■君が代裁判・東京地裁難波判決を知った教え子からの嬉しいメール!

 9・21東京地裁の難波孝一・名判決を知って、高校1年の教え子から、とっても嬉しいメールがありました! 許可を得たので、ご紹介します。まだまだ、この国も捨てたもんじゃない! 若者に希望を託して、そろそろ老いてきたのも!? 頑張りましょう。


■教え子から■

 こんにちは、文化祭も終わってようやく落ちついた日々が訪れそうです。増田先生も元気でお過ごしでしょうか?
 さて先日、東京地裁は東京都教育委員会の国歌斉唱強制の拒否による教諭の懲戒処分は不当であるという判決を言い渡しました。僕はようやく裁判所もまともな判決を言い渡すようになったなと思いました。これは本当に当たり前のことなのになぜこんなにも正しい判決が出されるのに時間がかかったのでしょうか。
 
 右翼よりな人の中には国歌を歌うこと、国旗を掲げることは自らの国を敬い、自らの国に誇りを持つことであり、思想以前の問題なのだから強制というより国歌を歌い、国旗を掲げることは当たり前なのだと言う人がいます。しかし、僕が言いたいのは国歌が悪い、国旗の掲揚が悪いということではなく、「君が代」、「日の丸」が悪いということなのです。「君が代は千代に八千代にさざれ石のいわおとなりてこけのむすまで」という天皇が治める世の中がいつまでも続くように願う、この民主主義の世の中をまるで逆行するかのような歌詞、そして東亜新秩序とは名ばかりの一方的な侵略戦争のいわばシンボルでもある日の丸が今日の平和主義国家日本にふさわしくないということが言いたいのです。

 天皇を中心とした政治が日の丸を掲げた日本軍が日中・太平洋戦争という非道な戦争を起こしたことは事実なのです。第二次世界大戦当時の日本を思わせるこれらのものが平和主義国家となった現在の日本で使われていることは僕たち日本人からしても非常に遺憾なものであるし(遺憾でなければならないし)、近隣諸国の侵略被害にあった国々にとってはこの上ない不快感をもたらします。ドイツでハーケンクロイツ及びそれを思わせるまんじの印でさえもタブーとされているように、日本でも本当は君が代・日の丸というものは人々に避けられても仕方がないものではないのでしょうか。

 この度総理大臣となった安倍晋三氏も石原慎太郎都知事までは行かないものの、ナショナリズムの思想を濃く持った人といえるでしょう。今の日本が世界に尊敬され、誇りを持てる国家にしていくためには、北朝鮮への強行外交でも、靖国参拝でもなく、こういった戦後の不始末をきちんと処理していくことが大切なのではないでしょうか。

 しかしながら安倍晋三氏が首相を、石原慎太郎氏が都知事をやっている以上、多くの有権者は彼らのナショナリズム的な思想を支持しているということになります。さらにこれから自分自身の考えをしっかりと持たない人が増えていけば、民政はどんどん間違った方向へ進んでいってしまいます。この問題を解決するためには、やはり教育しかないと思います。現代の日本人はあまりにも歴史認識が甘く、こういった第二次世界大戦への関心が薄過ぎると思います。こういった状況が悪化すれば、多くの人が情報操作により間違った知識を植えつけられ、いよいよ日本は歴史を繰り返すことになりかねません。

 もしかすると今が正しい歴史教育ができる最後のチャンスかもしれません。これ以上民政の右傾化が進み、歴史教育の弾圧が進めば、もう日本は正しい軌道には戻れなくなってしまうかもしれないのです。僕はそういった意味で今の日本に大変危機感を持っています。
 
 そこで僕は将来教育者になりたいと思っています。僕の趣味である第二次世界大戦の研究を生かせば、次の世代の人に少しでも正しい歴史認識をしてもらうことができると思います。僕は今まではっきりとした将来の夢を持っていませんでしたが、最近増田先生のように信念を貫く教育者になりたいと考えるようになりました。僕は義務教育課程での正しい歴史認識はその後の人生の基盤になると考えています。将来、教師になって若い人たちに正しい歴史を、そしてそれを認識することの大切さを教えられる人間になりたいと思っています。
 長くなりましたが、東京地裁の判決について思ったことでした。

P/S僕は社会科以外はそんなに得意でもないし、興味のないので、おのずと将来の仕事は専門的なものにしたいと思っていたのですが、この具体的な目標が決められたのは増田先生との出会いが大きいと思います。今はこの目標に向かって頑張って勉強していきたいと思います。(最近数学と英語の成績がやばいので……)


■増田の返信■

 とってもとっても嬉しいメールをありがとう! 私は、相変わらず、元気いっぱいですよ!

 あなたの言うとおりで、「本当に当たり前のことなのに、なぜこんなにも正しい判決が出されるのに時間がかかったのでしょうか。」というのが日本の司法の現状で、しかも、都教委は控訴しましたので、東京高裁が、地裁の難波孝一・名判決! を維持できるかどうか、予断は許せない状況にあるのも事実です。

 それから、「安倍晋三氏も石原慎太郎都知事までは行かないものの」ですが、これは、全く事実ではありません。五十歩百歩というか、勝るとも劣りはしない、というか・・・の人物が、安倍晋三氏なのです。彼は、戦後50年決議に反対した国会議員の中心でもあり、自民党の『歴史・検討委員会』(私に言わせれば『歴史偽造・検討委員会』ですけど)の中心人物の一人として、その後『日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会』の事務局長(会長が中川昭一で、今度、安倍によって自民党の有力ポスト政調会長になった)をやり、扶桑社の歴史偽造教科書作成の仕掛け人だった、という根っからの極右政治屋サン!? です。

 というわけで、あなたも知ってのとおり、彼が心から敬愛するという祖父が、東条開戦内閣の閣僚だった岸信介で、この祖父の憲法改悪への執念を安倍晋三氏は、実行するために努力を傾ける(『5年以内に』!?)と明言した、という、本当にこわーいウルトラ・タカ派内閣の誕生なのです。

 でも、あなたの『将来の夢』を教えてもらって、希望が見えた気がします! 真っ当な若い教育者が、この国には絶対に必要です! あなたは、教育者に向いています! あなたの高い認識能力、判断力、多方面にわたる豊かな能力(カラオケでの君の歌の巧さには感心!)そして、かなりのイタズラッ子で、女の子を泣かせて一時総スカンを食らった、という話!? も聞いており、イタズラッ子の気持ちもよく分かる良い先生になれるでしょう!

 数学も英語も、しっかり、頑張れ! 私は、何を隠そう・・・数学で失敗して第一次志望の大学を落っこちてしまった・・・増田センセの轍を踏んではなりませぬゾ!? 死に物狂いで数学も英語も勉強したまえ! 前期の成績報告を楽しみにしています!