月刊誌「イオ」7月号『たたかう!社会科教師』紹介記事 08/7/2 |
先月、自宅まで取材に来ていただきました月刊誌「イオ」の記者の方から7月号が送られてきました。その中に「著者訪問」として、以下のような記事が掲載されていますので、ご紹介します。 他に「民族教育が守ってきたもの」という記事にあった「いわゆる『墨塗り教科書』から再出発した日本の戦後教育と在日朝鮮人の民族教育は本来的に『皇民化教育』の克服という同じ課題を持つものとして相補関係にあった」という慎栄根・朝鮮大学校助教授のご指摘には「目からウロコ」! でした。 ●0807_著者訪問 増田都子さん 社会科教諭 著書○たたかう! 社会科教師(社会批評社)/1700円(税別) プロフィール 【ますだ・みやこ】1950年、東京都生まれ。島根大学卒業後、東京の中学で教職をスタート。99年から現場をはずされ、人権侵害の懲罰・長期研修を強制される。02年現場復帰するも、05年からさらに懲罰研修を強制され、06年に不当な分限免職処分を受ける。現在、東京地裁に処分取り消しを求めて係争中。 タイトル 「再び子どもたちを戦場に送る教師にならないために」 本文 増田さんは現在、06年に東京都教育委員会から受けた不当な分限免職処分の取り消しを求め裁判闘争中である。増田さんの願いは唯一つ、「ふたたび教壇に立ち生徒たちに教えること」だけだ。なぜ増田さんは免職、すなわち「クビ」にならなければならなかったのか? 本書の副題は「戦争の真実を教えたらクビなのか?」となっている。 「戦後、教師たちは過去の日本のアジアの国々に対する戦争犯罪や侵略、植民地支配をきちんと教えてこなかった。『無意識の罪』だとも言えるが、このことの犯罪性は大きい。このままでは子どもたちを再び戦場に送る教師になってしまうという思いが常にあった」と語る。増田さんは「紙上討論」という方法で生徒たちに、戦争の真実、特に天皇の戦争責任について教えていった。 そのことから増田さんは、一部保護者や極右都議、産経新聞や右翼勢力、右旋回する都教育委員会からの集中攻撃を受ける。彼らは増田さんを教壇から引き離そうとさまざまに画策する。免職処分を受ける前にも増田さんは、東京都教職員研修センターでの「研修」を命じられ、「トイレに行くのも監視された」という過酷な監視下に置かれるなど、ひどい人権侵害行為を受けてきた。都教育委員会の増田さんに対する陰湿な「いじめ」の実態は本書に克明に記されている。 増田さんの闘いを日本のマスコミはほとんど取り上げていないが、外国、特に韓国のマスコミは度々報道してきた。出版の目的を増田さんは、「東京都の教育現場の状況、そして私のことを伝えない日本のマスコミの現状を広く知ってもらいたかった」と語る。10年以上にもわたり苦しい闘いを続けてきた増田さんだが、「まったく後悔はない」ときっぱりと語る。そして、「必ず真実が勝利する」とも。楽天的にまい進する増田さんの原動力も、本書を読めばよくわかる。 月刊イオ編集部 |