第9回「近現代史講座」の感想
先日の件名講座について、 中心になっている若者が内容&今後の予定を書いてくれましたので、ご紹介します。ご都合のつく方は、ぜひ、4月26日の第11回講座においでください!
この若者は、現役時、私が中学3年生に与えていた憲法前文の暗唱という課題を話しましたら「僕も挑戦します」と取り組んでくれました。あびこ平和ネット会員の歌人の方が、これを見て以下の歌を詠まれました。
「ステンドガラスの灯に頬沁みらせて若者は憲法前文を暗唱なせり(我孫子栄光教会にて)」・・・こういう時が教師の至福の時です!
2008年3月23日(日)14時〜湖北台近隣センター
「映画『侵略』と日本のファシズム」
この授業は、あびこ平和ネット主催、全15回のシリーズ企画、増田都子先生の社会科授業「近現代史の真実を知ろう」10回目です。
今回は、14名の方が参加して下さいました。有り難うございます。
●授業プリントより一文
−『今後は朕の命令なくして一兵だに動かすことはならん』
(1938年7月15日〜8月10日、陸軍がソ連軍との国境紛争を起こした張鼓峰事件後に、昭和天皇は板垣征四郎陸軍大臣に厳命)
●授業は近現代史年表の穴埋めから。
−1938年1月15日、軍部は対ソ戦準備のために天皇に対して日中和平交渉継続を求める上奏要請をしたが、天皇は拒否し、日中戦争継続主張の政府を支持。
→満州事変の時に蒋介石が戦わずして逃げたから、すぐに勝てると考えていたとのこと。
−...(1938年5月5日、国家総動員法施行)この日をもって日本という国が法的にファシズム国家、いうところの天皇制ファシズム国家になっていったということであった。(千田夏光「平成天皇」より)
−1940年2月2日、斉藤隆夫議員の「反軍演説」、議事録より削除。
−同年3月7日、陸軍から「聖戦目的の侮辱、10万英霊への冒涜」と攻撃され、賛成296、反対7、棄権144にて議員除名。
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「日本の大陸発展を以て帝国生存に絶対必要なる条件なりと言はんも、自国の生存の為には他国を侵略することは可なりとする理屈は立たない。」(斉藤隆夫「大東亜戦争の原因と目的」『斉藤隆夫政治論集』1944年2月より)
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Wikipedia「反軍演説」より
演説前のエピソード
斎藤は「支那事変処理に関する質問演説」(反軍演説)の練習を鎌倉の海岸で何度も何度も行った。その為、よく声をからしていた。これを心配した斎藤の妻乙女は、海岸へ練習をしに行く斎藤に手製のキャラメルを持たせた。この甲斐あって斎藤は以後、声をからす事無く練習に没頭でき、最終的には演説全文を暗記するまでになった。もちろん当日も原稿を見ること無く演説を果たした。
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●映画『侵略』メモ
−この映画は社会科教師が中高生向けに編集したもの。三光作戦や南京大虐殺、731部隊などの内容。
−靖国神社の門にある菊の御紋。そこから行進して出てくる歩兵の映像。
−南京市の4つの門を閉め、残る1つの門から逃げる一般人を銃殺。
−塚越正男元伍長の証言。「逃げまとう人びと...それを僕が撃つ。機関銃を担いで行って見ると、妊婦や百姓、自分の祖父母に似た人びと。私は考える余裕がない。パーロー(八路軍)の親父だ、と勝手なレッテルを貼って自分を正当化する。」
「服をとられたおばあちゃん。黄色いまんじゅうを持って来て、懇願する。『日本大人、孫のとっつぁまが買ってきた大事な服だ。返してくれ』地べたに額こすって、私に頼む。私はピストルの銃底で頭蓋骨を砕いた。血が噴き出した。おそらく死んだだろう。」
「日の丸君が代の憎しみ。そのことによって侵略された人びと。絶対掲げてはならない。その血に汚れたものを塗り替えられるかどうか。」
−東京日々新聞の鈴木次郎記者、南京市の惨状を記述。「無数の死体が埋められ、...腕、脚のとびだしている有様はこの世の地獄。」
−海外の新聞社の記録。1937年12月15日夜、大学で日本兵38名が女学生を輪姦。
−強姦5〜6万件、20万人の虐殺、1万2千戸の略奪。
●資料より
−「捕虜殺害の状況を具体的に記述してあるのは、歩兵第六六連隊第一大隊の戦闘詳報である。...一二月三日に次の記述がある。
八、午後二時零分...隊長ヨリ左ノ命令ヲ受ク
左記
イ、旅団命令ニヨリ捕虜ハ全部殺スヘシ」
(藤原彰『天皇の軍隊と日中戦争』大月書店より)
●今後の予定●
第11回 4月26日(土)14時〜我孫子栄光教会(湖北駅南口)、「第二次世界大戦」
第12回 5月31日(土)14時〜我孫子栄光教会(湖北駅南口)、「アジア・太平洋戦争」
特別授業5月10日(土)10:20天王台駅北口階下集合、13:30解散、「柏戦跡めぐり」
皆様ぜひ、いらして下さい。
増田都子先生の社会科授業 「近現代史の真実を知ろう」
全15回シリーズ(一ヶ月1回)
対 象:中高生〜大人まで
参加費:500円(中高生無料)
主 催:あびこ平和ネット |
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