韓国テレビSBSの報道内容 08/5/25

 3月8日深夜に韓国で報道されたドキュメンタリー番組『そこが知りたい』で、私の闘いも報道していただきました。やっと、日本語の翻訳ができましたので、ご紹介します。最後のキャスターの言葉には胸がジーンとしました。「海の向こうの他国』の人々が、私の闘いを「自分のこととして考えよう」と呼びかけていてくださったのです。

<韓国SBS報道の日本語翻訳(増田が登場する場面から)>
●電車が走っている場面のあと増田の自宅で

ナレーション:千葉県の小都市で出会った増田都子氏もその怖い力(右翼の力)を体験した一人でした。社会科教師として33年間、勤めてきたという増田先生。しかし…。
増田の言葉の後

●発令通知書が映っている場面

ナレーション:彼女は東京都教育委員会から解雇を受けた教師でした。「教師としての適正に問題がある」というのが30年以上も教師生活をしてきた彼女に対する免職理由だったといいます。3年前の今ごろでした。

増田の言葉「(処分辞令を)石原の前で破り捨てたい…」

ナレーション:免職通告を受け入れられないという増田先生は、特に教師としての資質を問題にしたことは承服できないと語りました。解雇理由は別にあったというのです。

増田の言葉「扶桑社の歴史教科書を…」

●扶桑社の歴史教科書が映っている場面

ナレーション:日本右翼の親玉だと言われる石原慎太郎東京都知事の肝いりで多くの学校で採択された扶桑社の歴史教科書。彼女はこれを子どもたちに到底教えられなかったといいます。

増田の言葉「恥ずかしいことは教えられない…」

●卒業アルバムが映っている場面

ナレーション:結局、自分で教材を作って授業を行うしかなかった増田先生は、真実に目を開くようになった子どもたちの姿にやりがいを感じたけれど、教育委員会にとっては面白くないことでした。数回にわたり脅迫まで受けたと彼女は告発します。

増田の言葉「(研修センターで)精神的な拷問を6ヵ月の間…」

●研修センター前で「増田先生を教室に戻せ」という横断幕が映っている場面

ナレーション:東京都教育委員会は「教員研修」という名目で増田先生の首をしめ、同僚たちも助けられなかったといいます。しかし、彼女が最後まで扶桑社の教科書批判をやめなかったので、東京都教育委員会は彼女を「資格のない教師」にしたて、すぐに教壇から引きずりおろしたのです。

増田の言葉「悔しかったです…」

●増田のアップが映っている場面

ナレーション:信念を選んだ代わりにこのようなことになったけれど、彼女は後悔していないと言います。そのかわり、彼女はまた(教壇に)戻る準備を進めていると語りました。東京都教育委員会を相手にした免職処分取り消し訴訟。しかし、彼らは簡単に旗を降ろしてはくれませんでした。

        そして…。

●西村修平ら右翼の、裁判所前・街頭宣伝が映っている場面(右翼都議・土屋たかゆきが西村に頭を下げて裁判所に入る)

ナレーション:彼女が行くところ、必ず現れるという右翼団体会員たち。「反日教師」と烙印をおし、彼女の復職を妨害しているというのです。

●九段中学が映っている場面

ナレーション:「真実はいつも勝利する」と子どもたちに数限りなく教えてきたけれど、この3年間、見えない大きな力と闘ってきた彼女にとって、それは遠くにあるもののようでした。

校門の外から教室を見つめる増田の言葉「懐かしいような悔しいような…」

ナレーション:何が子どものための道だったのだろうか、時間を戻すことができれば何を選んだだろうか、自問し、また自問を繰り返したけれど、彼女の答えはいつも同じだと言います。

増田の言葉「後悔はありません…」

●SBSスタジオでの場面
キャスターの言葉:
 この3年間、増田先生は右翼団体から数多くの非難を浴びせられ、一人で裁判を闘ってきました。裁判費用を準備するのも、だんだん困難になってきていると言います。もっと大きな問題は、右翼団体の論理が東京都教育委員会はもちろん司法の場にも広がっていること、右傾化の現象と無関係でないという事実です。もっと多くの時間がかかり、もっと困難な闘いをしなければならないかもしれないということです。

 誰が彼女のそばにいて力になってあげられるでしょうか。私たちにとって彼女の困難な闘いが海の向こうの他国の出来事だと言えるでしょうか?