《私の意見》より「日本は本格的なファシズムと戦争の時代に突入した 09/5/8

 件名【YYNews】の転送・転載許可を得ましたので、ご紹介します。皆様は、この意見にいかがお考えになるでしょうか?


(引用ここから)
■ 日本は本格的なファシズムと戦争の時代に突入した

 現在の日本の政治社会情勢をどのように捉えるのかの問題ですが、現在の日本は本格的なファシズムと戦争の時代に突入したと私は思っています。
「本格的なファシズム」とは、支配体制崩壊の危機を目の前にした支配権力が、危機を暴力的に突破するために「上らのファシズム運動」と「下からのファシズム運動」を組織して、相互に補完し合いながら国民全体を巻き込んで支配体制の再構築を図る運動のことです。

「上からのファシズム運動」とは、支配権力が支配体制の危機に危瀕した際、合法・非合法を問わずにあらゆる権力を駆使して政敵や体制批判者などを弾圧し一般国民から隔離した上で国民統合を強制的に図る運動です。

「下からのファシズム運動」とは、「上からのファシズム運動」に呼応して民間の右翼ファシスト市民を中心に市民運動、国民運動の形で組織し、恐喝と懐柔と暴力によって国民統合を図る運動です。

▲ 上からのファシズム運動

「上からのファシズム運動」は数え切れないほどありますが、直近の典型的な例としては今年3月3日に東京地検特捜部が小沢民主党代表の公設第一秘書を「政治規正法虚偽申告違反」容疑の突然逮捕し起訴し今でも長期拘留を続けている「国策捜査」という形の弾圧があります。

 この「国策捜査」直前までの世論調査では、次期総選挙で小沢民主党が衆議院の過半数の議席を獲得して戦後初めての野党による本格的な政権交代が実現すると言われていました。この「国策捜査」にマスコミが総動員され「小沢潰し」「民主党たたき」の大本営発表報道がなされた結果、それまで10%程度の低内閣支持率にあえいでいた麻生太郎首相は支持率を30%近くにまで回復させ、民主党中心の政権交代の可能性を大きく後退させました。

 麻生太郎自公政権が「政権交代」をつぶすために検察という「暴力装置」を使って政敵を弾圧した典型的な事例です。「共謀罪」という法律は小泉政権下で国会提案されて以来現在までに計10回にわたって審議未了・廃案を繰り返してきました。この法律は米国で猛威を振るっている治安弾圧法で、たとえ犯罪行為が実行されなくとも、二人以上が事前に話し合っただけで「共謀」した容疑で逮捕し起訴し長期拘留し重罪を科すことの出来る最悪な法律です。

 小泉政権以降の歴代自公政権と法務・検察・警察官僚たちは、「平成の治安維持法」と呼ばれるこの治安弾圧法を日本への導入しようと機会を狙っているのです。
また今年5月21日より施行されます「裁判員制度」は、国民を死刑判決の共犯者にしたてて「国民統合」を図り、裁判員に一生の「情報秘匿義務」を課して万一情報漏洩が発覚した場合には実刑と罰金が科せられる「平成の赤紙」そのものです。

「教育の国家支配」策動として、増田都子先生が闘っておられる極右ファシスト石原慎太郎東京都知事と極右ファシスト3都議会議員と東京都教育委員会のファシスト官僚達が一体となって推し進める「平和・人権教育を進める教師の教育現場からの排除」策動や「日の丸・君が代不起立教師摘発・懲罰策動」があります。

▲ 下からのファシズム運動

これらの「上からのファシズム運動」と呼応する形で排外主義を煽る「下からのファシズム運動」がここにきて盛んになってきています。今年4月11日には「在日特権を許さない会」などの右翼ファシスト達が法務省入管局によって父母が「不法滞在」容疑でフィリッピンに4月13日に強制帰国させられた日本生まれの長女カルデロンのりこさんが居住する埼玉県蕨市で、「法を破った犯罪外国人を日本が受け入れるいわれはない」「犯罪外国人の即時国外退去」を叫んで排外主義丸出しのデモを60名規模で行いました。(注1)

▲ 日本共産党も参加する「反戦・反ファシズム統一戦線」の結成が不可欠 (注3)ヒットラーのナチスが登場してきた戦前のドイツで、ワインマール憲法下の国会で勢力誇っていたドイツ共産党がなぜかナチスへの反撃を組織せず反ファシズム統一戦線の盟友であったドイツ社民党を攻撃したのです。ヒットラーの首相就任やナチスの暴走を許して最後には第二次世界大戦の悲劇まで突っ走った大きな原因のひとつに、ドイツ共産党のこの戦略ミスがあったと私は思っています。

 日本共産党は今回小沢民主党が検察による「国策捜査」で弾圧されているのを横目で見て、自分達の存在をアッピールできるビッグチャンスとばかりに小沢民主党代表の「金権体質」や「説明不足」をここぞとばかり批判し検察批判をほとんどしていません。「民主党も自民党と同じ」「民主党が政権交代しても自民党となんら変わらない」と主張する今の日本共産党指導部を見ていますと、ナチの国家支配をゆるした戦前のドイツ共産と同じ戦略ミスを犯しているとしか思われませんがいかがでしょうか?(注2)

 なぜドイツでは反ファシズム統一戦線が結成できなかったのか、なぜナチスを打倒できなかったのか、我々はこの痛恨の歴史を学びとり二度と同じ誤りを繰り返してはならないと思います。


注1
個人ブログで公開しました記事「日本は国民を右翼排外主義的に国家に統合する「国家ファシズム」の段階に突入した」をご参照ください。
http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/80ad0f21d273814da5fcb32277b70197

注2
 インターネット市民新聞「JanJan」に投稿しました記事「 政権交代へ、共産党は次期総選挙で野党連合に参加を」をご参照ください。
http://www.news.janjan.jp/election/0904/0904272289/1.php

注3
日本共産党の良心的な党員グループが今回の検察による民主党小沢代表潰しの「国策捜査」をどのように見ているのかがよくわかる記事《共産党は国策捜査を見逃していていいのか? 》が「さざなみ通信」に公開されています。
http://www.geocities.jp/sazanami_tsushin/