増田より、お勧めの映画! 07/2/27

 昨日、韓国映画『王の男』を見てきました。前評判に違わず、本当に素晴らしい映画でした! 韓国映画の水準は、非常に高いですね! 日本の俗っぽい、しょうもない映画に比べ、思想の深さ、人間観察の深さ、俳優たちの演技力、カメラワーク、どれをとっても素晴らしかったです。非常に品格高く(『品格』ってこういうのに使う言葉!)、美しい(『美しい』ってこういうのに使う言葉!)映画・・・最後は涙が止まらなくて困りました。

 自由への渇望、行動、芸人のプライド、セクシュアリティーを超えて命をかけた愛、暴君の王もまた、幼児に母親と切り裂かれたトラウマが癒されない寂しい男で、宮廷の高官たちの腐敗とのからみ、このあたりの緊張した展開は、シェークスピア劇を思わせたし、王の母親と他の側室たちとの関係は源氏の桐壺更衣を思わせ、ホント、人類普遍のテーマで、この映画は世界に通用しますね。

 封建社会の身分・権力の呪縛(ま、これ、封建社会に限りません)を、命をかけて断ち切るラストシーンの愛と死の切なさ・・・んー・・・思い出しながら、またジーンとしてきました。確かに、イ・ジュンギは「女より美しい男」でした!

 皆様も、お時間があれば、ぜひ、ご覧ください(別に韓国映画界からワイロをもらっているわけではありませんよ!?)以下、インターネットでのストーリー紹介です!

◆固い友情で結ばれた2人の芸人たちと、愛を知らない暴君

 時は、16世紀初頭。固い友情で結ばれた幼なじみの旅芸人、チャンセンとコンギルは、国一番の芸人になるという決意を胸に、漢陽の都にやって来た。そこで時の王・燕山君(ヨンサングン)が身分の低い妓生だったノクスに入れあげ、宮中に招き入れて遊び呆けているという噂を聞きつけた2人は、宮廷を皮肉った芝居を演じ、たちまち大人気を博す。

 しかし、彼らは王の側近の重臣に捕らえられ、王が芝居を見て笑わなければ死刑だと言い渡される。王は幼い頃に母親を毒殺されてから心を閉ざし、人前で笑ったことがなかった。そんな王が、一目でコンギルの美しさに魅入られ、達者な演技に爆笑し、臣下の猛反対を押し切って彼らを宮廷に住まわせる。力強く巧みなチャンセンの芸と繊細で艶やかなコンギルの掛け合いは、ますます王を魅了していく。しかし、母親の死の真相を知った王は日に日に狂気に満ちた行動に走り、ノクスは王の心を奪ったコンギルへの恐るべき復讐を計画する。今や2人の芸人は、激烈で悲劇的な運命に巻き込まれようとしていた……。

 原作は、「爾」という舞台劇。“爾”とは、朝鮮王朝において、王が寵愛する者を呼ぶ時に使われた呼び名。2000年に初演されて以来、韓国演劇協会の選ぶ最優秀舞台ベスト5、韓国批評家協会選考の年間最優秀演劇賞及び俳優部門の最優秀新人賞、ドンナー芸術協会の01年度最優秀演劇賞など、数々の賞を総なめにした舞台である。映画化するにあたり、宮廷内の人間模様を描いた舞台の魅力を生かしつつ、チャンセンのキャラクターを書き加えることで、よりダイナミックな人間ドラマに仕上がった。

◆名誉ある賞を総なめした、絶世の美青年と個性派俳優たちの息をのむ演技対決

 チャンセンに扮するのは、韓国のアカデミー賞と言われる権威ある大鐘賞主演男優賞を本作で受賞したカム・ウソン。『スパイダー・フォレスト 懺悔』などの演技で、韓国で最も知的な俳優と讃えられていた。コンギルには、『ホテル ビーナス』で、日本でも人気の高いイ・ジュンギ。“歴史を狂わせる美しさ”を見事に体現し、本作でスターの地位を獲得、大鐘賞では新人男優賞・男性人気賞・男性海外人気賞の3冠に輝くという、前代未聞の快挙を成し遂げた。ヨンサングンには、韓国を代表する名優の1人、『達磨よ、ソウルに行こう!』のチョン・ジニョン。王の愛妾ノクスには、やはり本作で大鐘賞の女性人気賞を獲得したカン・ソンヨン。
 彼らの血の通った見事な演技が、それぞれの際立ったキャラクターの魅力にさらに奥行きを与えることに成功した。観る者は4人それぞれに〜史上最悪の暴君にさえ〜感情移入し、胸を熱くせずにはいられないのだ。監督は、本作で大鐘賞の最高の名誉、最優秀作品賞と監督賞に輝いたイ・ジュンイク監督。
 絢爛豪華な宮廷の中で、実在した史上最悪の暴君に芸で挑んだ2人の男の、波乱に満ちた人生を描く本年度最高の話題作が、遂に日本へ──!