韓日平和100年市民ネット創立大会 09/4/25

 来年(2010年)8月29日の韓国強制併合100年に当たり、「真に日本が侵略と植民地支配を反省して、朝鮮半島の人々と真の和解を成し遂げよう!」と去年10月京都において「韓国併合100年市民ネット」方と上げられました。私はその共同代表の末席にいます。

●共同代表 
岩佐英夫、大久保史郎、岡田卓巳、神谷雅子、宋富子、竹内真澄、田中宏、俵儀文、鶴見俊輔、戸塚悦郎、中山武敏、波佐場清、前田哲男、増田都子、三島倫八、安川寿之輔、李清一

http://www.nikkan100.net/

 この4月23日、韓国で本会と連携して市民運動を展開しようと立ち上げられた「韓日平和百年市民ネット」創立大会に、同じく共同代表の高麗博物館名誉館長の宋富子(ソン・フ゜シ゛ャ)さんとともに参加し、昨日24日、帰国しました。

 私は挨拶と、私の闘いについての添付特別報告をさせていただきました。添付写真は全員の記念写真です。前列真ん中のネクタイの紳士が、韓国ネット顧問の柳鐘玄(ユ・ジョンヒョン)氏で韓国横浜総領事をしてらっしゃった方です。その右が宋富子さん、柳氏の左が増田で、日本からの参加者は7人でした。


<「韓日平和100年市民ネット」立ち上げ集会、増田の挨拶>
こんにちは。来年の韓国強制併合100年に当たり、日本が真に反省をして朝鮮半島の方々と真の和解を成し遂げたいと結成した日本の「日韓併合100年市民ネット」の共同代表の一人をしている増田都子です。

「韓日平和100年市民ネット」の結成、おめでとうございます。私たちのパートナーとして活動してくださる市民運動が韓国で本日、力強く立ち上がったことを心からありがたく思うものです。なぜ「ありがたい」と私は思うのでしょうか?

 私は東京で33年間、中学校の社会科教員をしていたのですが、3年前の3月31日、極右の民族差別主義者、石原慎太郎が知事をしている東京都の教育委員会によって不当に免職されました。裁判闘争をしていますが、免職取り消し判決を出すよう求める署名集めには京畿社会フォーラムの方たちにご協力をいただき、たいへん、ありがとうございました。

さて、東京都の教育委員は石原知事が選ぶのですから、すべて石原知事のお気に入りの人たちです。そのため、皆様よくご存知のように、あの侵略と植民地支配を正当化した扶桑社の歴史教科書を「子どもに一番いい教科書」と強弁して子どもたちに押し付けています。そして、東京都の議会では右翼の議員が「日本はどこも侵略したことがない」と妄言を吐き、何の問題にもなりませんでした。

私は、この事実を憂い、当時の勤務校である靖国神社に近い九段中学校の生徒たちに、このような教科書や妄言都議のことを「歴史偽造主義です」と、真実を教えたのです。それが「誹謗中傷だ、公務員不適格だ」などと、東京都教育委員会によって誹謗中傷されての免職でした。私は誤った歴史認識や事実に反するウソを主張するものを「批判」はしますが、悪口やデマを意味する「誹謗中傷」はしたことがありません。

しかし、私に対する弾圧を、韓国のテレビ局はすべて「日本の良心的女教師、扶桑社教科書批判により免職される」と大きく報道してくれましたし、ハンギョレ新聞なども報道してくれましたが、日本ではテレビ局はもちろん、どの新聞社も、いくら私が「報道してください」と頼んでも報道してくれないのです。

その根本原因は、私は日本人の歴史認識のあまりの鈍感さにあると思います。この100年の日本政府の愚民化教育の成果!? だといえるでしょう。学校で真実の歴史を教えてないので、大多数の日本人は、朝鮮半島や中国をはじめとするアジアで、この100年、日本が何をしてきたかを知らないのです。そして、それを教えたために首になった教員のことなぞ関心を持たないのです。だから、マスコミ記者・・・最近、私はマスゴミ記者と呼んだりしているのですが・・・たちも、この事件を大きく報道して日本人の歴史認識を正そう、とは考えないのでしょう。

しかし、このままでは日本人のために良いわけはありません。日本人は、なんとしても、この100年の真の歴史を知り、二度とアジアの隣人を踏みにじるようなことをせず、アジアの平和と世界の平和に寄与する責務があると思うのです。

そのために、私たちは日本で努力しますが、韓国の方たちにも助けていただきたいのです。加害者であった日本人が、被害者の方たちに助けを求めるのは厚かましく、申し訳ない気持ちでいっぱいですが、日本人の大多数は歴史の真実を知れば反省できます。だから、私は韓国での市民ネットの結成を「ありがたい」と思うのです。今から、皆様と日本の100年市民ネット運動と固く連帯し、アジアと世界の平和のためにがんばりましょう!



<余談>
 夜の交流会では、それぞれの自己紹介などして有意義に過ごしましたが、私が「現在の日本人は絶望的なので、韓国に『亡命』しようかと考える時があります」とジョークを飛ばしましたら、すかさず柳氏が「私の別荘を提供しますから、いつでも、どうぞ」!? と当意即妙のジョークを返されました(一同笑)。さすが外交官生活40年!?(1995年に定年退職)

 でも、もちろん、私は「でも、侵略と植民地支配を日本人は反省し和解しなくてはなりませんから、最後まで日本でがんばります!」とシメました。誤解されませんよう!? 念のため、付記しておきます。



皆様
 ぜひ、この会へのご入会を、お願いします!

韓日平和100年ネット・特別報告
「日本の歴史偽造主義者との闘い」増田都子