都教委糾弾『免職取り消し』裁判報告 07/6/25

 本日の「分限免職取り消し」裁判には、ほぼ満席の多数の方に傍聴いただきました。お忙しいところ、本当にありがとうございました!

 さて、都教委の出してきた準備書面(増田への人格攻撃にはムカムカするんですけど)中心点を見ると、私が言ってきました「右翼に乗っ取られた都教委」という表現が、正に事実を言い当てていたことが明白です! 以下、ほんの少々ご紹介します。

 なお、傍聴者に来た方から失笑が漏れたんですけど、都教委は公人であり文教委員会議事録に載っている公的発言が問題とされた極右都議・古賀俊昭を「A都議会議員」、教科書も出している出版社である扶桑社を「B社」と匿名で書いています。都教委は増田個人情報漏洩の「不法行為」を犯したことを東京高裁で指弾されながら、「古賀も扶桑社も実名を出せば個人情報漏えいだ!?」 とでも、姑息にも考えているようです。

●『A都議会議員の発言(文教委員会で「日本はどこも侵略したことがない」と発言したこと・増田)が全く誤った「個人的見解」であり、B社の歴史教科書が、日本のアジア侵略の歴史を隠蔽し、過去の侵略戦争を正当かつ美化するものとして内外の厳しい批判を浴びているとする点は争う。』ですと!?

 そして『なお、被告都教委としては、原告が授業で配布した本件プリントについて、原告が、A都議会議員について「国際的には恥をさらすことでしかない歴史認識を得々として披露している」「A都議その他の歴史偽造主義者」と、B社について、「侵略の正当化教科書として歴史偽造で有名な」と記載し、実名をあげて誹謗したことを問題としているのであり、原告(増田)自身の歴史認識自体を問題としているわけではないことを付言する。授業で使用した本件プリントにおいて、「国際的には恥をさらすことでしかない歴史認識を得々として披露している」当と記載することは公正であるべき公教育への信頼をそこねる行為であり、信用失墜行為を構成することは明らかである』ですと!?

●『B社の歴史教科書が特定の歴史観に基づいて書かれている、との主張は争う。B社の歴史教科書は、原告も主張するとおり、文部科学省の検定に合格したものであり、誤った特定の歴史観に基づいてかかれたものではない。決してB社の歴史教科書は「歴史偽造」ではない。B社の歴史教科書は文部科学省の検定に合格したものであり、当該教科書について「歴史偽造」と記載したプリントを生徒に配布するなど到底許されざるものであることは明らかである』ですと!?

 そして『なお、歴史観(歴史認識)についていえば、ある特定の歴史観のみが正しく、それ以外の歴史観は誤りであるとの原告(増田)の主張自体、公正であるべき教育公務員として、重大な問題を抱えていることを付言する』ですと!?

◎この厚顔無恥を絵に書いた都教委の論理で行けば、国会で「日本の侵略と植民地支配」を認め公言した首相・安倍晋三は「日本は侵略と植民地支配をした」という特定の歴史観に立って、当然、極右都議・古賀や扶桑社歴史教科書の「日本は侵略していない。自衛戦争・アジア解放の戦争をしただけだ」という「歴史観は誤りである」と公言したことに等しいですから、首相・安倍晋三は、都教委によれば「公正であるべき」「公務員として、重大な問題を抱えている」ことになりますよねぇ!?

 さて「研修成果が上がらなかった」という都教委の主張について「具体的に言ってみろよ」!? という感じで求釈明したら、映画「侵略 PARTT」(森正孝監督)を生徒たちに見せたことに対して都教職員研修センターの「指導」(力なし)「主事」がイチャモンをつけてきたので「あなたの主張のほうが間違っています」と指摘してやったことをネにもっていたらしく!? 以下のように書いていました。

●『東京都教職員研修センター講師は、原告がもちいたビデオには幼児の死体写真、強姦等の用語や強姦され腹を割かれたとされる女性の死体の写真が多数あることから、中学2年生の発達段階を踏まえて十分な配慮をする必要がある旨を指導したが、原告は配慮の名の下に隠すことの方が問題だと、加害者としての側面を伝えることが大切だと主張し、みずからの主張を変えなかったのである』

◎噴飯もの!? つまり、都教委は『「侵略の実態を教えたこと」を「反省」させ「もう教えません」といわせることを「改善」とする「研修」を、超長期にわたり、増田に強要していたのである』ってことを、なんら恥じもせず、「得々として披露」自白しているわけです!

 さて、次回はかなり先になりますが、10月1日(月)13:10〜東京地裁722号法廷です。ご予定に入れておいていただけたら嬉しいです! どうぞ、よろしく!