■韓国ハンギョレ新聞が増田の寄稿を掲載

 今朝のハンギョレ新聞が私の寄稿した文を掲載してくれました! ちょっと長いですけど、
お読みいただけたら嬉しいです。
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/160597.html

和訳は以下です。


【寄稿】 韓国国民の皆さん, ありがとうございます / 増田都子

 私は、「ノ大統領 ‘3・1節記念辞’ 教えて懲戒された増田教師」という題目の記事(ハンギョレ、05年10月24付)を通じて韓国に紹介された増田都子です。私は東京・靖国神社近くの九段中学校の教員でしたが、本年3月31日「公務員不適格」として極右政治家の石原慎太郎都知事が任命した東京都教育委員会によって解雇されました。
 この異常な処分は、去年、私が授業において盧武鉉大統領の3・1演説を教材として使ったことに端を発しました。生徒たちは、この授業の中で、大統領の呼びかけに対して真摯に考え、日本の侵略・植民地支配と和解の問題が、今なお完全には解決していないこと、未来の日本の主権者として考え続けていかなければならない問題であることを理解しました。このような授業に対しては褒められこそすれ、なんら譴責を受けるいわれはありません。
 
 しかし都教委は、私が盧大統領あてとして手紙形式で書いた文章中、都議会文教教育委員会で「侵略戦争うんぬんというのは全くあたらない」と発言した自民党・古賀俊昭都議の名を挙げて批判し、「新しい歴史教科書をつくる会」の扶桑社を褒めた都教委を批判した文言をとらえて、05年8月、都議や扶桑社をひぼうしたとして、授業を奪った後、解雇したのです。

 誤った歴史認識を持つ『公人』や『教科書製作会社』があることを生徒に教えることは侵略戦争への反省から生まれた日本国憲法や教育基本法の趣旨、去年のアジア・アフリカ会議での小泉首相の「侵略と植民地支配への反省」談話からからすれば、なんら『不適切』ではありません。それを「誹謗中傷で不適切」と判断する都教委のほうの誤った歴史認識こそが『不適切』きわまりないもので、『反省・改善』する必要があるのは都教委の方なのです。

 私は、私の免職(解雇)撤回要求署名を日本と韓国の方々に呼びかけました。その第一次集約分は、日本では4984筆、貴国からは4872筆寄せられ、合計9856筆集まりました。これを9月15日、都教委に丁重に渡しました。心から感動したのは、韓国からの署名に付けられていた以下の文章です。

 「私たちは、増田先生の行動は、アジア永遠の平和と正しい歴史教育にとって、正当なことであると評価しています。ここに私たちは、増田先生の不当解雇撤回と職場復帰を、韓国国民の良心の名の下に要求します」

 80歳に近い釜山市民団体協議会の金チ魯理事長を中心に4872人もの韓国の方が、ただ一人日本人教師のために、解雇撤回を要求してくださったことに、涙が出るほど嬉しく、大きな励ましを受けました。

 また、日本にも留学したことがあり、とても流暢な日本語を話される韓国の女性教員の方からも嬉しいメールがありました。「いつも頑張っている姿に感動してます。私も署名用紙を作って周りの人々から始めてみます。これこそ日韓連帯になりますね。同じ時代を生きている人間として正義が実現できるその日まで頑張りましょう。


 教え子も「子どもに真実を教えられる先生のような人間になりたい」と言ってくれます。これらの励ましを何よりの心の支えに、一日も早く解雇を撤回させるために頑張ります。再び教壇に立って正しい歴史認識を日本の子どもたちにはぐくみ、韓国の方々を始めアジア諸国の方々ともに連帯して、どこの国でも正義が実現できるような子どもたちを育てたいと思います。

 署名、本当にありがとうございました。そして、これからもご支援をお願いします。