8.31都庁前ビラ撒き
 本日の都庁前早朝ビラまき、お忙しいしいところ、ご協力、大変、ありがとうございました。最近、受け取りは、あんまり良くありませんけど(特に若い人は受け取りませんね)、とにかく、継続してやることが大事だと思います!
 9月は30日が土曜日ですので、29日(金)になるかと思いますが、よろしく! 以下がビラの内容です。
教基法改悪の先取り
増田さんへの不法・野蛮な不当解雇をはねかえそう!

06・8・30  東京都学校ユニオン 


 3月31日に都教委が行った千代田区立九段中社会科教諭・増田都子さんに対する分限免職処分ほど、石原都知事のもとでの東京都教育委員会が、どんなに一般市民の良識や憲法に明記された民主主義の精神、平和主義の精神、憲法遵守義務等からかけ離れた存在であるかを示すものはありません。

真実を教えたために、免職処分

 都教委が増田さん解雇の理由にあげているのは、第一に、増田さんが社会科の授業で配布した資料の中に、自民党の古賀都議が都議会で行った「日本がいったい、いつどこで侵略をしたのか」という発言やかつて日本が行った中国・東南アジアへの侵略戦争を「民族自衛の戦争」、「アジア諸民族解放の戦争」と讃美する扶桑社の歴史教科書を、「歴史偽造主義」と批判する「不適切な文言」があったというものものです。
 そして第二に、増田さんにこの「誤り」を認め、反省するように「研修」を命じたが、増田さんがそれに従順に従おうとせず、反抗的な態度を示したことを、処分の理由としています。
 しかし増田さんは、教員・社会科の教員として、ごく当たり前のこと、教育公務員としての当然の義務を果たしたにすぎません。なぜなら、1910年の日韓併合が韓国に対する植民地支配の始まりであり、1931年の満州事変に始まる中国・東南アジアに対する戦争が市場のため、権益のため、原料資源確保のために2000万人もの民衆の命を奪った侵略戦争であることは歴史的な真実であり、古賀議員の発言はちもろん扶桑社の教科書の記述も、戦後あまねく認められてきたこの真実を歪めるもの、こどもたちにまちがった歴史認識をもたらすものだからです。
 従って増田さんには、そもそも「研修」を受けなくてはならない理由など何もないのです。まして職員に一日中監視され、トイレに行くのにも職員に伺いをたてなくてはならない、人権蹂躙のやり方に抗議するやりとりをテープにとるといったことは、一市民、一労働者としてまったく当然の権利ではないでしょうか。

教基法10条違反の「教育への不当な介入」

 校長が研修や処分を要請する「具申」(申し出、申告)もせず、また、すでに港区立御成門中学への転勤が決まっていたにもかかわらずそれを覆して処分する等々、今回の解雇はまさに異常きわまるものです。
 しかしこの処分の一番の問題は、それが、長年にわたる土屋たかゆき、古賀俊昭ら右翼的な都議会議員や産経新聞などによる執拗なデマ攻撃と結びついた処分であり、「教育への不当な介入」を禁止する教基法10条を蹂躙する違法きわまる処分だということです。
 この「教育への不当な介入の禁止」は、そもそもフランス革命の際に、それまで教育が宗教・教会、王権に支配され、真実を研究したり、教えたりする自由が抑圧さてきたことへの反省から、コンドルセらによって提起された、近代民主主義教育の根本原則の一つです。
 そして、戦後の日本で教育基本法にこれが明記されたのは、戦前・戦中には、教育が天皇制権力、軍部等々の支配に従属させられ、教員達が自由に考えたり、教えたりする自由を奪われ、「教え子を戦場に送る」はめになったこと、野蛮な殺戮を強いるはめになったことへの痛切な反省からです。
 ところが今やとみに反動化する自民党政府は、この民主教育の根本理念やかつての深刻な反省を忘れ去り、「教育への不当な介入」を禁止した教基法10条の改悪、骨抜きをやろうというのです。すなわち、「国民全体に対し直接に責任を負って」や「全体の奉仕者」の部分を削除し、「この法律および他の法律の定めるところにより行われるべきもの」に置き換えようとしています。そして石原都知事のもとでの東京都教育委員会がやっていること、やろうとしていることは、まさにこの教基法改悪の先取りにほかなりません。

教基法改悪も増田さん解雇も、ゆがんだ「愛国心」教育のため

 いったいなぜ自民党政府は、教基法10条の改悪をめざすのでしょうか。また、石原、中村教育委員会は、古賀、田代、土屋ら3悪都議と結託して、ごく当たり前の教育をしているだけの増田さんを学校現場から排除し、生活の糧すらも奪う野蛮な攻撃をかけてくるのでしょうか。
 それは、自民党政府の教基法改正案の中心に「愛国心」が置かれているように、彼らのめざすものが「戦争のできる国家」づくりであり、「国のため」、「企業のため」に命を捧げることを辞さない青少年を育てるために、子どもたちを「愛国心」でマインドコントロール、「洗脳」することだからです。
 古賀議員が議会でも裁判でも「日本の戦争は侵略戦争でなかった」と公言し、石原都知事が侵略戦争讃美、歴史偽造の扶桑社教科書を公立学校で強要しようとするのも、彼らのめざすものがこの野蛮な愛国心教育を強めるためにほかなりません。そして『君が代』斉唱に反対する教員や歴史の真実を教えようとする増田さんのような教員は、このような彼らのやり方に真正面から阻もうとするものだからこそ、弾圧され、排除されざるをえないのです。
 いまや日本の教育、東京都の教育は、教基法の改悪、「日の丸」、「君が代」処分、平和教育弾圧等々によって、危機に瀕しています。右翼勢力と癒着した都教委の攻撃、自民党政府による教基法改悪の策動を断固はねかえしまょう!増田さんの職場復帰をかちとりましょう!