防衛省前抗議行動 09/1/6
 昨日1月5日(月)、毎月初めの月曜日18:30〜19:00に行われています「辺野古への基地建設を許さない実行委」主催による防衛省前抗議行動に参加しました(参加者、約80名)。皆様、ぜひ、上記HPにあります「7.18沖縄県議会決議を尊重し、辺野古新基地建設の断念を求める請願署名」にご協力ください!

 今回の、要請文という名の抗議文担当は私の所属組合でしたので、以下のように田母神作文批判を中心に作成しました。お時間のある時に読んでいただけたら幸いです。

 イスラエル軍によるガザのパレスティナ人虐殺(ホロコースト!?)も、派遣切りの問題も、沖縄米軍基地問題も、侵略と植民地支配への無反省も、私に対する不当免職も、底流にあるものは一つだと思います。しかし、あまりの己の無力さにため息が出る毎日ですが、でも、とにかく粘り強く運動していくことが本当に大切だと思います。

 次回は、2月2日(月)です。ご都合のつく方は、この防衛省前抗議行動にも、どうぞ、ご参加ください!




<要 請 文>
昨今の麻生内閣および防衛省の動向には、憂慮すべきこと、憤慨に堪えないことが甚だ多いが、中でも特筆すべきは、前航空幕僚長、田母神氏の言動である。

 田母神幕僚長は、APAホテルグループの主宰する懸賞論文に応募し、その論文の中で、こともあろうに日本は他国を侵略したことがないと公言し、さらには現代日本の防衛政策についても、専守防衛はナンセンス、相手を先制攻撃する「攻撃的兵器」を持つべきだなどと主張している。

 日本の行った戦争の総括については、田母神氏の主張は、明治以来のすべての戦争を「自存自衛」の戦争とする「つくる会」勢力の主張と同一の、明らかな歴史の偽造・歪曲であり、軍国主義、帝国主義的強盗戦争や植民地支配の隠蔽ならびにその正当化であり、憲法に違反することはもとより、河野談話ならびに村山談話などの政府見解すら踏みにじるものである。しかも「専守防衛ナンセンス」とか、「攻撃的兵器を」といった主張は、戦前の軍部同様の好戦的軍国主義と、どれほど違うというのか。

 しかも、こうした言動がマスコミや国会で問題になっても、氏は「文民統制は言論の自由への抑圧だ」などと詭弁を弄して、自らの言動を詫びる姿勢すらない。私たちは、このような人物が自衛隊の最高幹部であったという事実に、慄然とせざるをえない。

 この問題で問われているのは、何よりも、防衛省、防衛大臣の責任である。防衛省、防衛大臣は、このような憲法遵守義務違反の公務員不適格者を航空幕僚長に任命したのであって、この責任は重大である。

 その上、内局には制服組の言動を充分に監視しチェックする義務があるが、この点でも、彼の論文を検討し懸賞への応募を止めさせる等の措置を、何一つ講じてはいない。彼は自分の親交のあるAPAホテルグループの社長を、独断で戦闘機に同乗させるといった権力濫用、公私混同を行っているにもかかわらず、これまで懲戒等の措置を何ら取ってきていない。それどころか、定年扱いにして退職金を支給するなど、田母神氏をかばい続ける始末である。

 とりわけ私たちが最も驚いたことは、自衛隊幹部を育成するための教育講座(国家観、歴史観の講座)に、田母神氏本人はもとより、桜井よし子氏はじめ「つくる会」勢力の一環と見られる学者、評論家諸氏が、講師として採用されていたという事実である。これは、侵略否定・正当化の好戦的軍国主義が、田母神氏個人にとどまらず、防衛省上層部全体を支配していること以外の何ものでもない。

 このような事実を知ったなら、かつての侵略戦争、植民地支配で辛酸をなめた韓国、中国、東南アジアの人々は、気持ちを踏みにじられ、かつての恐怖を再びよみがえらせずにはおかないであろう。田母神氏や防衛省の行ってきたことは、まさに、戦後積み重ねてきたこれらの国々の民衆との信頼、協調関係を台無しにするもの、外交関係でも、大きな亀裂を作り出さずにはおかないものであろう。

 制服組幹部の文民統制違反の暴走については、すでに1978年の栗栖統幕議長の「超法規的行動」発言が世論に糾弾されている。防衛省内局の姿勢も、つい先頃の守屋次官の公金の私消浪費・収賄事件で、世論の強い怒りを浴びたところである。にもかかわらず、再び三たび、このような文民統制違反の蛮行、愚行が繰り返されたことは、日本の前途をきわめて危うくするものであると言わざるをえない。

 私たち東京都学校ユニオンは、委員長の増田都子(元千代田区立九段中教諭)が、軍国主義、侵略主義を賛美する古賀都議の、東京都議会での公的発言や、「つくる会」の歴史教科書を、歴史偽造主義であると正当な批判をしたことを理由に、東京都教育委員会によって、分限免職という無法な弾圧を受けている。それだけに私たちは、今回の田母神氏の言動や、防衛省及び麻生政権の姿勢に、重大な関心、危惧を抱かざるをえない。

 もしも、このような言動が黙認されるならば、自民党政権、石原都政の下で強まる日の丸・君が代の強制、「つくる会」教科書の強制、それに反対する教員への弾圧等々の反動教育行政は、ますます勢いを増し、児童生徒に重大な悪影響を与えざるをえない。

 よって私たちは、防衛省がこの問題について国民の前に真摯に謝罪すると共に、直ちに田母神元幕僚長を懲戒免職にするよう、要求する。また、浜田防衛大臣も、田母神氏の幕僚長任命や制服組内局に対する監督不行き届きの責任を取って、辞任すべきである。

 アジア及び世界の民衆との連帯の精神をもって、右、要求する。

2009年1月5日 


浜田防衛大臣殿

全労協東京都学校ユニオン執行委員会