第12回授業の感想 08/5/31

先日の近現代史講座について、参加者がまとめてくださったものを、ご紹介します。


皆様
(Cc:宇治 山宣会御中)

2008年5月31日(土)14時〜我孫子栄光教会、「アジア・太平洋戦争」の報告です。
天皇の戦争責任や言論弾圧の暗殺等、学校の授業では余り聞けない史実も報告しますので、驚かれた方は、悪しからず、です。

この授業は、あびこ平和ネット主催、全15回のシリーズ企画、
増田都子先生の社会科授業「近現代史の真実を知ろう」12回目です。

今回も15名程度の方々が参加して下さいました。有り難うございます。
今回は山本宣治の映画「我が斗争」を見てから、授業プリントで学習です。

●授業プリントより
天皇「海軍の日時は何日か」
永野「8日と予定しております」
天皇「8日は月曜日ではないか」
永野「休みの翌日の疲れた日がよいと思います」
(『杉山メモ―大本営政府連絡会議等筆記(上・下)』(参謀本部編、原書房、1967年))

1941/12/8 の開戦の日はこうして決められていったのですね。

●授業は山本薩夫監督作品、『武器なき斗い』映画鑑賞から。
映画のあらすじはgoo映画を参照→http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD23259/comment.html

生物学者にして反戦議員、山本宣治。
彼は第一回普通選挙で労農党から選出され、治安維持法に反対し、右翼に暗殺されます。
Wikipedia→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E5%AE%A3%E6%B2%BB
宇治山宣会ご覧下さい→http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yamashiro/yamasen/

映画は生物学者として、同志社大学にて科学的な性教育を行う場面から。
「厳粛なSEXの真実」を力説していました。
山宣は産児制限活動もしていました。

また、「マルクス主義を研究するだけで国家反逆罪」とにらまれ、
捕らわれる学生達を擁護していました。

宣治が反対したのは治安維持法の最高刑を死刑とする、改悪です。
この改悪は、田中義一内閣が改正案を国会に提出するも、
審議未了となり、緊急勅令として改正法を交付したものです。

共謀罪のこと、天皇制のことを思います。

増田先生から、山宣の映画ビデオをお借りしたので、
地元で小さな上映会ができればと思います。

●今後の予定●
第13回 6月29日(日)14時〜湖北台近隣センター(湖北駅南口)、「大日本帝国の敗北」

以下、増田先生より。
「この回は、先ず原爆記録映画『予言』(羽仁進監督編集)を見ます。米軍の実写フィルムを直視するのは、あまりにも辛いものがありますが、日本軍の『侵略』、ナチスの『わが闘争』に見たユダヤ人虐殺同様、現代に生きる私たちは、知る権利があり、また知る責務があると考え、今までも生徒たちに見せてきました。そして、この、あまりにも無惨な出来事が本当に避け得ないものであったのか、敗戦に至る政治意思決定過程を第12回同様、昭和天皇および近衛文麿ら政治家や陸海軍の主要人物の言動を中心に、詳しく見ていきます。」

●第14回
 7月27日(日)14時〜湖北台近隣センター(湖北駅南口)、「東京裁判と日本国憲法」

●第15回
*日時・場所未定
*テーマ「戦争責任を考える」

皆様ぜひ、いらして下さい。皆さんのうちに平和がありますように、

豊田 義信 yoshinobu000-lj(a)infoseek.jp
●祝 鎌倉市平和都市宣言50周年(日本初)●
●2010年 あんぽ条約50周年改定でなく平和条約でいこ●


 5月31日の近現代史講座に横浜から、はるばると初めて参加してくださった方に以下のような嬉しいお手紙をいただきました。許可を得ましたのでご紹介します。

次回は●6月29日(日)14:00〜湖北近隣センター(湖北駅南口徒歩3分)●テーマ「大日本帝国の敗北」です。ご都合がつきましたら、ぜひ、ご参加ください!


