在豪日本人・太平洋戦争研究者の方から 08/7/28

 件名の方から、以下のように拙著『たたかう! 社会科教師』の感想をいただきました。許可を得ましたのでご紹介します。やっぱり、今、オーストラリアは真冬なんですねぇ・・・日本は真夏で連日30度を越えゲンナリしていますが、こういう嬉しいメールをいただきますと元気がモリモリ湧いてきます!(私は、いつも元気なんですけど、さらに元気に!) 

 皆様も暑さに負けず、お元気にお過ごしください。


 
●増田都子さま、

 御著書「たたかう!社会科教師」を拝読し終えました。非常に説得力があり、心を揺り動かされる、立派な御本です。
第2章の終わりまで読み終えたところで、舞台・映画・TVでドラマを見ているような迫力がありました。史実を見られない、そして見る人を権力で排他したり、そもそも教育とは何であるかを知らない都教委と千代田区教委。時代錯誤の「皇国史観」に憑かれた保護者。そんな人たちに対して、堂々と冷静に理をもって闘う増田先生。皆さんの姿がありありと浮かんできます。

 その凄絶な場面が、フィクションではなく、現実なのですから、恐ろしさが倍増します。「紙上討論」のところは、生徒たちの大半が、日本が犯した過去の過ちを認識し、傷つけた国との真の和解を望み、同じ過ちを繰り返さない志を固めているのに感銘を受けました。違った意見の生徒たちも真摯に考えていて、素晴らしい授業方法だと思います。

 全体を読み終わり、世界平和のためにこそ、また日本もその路線を辿るためにこその、正しい歴史教育を実施なさってきた増田さんの信念、その教育方法のために受けた、理不尽な「懲罰研修」に対する増田さんの反骨精神、「免職処分」に対して裁判に訴える増田さんの闘志に対して本当に尊敬の念でいっぱいです。

 それに引き換え、憲法と教育基本法の理念を覆す都教委。そこの言いなりになる「教職員研修センター」。そして、センターの主事たちの、よくも恥ずかしくないものだとムカムカさせられる言動。無知では片付かない人非人ぶり。恐怖と怒りと軽蔑の念に駆られます。

 まさに、正義と邪悪の劇的な対立ですが、正義が勝つに違いありません。そのときには、東京都だけではなく、日本中の教育委員会が教育について考え直すでしょうし、日本中の先生が啓蒙されるでしょう。そうしたら、増田さんのおっしゃってる悪循環が断たれるでしょう。増田さんの闘いは本当に貴重です。また、それについて理路整然と書かれた「たたかう!社会科教師」は、教育に携わる人はもちろんのこと、保護者、生徒たちにとっても、重要な指針になります。

 とは言っても、本来ならばする必要のない闘いをしなければならない、特に生徒に教えるという一番したいことができない、そんな状況に置かれている増田さんのつらさも、ひしひしと感じられます。卒業式に当たって生徒たちに送られたお手紙には、涙で字が滲んだほどです。生徒さんたちの手紙には、感激の涙を止めることができませんでした。

 日本の若者は太平洋戦争について事実を知らされていない、とよくオーストラリア人に非難されますが、増田さんのような教師もいらっしゃること、しかし、そんな先生は解雇されることを、できるだけ多くの人に伝え、わたしが抱いた感動と恐怖を分かち合っていきます。そして、正義の勝つ日が一日も早く訪れることを願望しています。

 日本は真夏だけれど、メルボルンは真冬。あたりは灰色がかっていて、心まで沈みそうになりますが、わたしは、増田さんの熱情に、意気が高まりました。本当に、立派な方と御本にめぐり合えて、うれしく、ありがたく思っています。

 ではまた。どうぞ、お元気で。