出版記念会、お礼 08/3/16

 昨日は、拙著『たたかう! 社会科教師』の出版記念会に多数の方々にご出席いただき、また、所用で来られなかった方からは・・・社民党の福島瑞穂党首からも・・・心のこもったメッセージをいただき、たいへん、ありがとうございました。

 バイオリン演奏、「君死にたまふことなかれ」の独唱、「ノレの会」の方たちの韓国労働歌、参加者各人からの心のこもったスピーチ、最後の全員での「♪We shall overcome♪」まで、熱気のこもった会になりました。

 以下、詩人の石川逸子さんからの祝辞を紹介させていただきます。なお、社会批評社の小西誠さんより、拙著が「日本図書館協会選定図書」に選ばれたと報告がありました。
 
 できるだけ大勢の人たちに都教委が無法地帯になっている「実態」を知らせたと思いますので、皆様、ぜひ、地域の図書館に購入リクエストをお願いします!


●石川逸子さんからの祝辞

 推薦の辞を書かれている鎌田慧さんが、「女東堂」と増田さんを称えていますが、本当にその通りだと思いました。シビアなことが書かれているのに、読後、ユーモアにあふれ、痛快な気持ちになるのです。この本によって、現都教委の卑劣さ、愚かしさが、白日のもとにさらされた気がします。

 たとえば、目の前の本人にわたさないで、はるばる増田さんのご自宅のポストに、そっと「免職」処分書を入れに来る、姑息なやり口。よほど自信がないのでしょうね。研修センターでのさまざまなやりとり。古賀利昭都議会議員の公の場での発言を、授業で取り上げたことについて特定の個人名はあげるべきでない、と井沼指導主事が言い、増田さんは、次のように聞くんですね。「では小泉首相談話を教材プリントに載せるときも、小泉首相に載せていいでしょうかと聞け、って言うんですか」すると、井沼指導主事は、「私は、その方が望ましいと思います」と答える箇所など、これが東京都の研修センターなるものの実態かと、怒るより先に、笑いたくなってしまいます。

 増田さんへの懲罰研修が、いかに唐突で不当であったかは、同僚の八割が、研修取り消しをもとめる陳述書に署名していることでもわかります。

 とにかく増田さんがじゃま、現場の混乱など、どうでもいいんですね。いま、話題の新銀行東京、つい先ごろまでそこの取締役でもあった鳥海巌教育委員は、教育施策連絡会で、「日の丸・君が代に反対する人間は、半世紀巣くっている癌だから、癌跡を残すわけにはいかない。必ず増殖する。徹底的につぶさないと禍根を残す」と言い放っていますから。(日刊ゲンダイ・08・3・14)

 私は、増田さんが発明された紙上討論という社会科の授業は、多くの社会科教師が見習うべき、優れた実践だと思っております。授業を受けた生徒たちが、そのことをこの本で証明しています。増田さん不在のなかで、校長先生が代読された、卒業生宛の増田さんのすばらしいメッセージ!そのメッセージに応える卒業生たちの反応がまた、すてきです。

 自分の意見をいうことが苦手だったというある生徒は、紙上討論ははじめいやだったけれど、だんだん楽しくなっていったこと、そのなかで、自分の意見を持つこと、その意見を素直に文章に表わす、という二つを学んだと書いています。ある生徒は、増田先生の授業は、これからの人生に大きな光をあててくれた、と書いています。

 増田さんが職を賭して蒔かれた種は、着実に実をむすんでいます。それこそが希望ではないでしょうか。

ますます元気に闘いつづける都子さんに、心からのエールを送り、この闘いは必ず勝利すると信じます。すばらしい出版、おめでとうございます。