<増田都子先生へ>

 5月31日に、先生の「社会科授業」を聞かせていただいたAと申します。韓国・大邱のBさんから、先生を取り上げたテレビニュースのビデオを送ってもらった縁で、あびこ平和ネットの豊田義信さん(昨年結成された「政治の変革をめざす市民連帯」の呼びかけ人の一人で、私も同じ呼びかけ人です。Bさんとは、その団体の創立総会で会いました)の紹介で、今回、生まれて始めて「湖北」というところに行き、先生の授業を聞かせていただきました。

 それまでに先生の『たたかう!社会科教師、戦争の真実を教えたらクビなのか?』を読ませていただいていて、「壮絶な」という言葉が浮かぶ、ものすごい闘いに圧倒されましたが、同時に先生のゆるぎのない態度に、すでに勝利しているかのような明るさ、のびやかな笑いがあって、それに心を打たれていました。先生が主張されていることはあるいは「ふつう」の、「あたりまえ」のことで、「つくりごと」や「へりくつ」を越えたものだから、そののびやかさがあり得るのか・・・? ただ、先生のご経験に触れる限り、その「ふつう」が通るまでに、何と厖大なエネルギー、時間を取られ、苦痛を伴うことか!

 「授業」では、内容の濃さ、論理の明快さに、学ぶ喜びを感じました。よく調べておられてすごいなと思いました。戦時下のそれぞれの段階で、指導者への疑問が湧くよう史実が配列されていて、戸惑いながらも意欲をかき立てられました。帰り際に、受付をしておられた方が、これまでの資料で余ったものを下さったので、空欄の答えはわからないところが多いのですが、じっくり読んでみようと思っています。豊田さんは、「増田先生の授業を聞ける子供らは幸せだな、卒業生達と話してみたい」と言われましたが、私も同感です。自分がこんな授業を聞いて中学生時代を過せたらどんなによかったろうと思いました。

 こんな先生を解職するなど、許せません。当日、実は署名用紙持って行っていたのですが、先生にお菓子をお渡しする方に気がいってしまって、渡さないで来てしまいました。署名の半分は元先生だった方が同僚の方から集めてくれたもので、5月31日に増田先生の授業に出るといったら間に合うように郵送してくれていたのです・・・。これ以外にもまだ元先生の方で、集めると約束してくださって用紙をお渡しした方がいます。今後も、署名用紙をプリントアウトして、私自身、集会などに持参し、訴えるようにしてゆきます。ご本は、県立や市立図書館で購入希望を出してみます。

 戦争時代は学べば学ぶほど、考えれば考えるほど胸が痛くなります。国内外の被害を受けた人たちのことは、私はまだ殆ど何も学んでいません。沖縄の人たちの苦しみに触れるようになったのも、わたしの場合、恥ずかしいことですが最近のことです。ただ、戦時は、人間や社会の問題を拡大鏡で見るように見せてくれるようにも思われます。

 昨日、韓国から靖国裁判で来日したイ・ヒジャさんや支援者達と高裁傍聴のあと昼食を共にしながらいろいろお話しました。(友人の在日の方が通訳してくださったので話が通じました。)そのとき出た話ですが、今、韓国では、イ・ミョンバク大統領への批判が高まっているそうで、特に、狂牛病の可能性のある肉を米国から買うと決めたことに対して、給食が心配だと中高生が立ち上がり、全国各地でキャンドル・デモが続いているとのことでした。彼らは、有名歌手の集まりなら群をなして参加する大学生に、恥ずかしくないのかと批判し、大学生も年下から批判されてようやく最近政治集会に出るようになった、ということでした。これまでの民主化の成果は今、意識の高い中高生というかたちで現れているのでしょうか。「南北統一といった運動になったら、彼らは動くよ」、と在日支援者の一人が言っていました。翻って日本を思うと・・・慚愧の念で一杯です。

 中国の地震被害が学校に多かったことを知って、首相は校舎の耐震工事を行なうと発表しましたが、校舎が壊れないのはいいことですが・・・でも、そこにいるのが、君が代・日の丸強制で心の壊れた生徒と先生だったとしたら・・・なさけないことです。日本の若者が、力を、特に政治的思考力を喪失し、その活力はアジアで四流と言われるのは、正に、現在の教育の「成果」ではないでしょうか・・・。

 私は馬齢を重ねただけの、世の周辺に生きる外野人ですが、それでも、いろいろ言いたいことが発生します。今後も先生やお仲間の方達とつながっていたいと思っています。どうかよろしくお願いいたします。         
増田都子先生の社会科授業 「近現代史の真実を知ろう」
全20回シリーズ(15回では終わらないので延長します)(一ヶ月1回)

対 象:中高生〜大人まで
参加費:500円(中高生無料)
主 催:あびこ平和ネット