週刊金曜日6月29日号で「増田先生の近現代史シリーズ講座」を紹介 07/7/11

 あびこ平和ネットの仲間が、週刊金曜日6月29日号「こんなこと、やってます」欄に下記のとおり、第2回の授業を紹介してくれました。ご都合のつく方は、どうぞ、おいでください!

 私の知人が「歴史というのは、いつ何が起きたのかではなくて、なぜそのことが起きたのかを学んでいかないと、生きたものにはなってこないのですね。」という感想をメールしてくれました。本当にその通り! 「なぜそのことが起きたのかを学」び、「生きた」歴史から、未来を作り出す糧を得ていきましょう!

 最後に、今度の授業の資料として使う自由民権運動加波山事件の檄文もご紹介しておきます。真に「志士仁人」たらんとした明治の20代、30代の青年たちが、極悪なテロリストのごとき汚名を被せられて処刑されたことを思えば、扶桑社「歴史偽造」教科書及び極右都議の「侵略否定」妄言を批判したことを「公務員不適格」として「免職」された私など、まだまだ!? という気分になります!

<増田都子さんの「近現代史の真実を知ろう」>

 中学高校を通じて明治維新以降の近現代史は時間切れにつき未履修というのが、年代を問わずこの国の大方ではないだろうか。まさしくそのことが、正しい現状認識を困難にしている。悪法たるゆえんを広く伝えきれず、成立を許してしまう原因にもなっている。
 
 「近現代史の欠落」は私たち庶民の大きな弱点だ。「人権感覚・主権者意識の欠如」もまた決定的な弱点であり、統治しやすい人民の育成をめざす政府文科省の積年の成果を認めざるをえない。
 
 護憲派が敗退に敗退を重ね、ついに丸腰で改憲阻止を戦う地点まで追い込まれた今、私たちはあえて腰を据え、自らの弱点克服に努めたい。そして庶民の共通理解を生み出すために最低限必須の常識を獲得したい。一人ひとりが地力をつけて庶民の底上げをはからなければ、いわゆる護憲派活動家と庶民の乖離は広がるばかりだ。

 その学びに適任の講師を見出した。本誌605号「痛憤の現場を歩く」で取り上げられた増田都子元中学校教諭。主権者の育成をめざして考える社会科のユニークな教育実践を重ね、文科省方針にまっこうから逆らったがゆえに、東京都より不当な免職処分を受け、取消しを求めて現在係争中である。

 増田さんの社会科授業「近現代史の真実を知ろう」の次回は、7月28日(土)午前10時〜、我孫子栄光教会(JR湖北駅)。
問合せ・あびこ平和ネット(рO4−7183−5015)

< 加波山事件檄文( 国立図書館憲政資料室「加波山事件関係資料」)>

「抑モ建国ノ要ハ衆庶平等ノ理ヲ明ニシ、各自天与ノ福利ヲ均シク享クルニアリ、而シテ政府ヲ置クノ趣旨ハ人民天賦ノ自由ト幸福トヲ扞護スルニアリテ、決シテ苛法ヲ設ケ厭逆ヲ施スヘキモノニアラサルナリ、然リ而シテ今日吾国ノ形成ヲ観察スルハ、外ハ条約未タ改マラス、内ハ国会未タ開ケス、為メニ奸臣政柄ヲ弄シ、上聖天子ヲ蔑如シ、下人民ニ対シ収斂ノ時ナク餓莩道ニ横ハルモ之ヲ検スルヲ知ラス、其惨状苟クモ志士仁人タルモノ豈ニ之ヲ黙視スルニ忍ヒンヤ、夫レ大厦ノ傾ケル一木ノ能ク支フル所ニ非スト雖モ、奈何ソ座シテ其ノ倒ルゝヲ見ルニ忍ヒンヤ、故ニ我々前ニ革命ノ軍ヲ茨城県真壁郡加波山上ニ挙ケ、以テ自由ノ公敵タル専制政府ヲ転覆シ、而シテ完全ナル自由立憲政体ヲ造出セント欲ス、嗚呼三千七百万ノ同胞兄弟ヲ我党ト志ヲ同フシ、倶ニ大儀ニ応スルハ豈ニ正ニ志士仁人ノ本分ニ非スヤ、茲ニ檄ヲ飛シテ天下同胞兄弟ニ告クト云爾」
  明治十七年九月二十三日