって、日本語教育の保障にとどまっているのは、古賀のような反動議員の存在をも許容する、この議会の限界というべきでしょう。

 それにしても、このニュース、教科書ネットのMLなども通じて、全国に広げたいですね。