第4回近現代史講座のお知らせ 07/9/19 |
前にもお知らせしましたが、件名講座(今回テーマは「日露戦争と韓国併合」)を明後日22日(土)14:00より、我孫子栄光教会(成田線湖北駅徒歩3分)で行います。 今回の目玉商品!? は「『坂の上の雲』に見る司馬遼太郎の歴史偽造について考える」です。ご都合のつく方はご参加ください。 以下、第3回近現代史講座後の紙上討論の一部をご紹介します。 A第1回16番の方の「『それでも日本が好きだ』という気持ちへと導く」については第2回で多くの方が意見をお寄せになっていました。わたくしも少し考えてみました。 しかし「日本の統治機構が他の国より優れている」という人はいても、統治機構が好きだという人はあまりいないと思います。好き嫌いの問題は本人の主観の問題なので、いろんな人がいてよいように思います。ただ他国と比較して「日本に誇りをもて」という方向に話がいくと危険です。日本の優れた点もあるし、たとえば韓国の優れた点もある、互いに尊重すべきというインターナショナルな考え方が大切だと思います。 次に「気持ちに導く」という問題、つまり教育の問題を考えてみます。日本の地理や歴史や文学についての知識を学ぶことは、たとえば国際社会で生きるうえで他国の人に自分のオリジンを説明するときに必要だという、よくある論には納得できるので賛成です。他国との違いや共通性を明らかにするという範囲で重要だと思います。学校教育で、他国のことより日本のことについてより多く学ぶことも、まあ許容できます。 しかし算数を好きになるように導いたり、社会を好きになるように導くのと、「日本を好きになるように導く」のでは次元が違います。これは戦前の教育の反省に立ち、よく考える必要があります。柳本通彦「かわさき市民アカデミー講座ブックレット24 ノンフィクションの現場を歩く 台湾原住民族と日本」(川崎市生涯学習財団)という冊子を読みました。台湾には統一国家がなく、台湾東部に住む先住民にとり最初に遭遇した国家権力は日本でした。学校の先生は警察官で、警察官が教育、衛生指導、農業指導すべてを行い、民族教育が断ち切られていたので、日本の先生が「オトウチャン」でした。 教育はもちろん皇民化教育で、先生自らが出征していったので教え子は先生の後に続けと次々に志願して出征していきました(1941年に志願兵制度、44年に徴兵制実施)。しかし敗戦で故郷に戻ると国民党の中華民国になっており「お前たちは半分日本人になった腐った漢民族だ」と言われる境遇になっていました。日本色一掃で、日本語をしゃべることすらできない時代でした。 追伸 ●二宮牧師から “愛国心”について言えば、 ところが、日本の首相が言っていた愛国心は、それと比べるなら非常に薄べったく軽いものです。愛の対象は、「国家」と「領土」です。「人」は、そのために犠牲になってもいい存在です(アメリカの間違った愛国心に追従するものでもあります)。これら両者の大きな違いは、「人」へのあり方です。日本の愛国心は、1895年より、台湾原住民の各民族の尊い文化(政治、組織、習慣、宗教)を破壊し、人民をマインド・コントロールさせ、彼らを日本国家を盲愛させる「愛国」者と化けさせてしまいました。それは、侵略というものでした。 私は、日本人が真の愛国者となることを、願います。この「郷土」とそこに住む「人々」を愛する愛国者となることを。特に、愛は「人々」に向けられるように。その際には、日本人として、自らの歴史を深く認識し、へりくだって悪しき物を認めて悔い改め、他者に謝罪し、また、良き物を認めて、民族の良き特徴を知って愛することができるように、願います。そして、さらに、他国の人々にも、それぞれ尊い文化があることを見て理解し、お互いに尊ぶことができるように、願います。 Hayung,二宮一朗 |